「70年代、80年代を通して、
我々は、映画を作る舞台において決定的な変更を迫られた」
かつて宮崎監督はそんなことを言っています。
そして、
「これからの映画は、
人間と自然、その問題意識を抜きにして物語を語ることはできない」
と続けるのです。
「風土とか自然とかを抜きにして、そこに生きる人間たちの人間関係などは描けない。
いさかいや出会いなどは描けないのです。
そういう視点が抜けているものは、つまらないのです」
この言葉には、目を開かされる思いが芽生えますね。
「これは、この時代に生きる者の常識なんです」
この明確な意識が、
ジブリ映画のリアリティーとして根底を支えているんだと痛感させられます
物語のキャラクターを作り出すときには、
原作者も、それを表現する役者も、
まずは、舞台となっている風土や、そこで生活した証について考えなくてはならないということですね。
生き生きとした物語を作るには、
確かになくてはならない映画的要素だと思いますね〜。
例えば、
『天空の城ラピュタ』のワンシーンを思い出してみてください。
メインキャラクターである、シータとパズーとの出会いの場面です。
ポスターになっている画ですね。
このカットが、二人の初対面となります。
ここで、二人の風土や生活を思い出してみてください。
シータは、天空の人です。
だから空から現れるのです。
一方、パズーは、幼いながら働かねばならない少年です。
だから炭鉱現場に立っています。
見事に彼らの生きている風土や環境を表現していると思います。
シータは、珍しい輝くペンダントを持っています。
パズーは、夜食の肉団子スープを持っています。
これも、偶然ではありませんね
出会いのシーンとして、素晴らしく緻密な表現だと思います。
私も、
新人声優さんに対して、
シナリオ読解などのレッスンを行う際、
大御所声優さんの読解力や演技表現について解説するときには、
感情表現だけではなく、もっと大切なものとして、その人物の生活や環境について検討する時間を大切にしています。
人間関係を会話演技に取り込もうとするならば、
これは避けては通れない検討事項だからです。
とても複雑感じるかもしれませんが、
これこそが、リアリティーを楽しむドラマの根幹を成している骨格となるんですね。
ここをじっくり考えて取り組むことで、
生き生きとした会話劇が誕生しますから、慣れてしまうほかないことなんですよね
ジブリ作品や、宮崎さん、高畑さんの言葉というのは、
いつでも多くの学びを与えてくれます。
何か困った時は、彼らの言葉に触れてみることです。
変な感覚ですが、
巨匠の言葉と言うのは、どこか清々しさを与えてくれるものですからね。
また、リフレッシュしたような子持ちで、
物語づくりを楽しむことができますね
◆◆◆開催予定のワークショップ◆◆◆
【1ヶ月間 声優ワークショップ】
9月開催。
水曜朝、土曜夜の2クラスを開催。
大ベテラン声優の〈シナリオの読解力〉を知ることで、
あなたの表現力が一変する。
レッスン内容&目的を詳しく解説しています
http://dramacd.moo.jp/readscenario.pdf
【2日間 声優ワークショップ】
9月開催。
水曜朝、土曜夜、木曜朝、金曜夜の4クラスを開催。
質の高いサンプル音源には、良い演技が必要です。
そして、良い演技には、練り上げられた原稿が必要なのです。
声優スキルを証明する原稿作りの詳細は
http://dramacd.moo.jp/voicesample.pdf
【3ヶ月間 声優ワークショップ】
(全12回)
2021年10月開催。
水曜朝、土曜夜、木曜朝、金曜夜の4クラスを開催。
シナリオ一冊と、そのドラマCDが教材。
大御所声優のシナリオ分析の全貌について徹底解説します。
シナリオを〈プロの声優として読む〉スキルが、
プロで通用する演技表現を実現します。
ベテラン声優のシナリオ読解力の習得方法とは
http://dramacd.moo.jp/prolevel.pdf
オーディオキネマ代表
山中勇人(脚本・演出)
◆◆◆twitter◆◆◆
◆◆◆facebook◆◆◆