表現の凄み | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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今、

 

こんな本を読んでいますニコニコ

 

美術監督の種田陽平さんの書かれたものです。

数年前には、

 

ジブリ作品の美術を担当されたことでも話題になりましたね。

「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」の記憶も新しいですね。



本書の冒頭に、

 

とても素敵な一文がありました。

 

ご紹介させてくださいおねがい

「アニメーション映画における美術は、

映画の品格を決める決定的役割を持っていると思う。

ある映画を観た瞬間に、それがどういう志を持った映画か、

ということを伝えるのは圧倒的に美術の力だ」


これは、

種田さんの言葉ではなく、

宮崎駿さんがインタビューで語った言葉だそうです照れ



この言葉を映画で確かめるならば、

『となりのトトロ』にて緻密に描かれた農村の風景や、

道端の草木を見れば十分ですよねグッ

かつての日本の景色を再現すること、

その懐かしさを後世に残すことが、

この名作映画の使命であることが理解できます。

私は、


映画のチカラとは、

そんな確固たる意思に宿るような気がするのですニコニコ

 

 

 

これは偶然ですが、

私もドラマCDを制作する際に、

「江戸の音」をどこまでこだわれるかが、

作品のリアリティーへの第一歩だと思っていました。

ですから、

あれやこれやと、

実は・・・挑戦しているのですねぇ〜ウインク

吹く風、降る雨、足音、履物、動作に関わる音など、

仲間の協力の元、

試行錯誤で作った音源も沢山挿入しているんです〜。

 

 

 

しかし、

 

どうしても到達できない領域というものもありました。

 

それが舞台となる土地の音です。

 

私は、

 

効果音を入れる段階で必ず苦労を伴うことを承知のうえで・・・

「水の町」と呼ばれた深川をドラマの地として採用しました。

 

そして、

研ぎ師という町人を主人公に選んだのです!

 

こういった箇所の音については、

 

本当に苦労もしたし、悔しい思いもさせられました〜〜チュー




例えば、

 

皆さんは、

江戸の大通りにとなるとどんな音が聞こえてくるでしょうか。

 

時代劇映画やTVドラマではお馴染みのシーンですが、

色々と調べてみると、

これが全くの再現不可能な音であることが分かったのですガーン



 

時代考証の本などを漁れば、

 

どこにでも書かれてあるのですが、

江戸の街中では、

乗馬禁止、路上喫煙禁止など色々な規則が多かったそうです。

 

そして、ブラブラと歩いている者も少なく、

皆、足早に目的地へ向かうのみで、立ち話などはあまりしなかったそうですキョロキョロ

これでは、

 

漏れ聴こえてくるのは行商人の売り声か、

商売人のやり取りくらいかもしれませんね。



そして、重要なのは、

通行人が皆、江戸っ子とは限らないということです!

これは町人であっても、武士であっても同じことです。

全国各地からから集まってきた者が江戸には大勢いて、

飯屋などに入れば、

きっと様々な国の言葉が横行していたはずなのです。

 

本来は、

 

ここを再現しないことには、偽物の江戸ということになるんですよね〜アセアセ

 

江戸のリアリティーを語るならば、

 

とても重要な問題ですよね〜照れ

そして、

 

方言と言っても、

江戸時代に使われていた方言ですから、

これにはとんでもない調査が必要となるでしょうね。

NHKの大河ドラマの歴史でも、ここまで実現したものは無いはずです。

 

どう考えても不可能ですからね・・・てへぺろ


 

こんなことは、

分かった上で無視すればいいのですが、

無視するというのは、

制作している者にとっては、精神上よくない行為なんですよね。

嘘をつき続けるのも、なかなか辛いものなのです・・・チュー



 

先にあげた『となりのトトロ』などは、

それを思うと、

本当に素晴らしい再現力ですよねキラキラキラキラキラキラ

昔の風景は、

 

私にはよく分かりませんが、

知らなくってもあの草木や山々、農村や田園風景には、

 

ホンモノがあることが十分に伝わってくるのです。

 

あの圧倒的な凄みこそが、

 

映画のチカラですよね。

 

 

ドラマCDは音だけのエンターテイメントです。

 

ですから、

 

効果音については、

 

徹底的に戦うことが本懐なのでしょうが・・・

 

現実は、

 

困難や不可能の連続なんですよね〜ニヤリ

 

でも、です!!

 

ジブリ映画をお手本とするならば、

 

その志から学ぶとするならば、

 

もっともっと勉強し、さらに攻め込む方法を、

 

見つけなくてはならないのですニコニコ

 

 

 

私も、

 

誰も到達したことがない音の領域へ踏み込んでみたいのです。

 

音が作り出す表現の魅力を突き詰めてみたいのです。

 

これは、

 

制作を続ける上での、

 

私の念願なんなんですよね照れ

 

 

 


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