江戸の町人をドラマCDに登場させたくなったわけ。 | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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実は、

 

ドラマCD『研ぎ師伊之助深川噺』は、

 

もともとは、武士を中心とした物語を企画していたのです!

 

しかし、

 

シナリオ開発のために、

 

色々と江戸について調べていくうちに、

何やら町人が面白くなってきちゃったんですよね〜ニヤリ

 

 

 

そして、ひと月もすると、

 

自宅の書斎は江戸町人についての資料で山積みになっていたんです〜チューアセアセ

 

こうなると、

 

どうしたって主人公を町人にしたくて辛抱できません。

 

そこで、

 

研ぎ師の伊之助(松田洋治さん)が誕生したというわけです照れ

 

当初予定していた仮タイトルだって、

 

ゴツゴツとした侍風のたものだったんですよね〜アセアセ

 

(今とはエライ違いです〜〜)

 

もしも、

 

私がそれほど江戸町人に魅了されていなかったら・・・

 

若侍(斉藤壮馬さん)が巻き込まれる、

 

お家騒動物語になっていたかもしれませんね〜。

 

でも、

 

真面目な武家言葉が溢れるドラマCDなんて、

 

想像するだけでつまんないですよね〜爆  笑

 

 

 

さて、

 

ここでちょっと、

 

江戸の町人について書いてみましょう。

 

私が虜になった訳が、

 

ご理解いただけるかもしれませんOK

 

 

 

 

 

江戸の町人というのは、

 

街のことを「お江戸」と呼んでいたそうです。

 

己の住む街に「お」をつけるなんて、

世界中でもこの江戸の人々のみだったらしいのです〜。
 

この愛嬌が、

 

ある種の江戸町人を象徴していると思いません〜爆  笑

 

ちょっと浮ついたところ。

 

ちょっと矜持が鼻につくところ。

 

ちょっと遊び心があるところ。

 

これが、

 

江戸人の面白さだと思いますキラキラ


※ちなみに、

ドラマの舞台となっている深川の町人は、

橋を渡って大川の西側へ行く時に、

「ちょいと江戸へ行ってくるよ~」

と言ったそうです。
この辺りの町人(本所・深川)は、江戸の郊外ながら土地に強い誇りを持っていたようです。だから「お江戸」なんて持ち上げたりはしなかったかもしれませんね。




ちなみに、

 

現代人がよく使う江戸っ子」という言葉、

これを調べるのはちょっと骨が折れました〜。

 

幕末でも使われていたのかを知りたかったのですが、

 

それについて書かれている書籍にたどり着くのに、

 

とっても苦労させられたんですよねぇアセアセアセアセ

 

 

諸説あるようですが、

明和年間(1764年~71年)の文献には見え始めていると、

 

ある大学教授の書籍にて発表されていたのを知り、

 

飛び上がって喜んだのを良く覚えていますねぇ〜。

 

こういう事実を発見できる幸運も、

 

シナリオ執筆には大切なんですよねウインク
 

 

 

 

しかし、

 

自分のことを江戸っ子と呼び、

 

お江戸に勝る土地はねぇ」

 

なんて言ってる男女がいるのを想像すると、

 

やっぱり胸が踊るものがありますよね〜〜照れ

この日常のテンションが、

 

私にはドラマティックで仕方がないのです〜キラキラ



よく、

 

彼らの性分をこんな風に言います。

 

「向こう見ずで強がりな江戸っ子」
 

空景気で、執着心を毛嫌いし、喧嘩っ早いが仲直りも早い、

見栄坊で威張りたがり、幼稚で馬鹿馬鹿しいところもあるが、

啖呵を切って主張を曲げない。

常に軽々しく生き、悟ったようで悟らず、

垢抜けしたようで俗気がある。

それでいて深刻なところは微塵もなく、

威張っても可笑しみが勝っている、

これが、

 

江戸の人々なんですよね!




こんな無茶苦茶な人物像の人間が、

当時の江戸に数十万人もいたと思うと、

 

にわかに信じられませんよね爆  笑

 

これら全ては、

 

たかだか170年くらい前の話ですからね〜。

 

 

 

将軍徳川家康が江戸の街を作り始めて以来、

日本全国約300の大名家が、

自藩の武士や町人を連れてこの土地で暮らし始め、

それぞれの国の文化を江戸城下へ広めていったのです。

 

突如現れた大都市江戸ですが、

全ての人口は他国者だったということになります。

そんな大都市は、

 

世界中を探しても、他には無いと言われていますニヤリ

(大体は地元民が基盤となって都市は形成されているものですからね。)

実に、不可思議な街なんですよ。

 

江戸ってやつは照れ




そこから時を経て、

武家中心の社会から、

町人、商人中心の市民社会へ移行した時、

あの「江戸っ子」意識なるものが、

 

彼らの中で芽生えてようなのです。

どんどんと江戸へ流入する田舎者との差別化を計るため、

「粋」だ「いなせ」だなんて心ばえが始まったのかも知れませんね照れ




いくつかの時代考証の先生の書籍を読み、

諸説色々発表されている江戸っ子発祥説を調べましたが、

知れば知るほど、

彼らのこんな性格が理解できるような気がしましたキラキラ

景気が悪く、貧富の差は広がるばかり。

頻発する火事は、一瞬にして財産を奪い去る。

あぶれる浪人、貧乏御家人の乱暴狼藉事件。

日々を面白おかしく生きたくなる気持ちは、

 

よ〜〜く分かりますよねぇてへぺろ




江戸町人の「いなせ」や「いさみ」の共通の気風は、

つまりは、江戸の血が流れた身内意識のあらわれかもしれせん。

こんな反権力的、反体制的な精神をもった一般市民なんて、

やっぱり愛すべき魅力ある人々ですおねがい




あれこれと、

下調べをした頃の話を書きましたが、

なぜ、こんなものを読んで頂いたかと言うと、

つまりは、

私は、出来る限り、

現実に実在したであろう人物像、実体に迫った江戸の町人を描きたいということです。

たとえエンターテイメントを謳った時代劇でも、

リアリティーの追求を忘れては、どうにもならないということなのです。




これを、

書き手側だけが求めるだけでは、全く不十分なんですよね。

制作陣も同じ気持であることはもちろんですが、

役者の側にも、

 

この精神を共有してもらわなければ、

思い描く作品は完成されないのです。




目的は単純で、

「お客さんを心底楽しませたい」

これだけなんですよね。

 

このための苦労なんですよね〜ニコニコ

 

 

 

 

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山中(脚本・演出)

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