トトロを観ながら・・・・ | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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本日は、

映画『となりのトトロ』を観ながら、

ポツポツと作業をしていたのですが、

宮崎監督のシナリオの素晴らしさに、

心を奪われてしまうこと度々でしたねぇ・・・




宮崎さんの書かれるシナリオは、

とても繊細で、隅々まで本当に心が通っていることが、

観ていてよく分かりますね。

今日なんかも、

サツキちゃんが、

カンタから借りた傘を返しにいくシーンを観ていて、

ドキリとしてしまいました


(皆さんもよく覚えていますよね



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■カンタの家・雨
 縁側で模型飛行機で遊ぶカンタ。
 傘をさしたサツキとメイがこちらへ向かってくる。
 カンタ、二人に気づくと慌てて部屋に飛び込む。

■玄関・雨
 うす暗い玄関。
 サツキとメイが入ってくる。
 サツキの手にはカンタの傘。
サツキ「あの~、すいません・・・」
 しばらくして、カンタの母、やって来て、
カンタの母「あら、サツキさん。メイちゃんも。ちょっと、ばあちゃん!」

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・・・なんてシーンでしたよね

(記憶を頼りに書いてみました~)

この後、

お礼を言うサツキに、カンタの母は、

「へぇ~、あの子がねぇ~」

なんて言って、

息子の意外な女性への配慮に、

なんとも言えない反応を見せたりします


とても心和むシーンですね。



そして、

私が宮崎さんに驚かされるのは、

冒頭の母のセリフです。

「あら、サツキさん」

という一言です。



これ、結構意外なセリフですよね。

相手は小学生です。

田舎のおばちゃんらしく、

「あらやだ、サツキちゃんじゃないかい。メイちゃんまで。どうしたのさ」

なんてことは言ってもよさそうなもの・・・・・。

ここが、

宮崎監督の繊細なところなんですよね。

都会からやって来たサツキを、

一人前の女性として扱っているのでしょうか


それとも、

しっかり者のサツキを認めての言動でしょうか


もしかしたら、

当時の「都会から来た人」への対応かもしれませんね


兎に角、

こういった脇のキャラクターにまで、

豊かな個性が滲み出ているのが、

宮崎監督のこだわりであり、超一流と言われる所以です


こういったセリフが一つ書かれたあるだけで、

声優、丸山裕子さんは、

どれほど役作りが楽しかったことかと思いますね





宮崎監督のシナリオは、

役者の可能性も随分引き出す作用があに違いないですね。

それだけ繊細に描かれているのです





何度見ても、

学びの発見であふれていますね。

ジブリのアニメは


本当に、

素晴らしいの一言です。




オーディオキネマ(脚本・演出)
山中勇人

1ヶ月間ワークショップ
2016年2月
『シナリオの読み方を知る!』

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