まず目に飛び込んで来るのは、
通りの両側にズラリと並んだ表店です。
この眺めに、
私は強く憧れてしまいます。
今の東京も、
ちょっと時間を遡れば、
そんな小商人が活躍した風景があったんですよね。
現在でも、
歴史のある市場には、
他にはない賑わいがありますよね。
江戸の街を支えたものこそ、
この【小商人の活気】だったんだと思います。
『カラス「カァー」で店開けて、
暮れ六つの鐘で雨戸を閉める』
この規則正しさも、
今にはない情緒ですよね。
人としての気づかいを感じます。
私は、日頃、
新しい物語を考えている時、
当たり前の様に、
エンターテイメント色の強い娯楽作品を意識する反面、
裏店の小さな小商人の物語をやりたくなります。
職人の話なんかもいいですよね。
そこには、
質素で力強い生活があるだけです。
娯楽からは程遠いストーリーですが、
こういった環境を舞台にしてこそ、
本来の江戸に近づける気もするのです。
そんな小さな世界にドラマを宿してこそ、
江戸時代を舞台に選んだ意味があるというものですよね。
誰もゴーサインを出してくれない企画ですが、
いつかは挑戦したいですよね。
私の目的の一つでもある、
江戸のリアリズムに挑んでみたいんですよね。
オーディオキネマ
山中