『研ぎ師伊之助深川噺ができるまで 196』 | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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~ライターのつぶやき~
「江戸っ子の正体が関西人!?」



このところ、

関東は曇り空が続いています。

ならば

ということで、我が家では、

こたつの出番となりました




一年ぶりに、

こたつに足を突っ込む瞬間の幸福感と言ったらないですよね

当然、

そのまま昼寝を決め込むことになりました




今日は休日でしたが、

自宅での作業も残っていたのに、

とてもとても怠惰な1日となってしまいました・・・

(アチャー




でも、

無駄にダラダラしていてはイケないので、

ためになる話の一つでもブログに記して、

今日の締めくくりにしたいと思います

(制作スタッフの皆様、お許し下さい~)





本日のタイトルは、

江戸っ子の子孫を自負する方々から、

怒りを買うような内容になっていますが、

何もデタラメを書いたわけではありません。

これは、

私が読んでいる書籍に書かれていたものなんです




その本とは、

岡本綺堂(おかもときどう)著、

『風俗江戸物語』


というものです。

この本は、

河出文庫から再出版されているものですが、

原本は、

大正11年(1922年)に、

大阪の贅六堂(ぜいろくどう)という本屋から出版されたものになります

古いですねぇ~。




本書は、

「幻の本」と呼ばれていたそうです。

というのも、

当時、贅六堂さんは、

この『風俗江戸物語』を作者に無断で出版したそうで、

すぐに発売中止になったそうです

(岡本さんはめちゃくちゃ怒って中止を命令したんですって

昔は、とんでもないことをしていたんですね




岡本綺堂さんという方は、

徳川家直参の御家人の家に生まれました。

江戸生き残りの古老から、

昔語りを聞き取り、

それをもとに『半七捕物帳』などの名作を、

数多く残された巨匠です。

江戸を身近に感じることができた作家の一人ですね

この方は、

時代考証研究家という肩書ではなく、

小説家として有名なのが、

面白と思います




ここまでの説明を読んでみて、

タイトルの

「江戸っ子の正体は関西人

にも少し箔が付いてきたと思います

何せ、

書かれた方が本物なので、

全くのウソでもないようです。




それでは、

本題に入っていきましょう




皆さんも御存知のように、

江戸の町と言うのは、

徳川家康の入府(天正18年、1590年)と共に、

市街の開拓が着手され、

その原型が形作られました。

それまでのこの土地は、

ろくに人家というものはなく、

僅かに漁家、農家が点在していただけでした。




ですから、

この寒村を、

都市化にするために、

諸国の商人を勧誘して、

江戸に移住させる必要があったのです

つまりは、

江戸の町人、即ち江戸っ子というものは、

諸国の移住者によってその気風が作られ、

それがだんだんと順化されたものということですね。

元を正せば、

現代人がイメージする、

真の江戸っ子なんてものは、

ほとんど一人も居ないということです

(江戸っ子の歴史なんてものは、実は薄い薄いものなんですね。)





そこで、

時代劇テレビなどの、

江戸の商人を思い出してみて下さい。

「伊勢屋」「近江屋」なんて名前を聞いたことがありますよね

当時の商人は、

江戸で店を開くときに、

その屋号に生国の名を使うものが多くいました。

驚く話ですが、

暖簾に「伊勢屋」の三文字を染め出したものが、

ほとんど全市の半分以上もあったそうです

(伊勢屋ばっかし・・・

ちなみに、

「伊勢屋」に次いで多かったのが「三河屋」だったそうです



岡本綺堂さんは書いていますが、

移住者の多かった地方は、

伊勢、三河、近江、京都、堺などであったそうです。

ほとんど関西ですよね。



上方は、商売が盛んでしたから、

江戸開拓の噂を聞いて、

ゾロゾロと北へ向かったのは、

当然のことですよね

きっと、

そんな人々も、

子々孫々までその地に土着するとは、

思ってもみなかったでしょうね




時代劇ドラマで、

江戸の町人が上方者を、

上方贅六などと言って馬鹿にしていますが、

本当のところは、

どうだったのでしょうね

ここまで理解すると、

そんなテレビの常識も疑いたくなりますね




初期の江戸の町では、

移住者の生国が町名になっているところも多くあります。

(同郷の者達で集まって住んでいたんですね

「伊勢町」「堺町」「難波町」「大坂町」「長崎町」「駿河町」などなど・・・。

現代人はいざ知らず、

江戸の町人は、

自分たちが全員他国者であり、

その多くが上方者であったことは、

十分に承知していたはずです




もしかしたら、

あれらのテレビドラマは、

現代の東京人の感覚を、

そのままシナリオに書いただけかもしれませんね

あんなに嘲罵しただろうかと疑問が残りますよねぇ~。




本日も長々と、

皆さんにとっては、

全く興味のないことを綴りましたが、

いかがだったでしょうか

こんな七面倒臭いブログも、

たまには、

いいと思いませんか

ではでは~。




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