ライター・演出の私が行っているワークショップで、
参加者が悩んでいる姿を見ることがあります
そんなトレーニング中の話を、
今日は書いてみようと思います
ちなみに、
参加者の悩みのタネは、皆が気づいていながら、
忘れがちなことですよ
私のワークショップでは、
私の執筆したシナリオ『研ぎ師伊之助深川噺』を使います
トレーニングで使うシーンは、
いつも一週前に渡していますので、
皆さん、しっかり読み込んで来て頂きます
しかし、
いざ、そのシナリオを演じてみると、
どうも上手くいかないことがあります・・・。
「しっくりこない」という表現がピタリと来るでしょうか
そういった場合、
まずはシナリオの読み込みを一緒に行います
(参加者全員で、同じ方向への、正しいシナリオ理解を行います)
執筆者である私への質問なども、
この時に全て解決しておきます。
ここで重要なのは、
シナリオにセリフ(文字)で書かれていない感情を理解することです
キャラクターの大事な心情は、大抵文字にはなっていませんからね。
そこが、ドラマのいいところですからね
キャラクターに言わせずに、観客へ感じさせるんですね。
(クゥ~~)
シーンを十分に成立させるには、
他にいくつも注意することはありますが、
まずは、そこを理解すると、
観客に伝えるべきドラマティックな要素も表現出来てくるものです
演技に十分なエンターテイメントも感じますね。
セリフの掛け合いの「間」なども、自然に熟したものになるもんです。
しかし・・・まだ、しっくりと来ないことがあります
なぜなのか・・・
これは、
私が思うに、
お客さんが納得するキャラクター、
イメージしやすいキャラクターに、
役作り出来ていないのではないでしょうか。
私は、声優さんの仕事において、
役作りの段階でかなり制約があるように思えます。
少し具体的に説明してみましょう
この独特な役作りは、
特に声優という仕事に特化した技術だと思います。
(映画やテレビの俳優ならば、もっと自由にできるものだと思います。)
声優という仕事のジャンルにおいて、
その仕事場は、
アニメ、外画、オーディオドラマといったものがあります
それら仕事への役作りとして、
制作側も観客も、
声優さんには、分かりやすいキャラクター、演技を求めてはいないでしょうか
例えば、
「お調子者でずる賢いヤツは、
声質は細く、ちょっと高音である。
演技は早口で、笑う時は高笑いが似合う」
といったような固定観念です
この先入観は、
声優さんにとっては非常に厄介ですが、
観客としては、
そのキャラクターの、作品での立ち位置が指示されているようで、
分かりやすくていいことかもしれません
とくに、子供が観る作品ならば、ありがたいですね
でも、
声優の自由にキャラクターを作り、演じることが出来ればいいのに、
なぜこんなことになったのか
これは、
今までの大ベテラン声優さんが、
オリジナリティーあるキャラクターを生み出してきた中で、
次第に、観客側に植え付けられた固定観念(イメージ)かも知れません
(ベテランの強烈な個性が、定着してしまったんですね)
しかし、
お客さんは、確かに分かりやすいですね
だから声優さんは、
ここをしっかり押さえて、
リサーチする必要があると思います。
どのキャラクターも、
自分がやりやすい声・演技へ引き込んでは、
観客は魅了できない可能性があるからです
ドラマ(アニメや外画)における、
様々なキャラクターの個性のジャンルを知る必要があると思います。
それら個性に合せて、観客のもつイメージに近いキャラクター(声質・演技)へ、
自分を近づけていく必要も検討しなければならないでしょう
私が思うに、
映像の俳優よりも、余計な制約が多いのが声優の仕事だと思います
ですから、知識や技術が求められて、難しいんですね。
基本的に、
演技トレーニングをしている時も、
プロの声優○○さんなら、このシーンを、どんな声・演技で演じるだろう
このキャラクターにピッタリとくる声優さんは誰だろう
とプロの演技をイメージするのもいい方法だと思います。
これは分かりやすくていいですよね。
一度キャスティングディレクターになって、
イメージキャストを想像してみてください。
シナリオのキャラクターに親しみが湧いてくるかもしれませんね。
(注:これは、シナリオがしっかり理解できていての作業ですよ~)
これは、
逆を言えば、
常に、観客が納得する演技を探っているということです。
100点満点の基準は、絶対にお客さんですからね
この知識は、
皆さん誰の頭にも、
イメージがありますよね。
大好きなアニメ作品や外画作品のイメージですね
そこにスムーズに寄って行くことができればいいですね。
ライターより
★2月開催のキャストオーディション情報はコチラ 。
締め切り近づく!!
★「声優のための短期ワークショップ」を開催します。
2014年4月スタート。
詳しくはコチラ をご覧ください