ドラゴンクエスト日記 -131ページ目

030.リムルダールの町 南部---感傷  on ドラゴンクエスト I

銀の竪琴を探し出す必要があるが、その前にまずはリムルダールの南にあるという聖なるほこらに立ち寄ってみよう。
太陽の石も雨雲の杖も持っていないので何もできないだろうけど、新しい情報を仕入れられるかもしれない。



密度の濃い森を抜け、橋を渡ってさらに南下する。
出現するモンスターのレベルもさらに上がり、リカントマムルやキメラといった強敵がぞくぞくと僕の前に立ちふさがる。



一撃ではとても倒せないので、どうしても敵からの攻撃をもらってしまう。
ホイミの呪文がなければ、とてもじゃないがこんな森の奥深くまで進んでくることはできなかっただろう。



森が少し開けた場所に出たとき、上空からキメラが突進してくるのが見えた。
すばやく空中を飛び回り、鋭いくちばしで攻撃してくる強敵だ。



僕は鉄の盾を上段に構え、鉄の斧をしっかりと握りなおしてキメラが近づいてくるのを待った。

すばやいとはいえ、このキメラは直線的な動きしかできないので、ある程度動きを予測することができる。
加速のついた突撃はすさまじい衝撃だったが、しっかりと盾で受け止めることができた。



その衝撃で動きが止まっているキメラに、鉄の斧を振りかざす。
空中にいるので狙いがつけにくいが、それでもキメラの腹部を切り裂くことができた。
激しい痛みにけたたましく鳴き叫ぶキメラが、再び宙に舞い上がる。



こうなると、また降りてくるまで僕にできることはない。
しっかり着弾地点を予測してかまえておくぐらいだ。
キメラは血を流しながらもぐるぐると上空を旋回し、僕の隙を伺っている。



しかしこのまま飛び続ければ、いずれ出血多量で体力がなくなると思ったのだろう。

鉄の盾の影から出てこようとしない僕の隙をつくことを諦め、無計画にもまた真正面から突っ込んできた。
こんどもちゃんと受け止め、そして鉄の斧で今度は右の羽を切り落とした。



なすすべなくぼとりと地面に落ちたキメラは、それでも僕に威嚇の声を叩きつける。

飛ぶことはできなくても移動することはできるようなので、このまま背を向けたらたぶん後ろから食いつかれることだろう。



なんだかむごい気もするが、地面に落ちてもぞもぞと這い回るキメラに近づき、とどめを刺した。

響き渡っていた威嚇の声がついに途絶え、キメラから流れ出る血が地面に吸い込まれていく。



そのうつろな瞳に映っていたのは、竜王への忠誠だったのか、人間への憎しみだったのか。

モンスターといえども、やはり命を奪っていることには違いがない。
すでに幾百とない命を絶ってきているにもかかわらず、まだ僕は最後の一瞬に慣れることができないでいる。



一瞬の隙も見せてはいけない戦闘中には、最後の瞬間までためらうことはない。
だけど、今回のような明らかに無抵抗のモンスターに対してとどめを差す場合、どうしても腕が鈍ってしまう。
その最後の一瞬に隙をつかれ、路傍の露と消えた冒険者たちの話は腐るほど聞いているというのに。



必要ではない命まで奪いたくないが、自分の実力を高め、竜王を打倒するためには他の命を奪う経験をさらに積まなくてはならない。
勇者ロトはどうだったんだろう。はむかう敵はすべてなぎ倒したんだろうか。
地に伏せたモンスターに、何の躊躇もなくとどめをさせたのだろうか。



とてもそうは思えない気がする。



敵にすら手を差し伸べてこそ、勇者という称号にふさわしいのではないだろうか。
とても今の僕にそんな余裕はないけれども、いつか人々は僕のことを「勇者ロトの子孫」ではなく、「勇者 リューン」として呼んでくれるようになるのだろうか。



あまりの重圧にすべてを放り投げて逃げ出したくなるけれど、それができないことは自分が一番よく知っている。
悩みながらも、僕はまた敵を倒さないといけない。
一刻も早く竜王を倒し、この悩みから開放される日を掴み取るために。



気がつけば、森が開けた先には池があり、その中央にほこらが立っていた。
これが聖なるほこらなのだろう。



考えるのは後回しだ。

今は一歩ずつ先に進むことを考えよう。
まずはあの聖なるほこらに何があるのか確認してみようじゃないか。


===今日のリューン===
レベル  9
HP    21
MP    25
お金   1055
経験地 1731

道具   やくそう×3、かぎ×6、たいまつ、りゅうのうろこ、せんしのゆびわ
武器   てつのおの
鎧    はがねのよろい
盾    てつのたて
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