劣化したゼファーのエンジン塗装を自力で改善したい! | なおなおの模型(とそれ以外の趣味的)ブログ

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所謂「出戻りモデラー」の悪戦苦闘を赤裸々に綴る日記

私のゼファー1100RS、モデルとしては最終型なのですがそれでも21年目に突入し、年式相応

の経年劣化は各所で進んでいます。

 

プラスチック系パーツはまだ良いのですが金属部分の表面劣化が目立ちます。

昨年の車検整備の際にずっと気になっていたエンジン関係のポイントカバーを入手できる範囲

で交換したことは当時書きましたが、ヘッドカバー両端部分のグズグズっぷりはそのままに

なっておりました。

 

当時欠品中(今もかな?)だったことと、交換するにしてもどうせ外すならガスケットも

合わせてとかタペット調整もやりたいとか次から次へとマストな整備が発生することが目に

見えているので我慢我慢です。まあちょっとしたオイルの滲みはカワサキ空冷エンジンに

つきもの(?)らしいのと、明らかな打刻音も聞こえてきませんのでまだ大丈夫ではないかなと

勝手に思い込んでいたりしています。

 

そんな中、ポイントカバーを交換したが故にかえって目立ってしまっているヘッドカバーの

メッキ部分の状況だけは何とか改善したいと思っておりまして、実はこの一か月ほど地道に

DIYに取り組んでいたのでした。

 

もちろん技術のあるショップに依頼しエンジンは下ろした上でコストと時間をかけて実施する

のが最善であろうことは承知しています。仕上がりもダンチでしょう。

ですが今の私の環境ですとオートバイのエンジンの再塗装などを引き受けてくれそうな

ショップは身近に無く、かと言ってそのために遠征するのもなかなかに・・・

 

なので聞きかじった知識と持てる「プラモデル作成技術」の全てを注ぎ込んで、素人が

どこまでやれるかにチャレンジしてみたのでした(何と大げさな!)。

因みに使用した部材は一般に入手可能なケミカルとプラモ用のマテリアル類のみです。

さてその結果は・・・?

 

まずは作業前のヘッドの状態。

 

 

もうね、グズグズです。表面のクリアー塗装が経年と恐らく熱により劣化したものと推察。

ちょっと古めのオートバイのエンジンでこうなっている個体、それなりにありますね。

今回作業して知ったのですが、金属地に塗装だけではなく一旦メッキしてあるようです。

で、クリアだけでなくその下のメッキも劣化していましたのでこれらは全て剥がす必要が

ありました。

 

作業の都合で右側だけの写真ですが左も同様です。ただ右側の劣化のほうが著しいです。

普段はサイドスタンドで駐車していますので左側は日陰になるからかな?

また、右前のカバーが最も劣化していてカムシャフトのカバーまでグズっています。

もしかするとここがこのエンジンで最も熱害を受けやすい部分なのかもですね。

 

まずはこの劣化したクリアー&メッキをひたすら剥がす作業から始めました。

 

 

研磨作業完了後の様子です。いやぁこの塗膜、結構硬いです。あっという間に指先が傷んで

何日かに分けて作業しました。

作業としてはひたすらヤスっただけです。もうホントにひたすら。

#400からスタートして#600、#1000、#1500、#2000と上げていったところでイヤに

なってしまいヤメにしました。根性無しでスミマセン・・・

最後にピカールでまたもやひたすらに磨いて磨いて磨いてw

 

本当はこの作業、バフマシーンを使ってもっと細かいステップで研磨してあげればもっと

ピカピカにできるんだと思います。

ただメッキまで落としたところもともとの金属地が滑らかではなく結構・・・何と言いますか

荒れていたりキズがついていたりして、平滑にしようと思ったらこれはバフでなくグラインダ

じゃね?というくらいの状況だったのです。

この荒れをメッキ+クリア塗装で滑らかにしているのか、もしく表面が劣化した影響で金属も

サビではありませんが荒れてしまったのか、といった様子に見て取れたのですが真実は?

 

お分かりのようにまだまだ細かい磨きキズは残っていますが、自己満足の世界ですのでこれで

妥協することに致しました。「前の状態よりは余程いいじゃんw」です。

 

 

そして次に表面に耐熱クリアを吹きます。

他に掛からないように徹底的にマスキングしました。普段の模型製作で良くマスクしますが

実は結構ミスって余計な部分に色を付けてしまったりしていますのでそれを教訓にw

使用した新聞(北海道新聞です)、怪しげな広告ページを使っていますがたまたまです!

耐熱クリアはヤマハの缶スプレーを採用しました。

 

 

塗装終了です。

やはりどうしても輝きがまさに「一枚膜を掛けたように」鈍ってしまいますがやむなしです。

一旦金属むき出しにしてしまうとその後はマメに磨いてあげないと曇ったり最悪サビが出て

かえって目も当てられない状態になってしまうと聞きましたので最初から塗る予定でした。

 

「素人仕事にしては上出来だな」と悦に入っていたのですが・・・「何じゃこりゃ!」

 

 

周囲の塗装がベロリと剥がれています!

何とたかがマスキングテープの粘着力にカワサキ純正塗装の定着力が負けたのでした・・・

と言ってもこれは経年の高熱による劣化が原因でしょうね。

カワサキのエンジン塗装はもともと質が良くないらしいですし。

それよりアップで見て初めて気づいたのですが、ガソリンタンクの塗装にも劣化が見えます。

ここは機会を見てあらためて塗りましょう。純正色は用意してありますのでそのうちに。

 

さてエンジン本体ですが、

 

 

空冷フィンの塗装もしばらく前からボロボロと剥がれ始めていましたので、どうせならここも

合わせて塗ってしまうことにしたのでした。

 

ここで新たな問題が発生。

一般に販売されている耐熱塗料ですが、シルバーとブラックしか見当たりません。

ゼファーのエンジンは一見シルバーに見えますが実際はメタリックグレーというか、シルバー

の強いガンメタル近似色なのでした。ヒャ~~~どうしよう・・・

 

色々と調べてみたのですが調色用にビン入りの耐熱塗料を販売しているメーカーが存在して

いました。そこから数色取り寄せて自作しようかとも考えたのですがいかんせん費用が。

最低限の色数をそろえるだけでもイチマンエンは軽く超えそうでした。

幸いなことに同一メーカーの耐熱シルバー&ブラックが手元にありましたのでここはあっさり

切り替えることにしました。

 

「この2色混ぜたらガンメタになるんでね?」

 

早速チャレンジ。その結果がコレ。

 

 

それなりの色にはなりました!ブラックとシルバー概ね3:1くらいの割合です。

ただ微妙にブルーグレーっぽい色を入れたほうがより近くなりそうです。

2色では残念ながらどうやってもドンピシャの色合いにはできませんでしたので妥協です。

右カムシャフトの下部分にタッチアップの痕跡があると思いますがこの通りです。

フィンのように光の加減によってはほぼ判りませんので良しとしました。

また本当はフィンの残っている塗料部分もきちんと剥離してから塗るべきなのでしょうが

今回は「ええいままよ」と上から被せてしまっています。

いずれ剥がれてくるでしょうからその時はマジメに作業したいと思います(タノムモッテクレ)

 

耐熱塗装時のお約束として「焼き入れ」作業が残っていますね。

塗料の説明書きには200℃で15分、低温の場合は時間を長くとありました。

アイドリングのみで200℃を維持できるのか判りませんでしたので、ならばと焼き入れ走行に

本日出かけてきました。

最高気温は14℃でしたが、向かった先は標高約850mの北見峠一般道山頂でしたので

絶対に寒いと予測し完全な「冬装備」で走ってきたのですが大正解。メッチャ寒かった。

「エンジン焼くのにそんな気温の低いトコロ行ってどうなのよ」というツッコミは無しでw

 

 

そして到着。広い駐車場にゼファーがポツリ・・・さ、寂しい涙

この峠、以前はオホーツク圏と道央方面を結ぶ要所でしてそれなりに交通量も多くある意味

賑わっていたルートです。少なくとも私が住んでいた約40年前はそうでした。

後ろに見える閉鎖された建物はいわゆる峠の茶屋、お土産屋、公衆トイレ。

この峠はまた難所でもありまして上りも下りも急カーブが連続しています。

30Rとか40Rが連なっていたり、大きくても90Rや100Rとか。

私のような人種には大好物のルートなのですが、一般のドライバーやライダーは敬遠したい

ですよね。実際峠をトンネルでぶち抜く自動車専用道路ができてから交通はほぼ100%

そちらに流れていますし私も普段はそちらを使いますから。

実際道中すれ違ったのは路面整備中の北海道開発局の作業車1台だけでした。

 

自販機すらありませんので利用者が殆どいないからでしょう。舗装面をみて分かる通り、

すっかり地元のヤンチャなヒトたちの練習場になってしまっているようです。

まあ昔から一定数のドリ車は存在してましたが・・・

 

 

丁度雲が切れて明るくなったのでゼファーを一枚。

こうしてみた感じ、出来上がりは悪くないかなと自分では思います。

この時点でスタート後約一時間。まだ微妙に独特な焼けた塗料のニオイはしています。

 

 

駐車場の外れから見た風景はこんなです。

ルートそのものは確かに難所と言われるだけありますが、北海道の原生林の中を縫って走る

道でもありますので、その点ではここも北海道を感じられるポイントなんですよ。

 

峠を下りきったあたりで道端に一頭のキタキツネを発見。

手を伸ばして「ヤエー」を送ったら気に入られたのか急に車道に進み出てきて危うく!

いやいやびっくりしたなもう。焦ったぜ(汗)

 

 

帰りがけに町内丸瀬布地区にあります「まるせっぷ藤園」の開花状況を偵察に。

タイミング悪く日が陰ってしまい暗めの絵面ですが、天気が良いとそれはもう「映え」マス。

先週2日には藤まつりがあったそうです。徳永ゆうきの歌謡ショーは興味があったなぁ。

でもメチャ混んだだろうなとも思います。

今月中旬くらいまでは楽しめるようなので近くを通り掛かられた方はお立ち寄り下さい。

 

そして無事に帰宅。エンジン塗装DIYはとりあえず完了です。

塗料焼け臭はほんのりと残っていますがまあ大丈夫でしょう。気長に仕上げます。

 

それではまた!