『龍 塾 -Dragonism-』28
『車の中から』
以前私は、
自殺
を考えた事がある。
最初は、
涙を流しながら
書いていた。
何を考えているのか
解らない奴だ
と、言われる事が
多かった私の
「こんな事を思っていた」
を書き残したかったのです。

元々は、
決して
人前に出すはずの
ない物だった。
携帯電話の普及が
始まり出した当時、
私の寝る場所は
車の中
でした。
“不審者”として
通報されない様に、
毎日、
場所を替えるのも
億劫でした。
お金が無い私の
一日の食事は、
大衆食堂の
二百円のラーメン一杯
が食べれるかどうか
でした。
寒さは
寂しさを生みました。
空腹は
正常さを失いました。
孤独は
人を壊します。
世界中の人達に
聞こえてしまう
と思う程の
声を出して
泣いた事も
ありました。
自分が
どんな状況にあっても
必ずやってくる
朝が
嫌いでした。
そんな状況の
自分に対し
手を差し伸べてくれた
方々の恩が
胸に沁みました。
初めは、
「またこうやって
皆に迷惑を掛けているんだ。」
と、優しさにも
否定的でした。
それでも
後になってから
この恥ずかしい自分を
認め、
受け入れる事が出来た時、
こんな自分でも
ひとりではなかったんだ
と、教えてくれていた事に
気付きました。
今の境遇に
逃げていた自分に
気付かせてもらっていたのです。
嫌いだった
朝の陽は
総ての生命に
必要であり、
美しく
感謝すべきもの
だと感じる様に
なりました。
気付いた時が
自分にとっての
本当の“朝”でした。
こうして
始まったのです。
社会に復帰してからも、
私の
「思った事を書く」
は続きました。
書道家ではない私は、
差し詰め
『思書家』だったのです。
私も
弱い人間
なのです。
弱さを
知ってる人間は
痛みを
知ってる人間
であって欲しい。

龍之介



