冬の楽しみは日向で読書だ。
気がつけば、いつの間にかうとうと寝ているのだが、今週、
『ソーンダーズ先生の小説教室』の中にゴーゴリの短編「鼻」があり、
床屋のシーンに「瀉血できます」という言葉が書かれていた。
ん? 床屋で瀉血?
何だ、それは?
調べてみると (以下、wiki解説から)、
古典的な意味での瀉血は、体内に溜まった有害物を血液と共に外部に排出させることで健康を回復できるという考えによるもので、中世以降、西洋医学でさかんに行われた療法であり、
欧米では、多くの医者が患者のどんな症状に対してもしばしば「瀉血が効く」としてそれを実行した、
のだそうだ。へえ〜、、
「熱が出れば瀉血」
「下痢をしても瀉血」
「せきが出ても瀉血」
あはは、、
しかし、笑い事ではない。
衛生の管理が十分でなかった時代であるから、切開部が感染症を引き起こしたり、体力の弱った患者に瀉血療法を行った結果、いたずらに体力を消耗させ、死に至るケースも珍しくなかった。これが原因で亡くなった有名人には、モーツァルト、ジョージ・ワシントンなどがいる、という。
ゴーゴリの小説、19世紀前半のロシアでは、床屋が瀉血を行ったのかしら? カミソリがあるから?
ぞぞぞ、怖い、こわい、、
さらにサイトを探ってみると、
モーツァルトは18世紀末に35歳で(映画『アマデウス』のサリエリによる毒殺説?ではなく)、
ジョージ・ワシントンは19世紀末に67歳で、
それぞれ瀉血が病気を著しく悪化させたことにより亡くなった、と説明されていた。
何ともおどろおどろしい瀉血の歴史、ですよね。
そう言えば、
アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンの屋敷、ヴァージニア州にあるマウント・ヴァーノンに行ったことがある。旅記録を探したら、2007年の秋だった。
白い邸宅の周りに、使用人たちの家、馬小屋などが点在し、丘を下ったポトマック川沿いに、ワシントンが眠る石造りのお墓/霊廟があったことを思い出した。
ひゃー、かの偉人が瀉血による出血多量で亡くなっていたなんて。とてもお気の毒。
もちろん、現代の瀉血療法は医学的に根拠のある治療手段であり、
真性多血症では基本的な治療法となっているわけです。
にしても、4年前から受けている治療にそんな長い歴史があったとは。