退化したとしか言い様のないExcel2007
最近、Excel2007で過去に作成したマクロの動作チェックをする必要性に迫られて(迫ってくるのは仕事ばかり。たまには女性に迫られてみたいものだ)、Excel2007を手に入れた。
以前に触る機会があって、使い難いのは承知していたので、興味があったミニノートを買い、それにインストールしてみた。
いやはや、その使い難さは想像以上
先ずは、ツールバーで「なんじゃこりゃ?」
使い易さの基準のひとつに慣れ がある。
Excel2002やExcel2003は、Excel97からのUI(ユーザーインターフェイス)を受け継いでいるから、何の違和感もない。が、Excel2007では、それがガラリと変化してしまった。
慣れていないが故に使い難いのは確かだが、それを差っ引いても。Excel2007のUIは酷い!
例えば、シートに[フォーム]の[ボタン]を張り付けるとしよう。
Excel2002の場合
1. ツールバーを右クリック
2. 表示されるメニューの[フォーム]をクリック
3. [フォーム]コマンドバーをドラッグしてツールバーにドッキング
4. ツールバーの[ボタン]ボタンをクリック
5. シート上で希望の大きさにドラッグ
※ 2回目以降は4~5を繰り返す
Excel2007の場合
1. [Office]ボタンをクリック
2. [Excelのオプション]ボタンをクリック
3. [基本設定]の[[開発]タブをリボンに表示する]チェックボックスをチェック
4. [OK]ボタンをクリック
5. リボンに表示された[開発]タブをクリック
6. [コントロール]の[挿入]ボタンをクリック
7. [フォーム コントロール]の[ボタン]ボタンをクリック
8. シート上で希望の大きさにドラッグ
※ 2回目以降は5~8を繰り返す
[ボタン]ボタンに辿り着くまでの遠い道程と、2回目以降の煩雑な操作。考えただけでもうんざりする。
唯一の解決策は、クイックアクセスツールバーに、フォームの[ボタン]ボタンを登録することだが、登録できるボタンの数に限りがあることは記憶しておかなければならない。
そして、もうひとつマクロのセキュリティの問題
Excel2003まで、マクロの実行に対しては、一元的管理だった。
どのフォルダーに保管してあろうが対処法は同じで、最も使われていたのは”中”ではなかろうか?
そう、ファイルを開く時に「このファイルにはマクロがありますよ~。実行可能にしますか?それとも実行できないようにしますか?」的なメッセージボックスが表示される設定だ。
Excel2007では、ファイルの保管場所によってExcelの反応はふたつに分かれる
1. 信頼できる場所に保管されている場合
マクロは無条件に実行可能
2. 信頼できる場所以外に保管されている場合
ユーザーがリアクションを選択できるが、実質、実行不可能にするか、無条件に実行可能にするかの二つの選択肢しかない
※ 信頼できる発行元のデジタル署名がされているファイルについては、どちらのバージョンも無条件で実行可能であるが、Microsoftは、デジタル署名を放棄(最近のOfficeにそのデジタル署名の機能はない)している
さて、ユーザーはどう反応するだろうか?
もちろん、マクロを含むファイルを作成する度に、せっせと信頼できる場所に追加するまめなユーザーもいるだろう。しかし、大半は、その煩雑な作業に辟易し、信頼できない場所にあるファイルに対しても[すべてのマクロを有効にする]を選ぶであろう。
さて、これが何を意味するかおわかりだろうか?
そう、ウィルスの蔓延である。セキュリティが開放されたExcelhaウィルスにとって絶好のプラットフォームである
メーカーは、セキュリティを強化したつもりなのだろうが、煩雑な操作に対するユーザーの反応に考えが至っていない。
Excel2007では、マクロに対するアプローチが間違っているように見受けられる。私がExcelを使い続けてきたのは、このVBAのマクロ故である。でなければ、とっくにフリーOfficeに乗り換えている。Excel97が爆発的に普及したのも、このマクロが装備されたからであることを忘れてしまったのだろうか?
しかも、信頼できる場所以外のファイルのマクロを無効しした時のエラーメッセージがいかしてる。
「マクロ'xxxx'を実行できません。このブックでマクロが使用できないか、またはすべてのマクロが無効になっている可能性があります」
笑わせるじゃないか。 どれひとつとして的を得ていない。だいたい「このブックでマクロが使用できない」とはどう言うシチュエーションなんだろうか?もしかして、ブックに「マクロ有効/無効」のプロパティを追加したのだろうか?
それから[リボン]こいつは、画面の多くを占領する。解像度が低く、ワイド画面のミニノートPCには致命傷だ。
私のPC(HP Mini 1000)では、表示できるスプレッドシートは19行。Windowsのタスクバーを自動で隠す設定にしていなければ18行しか表示できない。[リボンの最小化]と言う選択をすれば24行まで表示できるが、消えてしまったリボンを表示するためのワンクリック、これを負担に感じるのは私だけであろうか?
ワイド画面のPCの場合、Excel2003まではツールバー、及びメニューバーを画面の左、もしくは右に配置する離れ業があったのだが、Excel2007のリボンは移動できない。
しかも、シートを挿入するボタンが、[セルの挿入]の下にぶら下がっていたりする。ど素人でも、もう少しましなリボンが作れそうだ。
もし、どうしてもExcel2007を使わなければならない状況に追い込まれたら、このリボンをカスタマイズ(VBAでは操作できない)するしかない。
もちろん、不測の事態に備えて、全てプログラムで!イニシャライズされても、プログラムにしておけば、一発で元の状態に戻せる。んが、XML と.NET を駆使しなければならないようで、ちと頭が痛い。
しかし、世の中には奇特な人がいるもので、Excel2003風のコマンドバーにカスタマイズするアドインを公開してらっしゃる。
http://takami.coresv.net/office2007/
私の場合、執筆に使用し、画面のキャプチャーも必要なので、使うわけにはいかないが、お困りの方は使ってみては如何だろうか?
●強化されたユーザー インターフェイス
●ユーザー エクスペリエンスを高める新しい手段
と、自画自賛 のマイクロソフトであるが、これが独り言であることは、春の後には夏が来るくらい明らかなのである。
では、この仕様の変更が何をもたらすか?
私も、マクロの内容によっては、独自のコマンドバーを表示したりしていた。もちろんマクロでである。
しかし、このコマンドバーのカスタマイズを最も利用していたのは、Excelをプラットホームとして、業務用のアプリケーションを開発しているメーカーである。
製品として販売している以上、Excel2007に対応しない訳にはいかない。しかし、従来のVBAで作成したマクロでは、操作できない。
マイクロソフトに問い合わせれば、待ってましたとセミナーの案内。そしてMSDNへの勧誘。こりゃあ、儲かりますわなぁ。
しかし、Windowsにとって聖域であったはずのタイトルバーを自ら改造したマイクロソフト帝国。過去に叱責した相手から訴訟を起こされても知りませんぞ。
それにしても、できの悪いソフトは、私の神経を逆撫でする。