少年ナイフ | 士は己を知る者の為に死す

士は己を知る者の為に死す

男は自分を理解してくれる人の為なら命を懸けて尽くす

主従関係は、征服支配よりも理解

浮木トップの発砲スチロールをカッターナイフで削っていて思い出した。少年ナイフ


おいらが子供の頃は、おもちゃなんて買ってもらえなかった。一日の小遣いが10円、ビン入りのコカコーラが30円の時代。駄菓子屋で、くじを1本引くと小遣いは消えてなくなる。


おもちゃは自分で作るものだった。ナイフ1本で、杉球鉄砲から秘密基地まで。全てが手作りだった。親父は切れ味のいい切り出し刀を持っていたが、絶対に貸してくれなかった。だから、十日間駄菓子を我慢して、ナイフを買った。その名も少年ナイフ


今にして思えば、ちゃちなナイフだった。折り畳み式で、金属の鞘に刃の部分がすっぽりと入る。鞘に刻印、少年ナイフ


喧嘩の道具なんかじゃない。何か物を作り出すためのナイフ。切れ味は、あまり良くなかった。ある日親父が「これで研いでみろ」と砥石を貸してくれた。


シュ!シュ!シュ!シュ!


一生懸命研いだ。


「切れ味の悪い刃物を使うと怪我をするからな」そう言って親父は笑った。


シュ!シュ!シュ!シュ!


「どれどれ?ん~まぁ、いいだろう」


所詮は駄菓子屋で売っているナイフだ。いくら研いだところで、日本刀になるわけではない。でも、ちょっぴり嬉しかった。自分で研いだナイフ。少年ナイフ


学校から帰ると、そのナイフを持って表に飛び出す。


「今日は、何をつくろうかなぁ?」