下まぶたのたるみ、クマの治療の症例解説です。

当院では、切る手術から、皮膚は切らず脂肪のみ除去する方法、また脂肪注入や、ヒアルロン酸、コラーゲンなどの注入、美容皮膚科的な治療など様々な方法で行なっております。

症例について

 30代女性。目の下の脂肪の膨らみと青クマを気にされていました。

(症例写真へのご協力誠にありがとうございます。)

 

症例写真

 

治療前の状態
 
正面からです。右はしっかりと、左にはうっすら脂肪の膨らみがあります。
また、やや青みがかった状態です。
 
右斜めからです。脂肪の膨らみとその膨らみの下の影が目立ちます。
 
 
右横からです。
 
 
赤線のように脂肪の突出があるため、理想的なカーブを描いていません。
 
 
左側は右側と比べると軽いです。
 
横から見ると、脂肪が飛び出ているのが分かります。
 
脂肪の突出とその下の溝の窪みによる「黒クマ」と軽度の「青クマ」の状態です。
 
この場合、
・下眼瞼の脂肪除去
治療と
・脂肪注入
・ヒアルロン酸注入
・コラーゲン注入
などを組み合わせて行う必要があります。
 
患者様と話し合い、下眼瞼の脂肪除去、脂肪注入の治療と皮膚を切らずに行い、なおかつ効果が持続する方法を行なっています。
 
 
治療について
 
 下眼瞼の脂肪は、やはり右側に多くあり、右側を多め、左側は適量を慎重に摘出しています。
 
注入用の脂肪はお腹周りから少量吸引します。
注入に使う脂肪は少量のため、こちらは短時間で終わります。
 
こちらが採取した脂肪です。まだ、麻酔液や血液と混じっている状態です。
 
続いて、遠心分離器を使い脂肪と血液や麻酔液を分離します。
 
 
こちらが脂肪が血液成分と分離された状態です。
 
次に特殊なサイズの違うフィルターを使い、大きさの違うマイクロファットとナノファットの作成を行なっています。
 
 
 
 
 
出来上がったマイクロファットです。
ナノファットは、さらに特殊なフィルターを通して脂肪を細かくします。
 
目の下の、窪みを埋めるよう、また青クマの改善のため皮膚の浅い層にマイクロファット、ナノファットを注入しています。
 
治療後の状態と比較画像
 
目の下の脂肪による膨らみは無くなり、凹みと青クマが改善しています。
 
 
また、横顔も理想のカーブになっています。
 
 
治療のポイント
 脂肪の突出や、窪み、青クマの程度が組み合わさっており、それぞれの状態は軽症でしたが、しっかりと長期間効果のでる治療を行なっています。マイクロファットによって窪みを埋め、ナノファットによって皮膚の小じわや青クマの改善を行いました。

下眼瞼の脂肪除去と注入について

・下眼瞼の脂肪除去はたるみが軽度でtear trough(下眼瞼の内側から真ん中まで伸びる溝)が深くなく、脂肪が突出していることでいわゆる目の「影クマ」、「黒クマ」に悩んでいる方に適した治療方法です。私の治療方針は、しっかりと脂肪を摘出することです。

・皮膚のたるみが強い場合は、皮膚を切る治療(ハムラ法)を行いますが、できるだけ脂肪除去と注入で行えるよう努力しています。

・下の写真ような方の場合でも、脂肪除去でここまで改善できますので、無理に皮膚を切る治療は勧めていません。(この方は注入は行なっていないので、凹みは残ったままです)

・脂肪の除去は丁寧にかなり時間をかけて行います。何度か治療中に座っていただき、過不足なく脂肪が除去されているのを確認します。

 

・注入に使用するヒアルロン酸は入れ過ぎると、いわゆる「ヒアル顔」になりますので、慎重に注入します。

 

・ご自身の脂肪を使って行うのマイクロファット ・ナノファット注入を行なっています。特に目の下のクマや目の上の窪み、おでこにはおすすめです。
以前はピュアグラフトによる脂肪注入を行なっていましたが、この方法に変え、より簡便になおかつ、細かい部位の治療が可能になりました。治療費用も下がりました。
 
・目の下の「青クマ」が強い方の場合、ナノファットかコラーゲン注入を行なっています。
 
・当院院長が、今年発行された美容皮膚科雑誌の「BEAUTY」でクマ治療について執筆しています。当院では、美容外科治療と美容皮膚科治療の両面でクマ治療を行なっています。

 

 

治療概要、合併症について

 

治療概要
 下眼瞼の脂肪除去と脂肪(マイクロファット、ナノファット)注入。 
 
合併症、副作用、リスク(カッコ内は私の経験)
 ・皮下出血(時々出現します)
 ・むくみ(翌日にかけ、やや目元が浮腫みます。)
 ・腫脹(必ず出現します。飲酒や激しい運動はしばらく控えてください。抑えるために可能であればテープを貼ります。)
 ・感染(ありません)
 ・塞栓症(ありません)
 ・左右差(できるだけ起こらない様に慎重に行います。)
 ・注入剤の入れすぎ、足りない(治療後に鏡をご覧になっていただき確認しています)
 ・傷あと(針穴だけです)
 ・凹み(ほぼありません)
 脂肪吸引部
 ・腫れ、内出血は必ず数日起こります。お腹であればウエストニッパーを1週間ほど装着いただきます。
 
 
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