🟥 中国人が食べない野菜を、わたしたちは口にしているのかも!? —— ある上海駐在員の証言とデータで検証する「中国産青果」のいま
1|2009年の上海で聞いた衝撃のひと言
2009年から2011年、私の知人が中国・上海に駐在していたときの話である。
「中国の富裕層は、自国産の野菜も果物も一切口にしない。あれは“食べ物ではない”とまで言う」
当時、あの有名な“スイカ爆発事件”(成長促進剤の過剰使用による事故)が報道されたのもこの頃だった。経済成長の裏で、食品の安全に対する不信は根深く、闇もまた濃かった。
2|視察者たちが語る“農場の実態”──複数の現場証言から
2009年から2011年にかけて、日系企業のCSR活動や現地調査に関わった複数の関係者が、中国の農場を視察した際に見たものは、少なからず衝撃的なものだったという。
🔹ある人物は、畑の一角に中身の不明なドラム缶が複数放置されていたのを目にした。ラベルもなく、作物との距離も近かったという。現地スタッフからは「農薬や廃液かもしれない」との曖昧な説明があったそうだ。実際、中国政府の2014年の調査でも、農地の10〜20%が重金属で汚染されていると報告されている。
🔹別の視察者は、農薬を散布する現地農民が素手かつマスクなしで作業している場面に遭遇したという。日差しの強い日にもかかわらず防護装備はなく、その姿に安全管理への不安を覚えたという。同様の状況は統計にも表れており、中国農村部では6割以上の小規模農家が無防備なまま農薬を取り扱っているとの調査報告もある。また、農薬による中毒症例は年間4万人超とされている。
🔹さらに数人が共通して挙げたのが、収穫後の野菜がビニールハウス内で煙のようなものに晒されていたという光景だった。何らかのガス燻蒸、あるいは薬品による鮮度保持処理と見られるが、詳細な説明は得られなかったという。実際、2012年には山東省で白菜にホルムアルデヒド溶液を散布していた業者が摘発された事件があり、こうした事例が一部の業者で行われていたことは事実である。
また、これらの農場で出荷を待つ野菜には、「QC検査済み」のステッカーが既に貼付されていたと証言する人もいた。もちろん、そのすべてが日本向けだったという証拠はない。しかし、現地関係者の間では「業務用冷凍野菜として輸出される」との声もあったという。
ある関係者はこう語る。
「検査や管理があっても、それがどこまで実効性を持っているのかは不透明だった。現場では“安さ”と“出荷の早さ”が優先されていた印象だった」
別の視察者も言う。
「目の前の野菜が、もしかしたら自分の国の学校や病院に届いているかもしれないと考えると、胸の中に奇妙な違和感が残った」
3|日本での中国産野菜の使われ方
農林水産省の統計によれば、2000年代から2010年代初頭にかけて、中国からの冷凍野菜の輸入は年々増加していた。
とくに以下のような場所で、多く使用されている。
• 学校給食(ほうれん草・カット人参など)
• 外食チェーン(牛丼・ファミレス・居酒屋)
• スーパー・コンビニの弁当や惣菜
加工後は原産地の表記義務が緩くなり、消費者には“どこ産の野菜か”がわかりにくくなっている。
「中国では誰も食べない野菜を、日本人が“知らずに”食べている」
駐在員はそう苦笑していたという。
4|食品スキャンダルと日本の検査体制
中国における食品の安全問題は、過去の話ではない。2008年のメラミン混入事件以降、断続的に深刻なスキャンダルが報道され続けている。以下に代表的な例をいくつか挙げる。
これらの事例は氷山の一角であり、実際には報道されずに市場に流通しているケースもあると考えられる。加えて、オンライン通販や業務用ルートを通じて、検査の網をかいくぐっている製品も存在する。
👉 そして2025年、あらたな国内事例も発生した。
業務スーパーで知られる神戸物産が、中国から輸入・販売していた冷凍野菜「千切りピーマン」から、基準値を超える残留農薬(エトキサゾール)が検出され、4万5千袋が自主回収される事態となった。
企業側は「健康被害の可能性は極めて低い」としているが、“検査をすり抜けて市場に出回る”可能性が現実に起こり得る ことを示した象徴的な事件である。
▷ 日本の検査体制の課題
日本における輸入食品の検査率は、決して高くない。
特に冷凍野菜やカット済み加工野菜は、業務用・外食産業に多く流れ、消費者の目に触れないまま「見えないリスク」となっている。
🔍 なぜ“外国では口にしない”野菜が日本で使われてしまうのか?
• 価格の安さ:コスト重視の業者にとっては中国産が魅力的。
• 原産地表示の不明瞭さ:加工・冷凍されると消費者にはわからない。
• 監視体制の限界:人的・予算的制約が大きく、“見逃し”の温床に。
5|医療者の視点から考える
中国産野菜をめぐるリスクは、単なる“味”や“安全性”の問題ではなく、
• 子どもや高齢者に与える慢性的な健康影響(内分泌かく乱・肝腎障害)
• 食を通じた健康格差(安全な食材は高価格帯でしか入手できない)
• 自国民が食べないものを輸入しているという倫理性の問題
これらは、医療と密接に関わる“未病”の領域でもある。
6|私たちにできることは?
7|結び
食べものは、身体に取り込まれ、血となり、細胞になり、そして未来になる。
たとえ加工されても、その“ルーツ”を意識することは健康への一丁目一番地である。
”畑のスイカ爆発”は、けっして過去の笑い話ではない。
いま、この国の“食の選択肢”を見直すときかもしれない。