🐳 動かない日本──第2章 震災を“永遠化”した国のしくみ

 

🏚️「復興」という言葉の魔法

 

東日本大震災から14年。

津波の傷跡は癒え、瓦礫も消えました。

けれど、「復興予算」だけは生き続けている──。

 

たとえば令和8年度の概算要求では、「東日本大震災復興特別会計」関連で約60億円/年が計上されています。

 

もちろん、まだ現地に課題があるのは事実です。インフラ維持、被災者支援、心のケア…。でも、人口が減り、被災者の多くがすでに転出している地域に、毎年ほぼ同額の予算がつき続ける──

それは「必要だから」ではなく、“減らせない構造”だからなのです。

 

⚙️ 予算が独り歩きする構図

 

復興予算の流れを見てみると、驚くほど複雑です。

 

国(復興庁) → 県・市町村 → 外郭団体・NPO → 受託企業 → 実施事業 → 現場

 

途中の“層”が多すぎて、

現場に届くころには金額もスピードもすっかり痩せ細っています。

 

さらに、事業を担う団体が「次年度も予算を確保するため」に、

“続ける理由”を探す構造になってしまう。つまり、復興の完了は誰の利益にもならない

 

この「止められない予算」は、すでに目的を見失い、

“予算を執行するための予算”になっているのです。

 

📉「終わらない」理由は、制度設計の欠陥

 

実は、復興予算が縮小しないのは政治的リスク回避の結果でもあります。誰も「削減」と言えない。

「まだ苦しむ人がいるのに…」と批判されるのが怖いからです。

 

だからこそ、制度上も予算が自動延命されるように作られている。事業の成果やKPIを問う仕組みがないため、“年度ごとの儀式”として続いてしまう。

 

いわば、「終わらせる勇気」が制度から欠落しているのです。

 

🏗️ 現地に残る「象徴的な箱」

 

被災地を訪れると、立派な建物が並んでいます。

防災交流センター、復興記念館、地域産業創生プラザ…。

しかし実際は、利用者ゼロに近い施設も少なくありません。

地元の人たちは口を揃えます。

 

「あの建物、誰も使ってないんだよ」

「お金をかけたのに、人がいない」

 

それでも、管理維持費だけは毎年計上され続ける。

“モニュメント化した予算”がそこにあるのです。

 

🌍 世界では“終わり方”を設計する

 

海外では、災害復興に「期限」と「出口戦略」があります。

期間

特徴

🇺🇸 アメリカ(FEMA)

原則5年以内に通常予算へ移行

成果報告書を議会が審査

🇫🇷 フランス

被災地域に「時限税控除」制度

経済が回復したら自動終了

🇳🇿 ニュージーランド

クライストチャーチ地震復興庁:7年で解散

民間主導に切替後、閉庁

 

対して日本は──14年存続!?

 

「復興庁」:設立2012年 → 延長 → さらに延長 → 現在2031年まで延長中

 

つまり、“終わらせることを想定していない”復興庁。復興が目的でなく、ただその存在が目的になっているのです。

 

💡 提案:「Exit Plan(出口計画)を義務化せよ」

 

私は、これを制度的に変えるべきだと考えます。

🧩 提案骨子

1️⃣ 予算ごとに「終了条件」を設定

 事業開始時に「成果KPI」と「終了基準」を明示。

 到達した時点で自動的に予算停止。

 

2️⃣ 「延長理由書」の公開を義務化

 延長時には、定量的な根拠と評価報告を公開。

 “情緒”ではなく“データ”で説明する文化へ。

 

3️⃣ 独立監査機関によるクロスチェック

 復興庁とは別の第三者が事業の有効性を審査。

 行政の“自己評価ループ”を断つ。

 

4️⃣ “使い切る文化”から“残す文化”へ

 余剰予算を翌年度に繰り越せる制度に変更し、

 「無理に使い切る」インセンティブを廃止。

 

🕊️ 結びに──「終わらせること」は、冷たさではない

 

「まだ苦しむ人がいるのに…」

この言葉を盾に、延命されてきた事業は少なくありません。

 

でも、終わらせることは、見捨てることではない。

むしろ、次の課題へリソースを回すための“愛ある整理”です。

 

復興の名のもとに、

“生きる人たちの未来”を止めてはいけない。

 

🐤 今日のひとこと

 

「復興を終える勇気は、国を再生させる勇気。

 

※本稿の数値は各省庁の令和8年度概算要求および公開資料に基づきます。

※本稿は私個人の忘備録であり、党の公式見解ではありません。

 

 

💊動かない日本──第1章 補助金が生み出す“静かな病” 医師偏在対策のからくり

 

🏥 「足りない」のではなく「動かせない」

 

日本には現在、医師約34万人がいます。にもかかわらず、現場では「地方の病院が医師不足で閉鎖」「救急受け入れ不能」といった事態が常態化しています。それはなぜか。「医師が足りない」からではなく、“医師を動かせない制度”が存在しているからです。

 

💰 動かない構造を、補助金で延命する

 

厚生労働省は毎年、医師偏在対策として予算を計上します。令和8年度の概算要求ベースで見ると、

  • 医政局「医師偏在是正に向けた対策」:156.1億円

  • さらに都道府県が使う地域医療介護総合確保基金:613億円(この中に医師確保・地域医療の施策が含まれる)

資金はたいてい、

国 → 都道府県 → 医療機関(または受託団体) → 医師

という経路で流れます。結果、医師本人の報酬や生活条件の改善にダイレクトに届きにくい。設備・事務費・事業運営費に吸収され、“制度”は延命しても“人”は動かない。

これが日本の医療を鈍らせている根因です。

 

⚙️ 旧体制のまま止まった「医局システム」

 

大学医局による派遣は今も根強く、“地方勤務=本人希望ではないローテーション”になりがち。

その結果、短期派遣→疲弊→離職→再び補助金という悪循環が続きます。言い換えれば、補助金が「偏在」を固定化してしまうのです。

 

🌍 世界の常識、日本の非常識

 

諸外国は“人に直接”テコをかけます。

施策

年収インセンティブ

付帯支援

🇫🇮 フィンランド

僻地医療手当

都市部の約2.5倍

子どもの教育支援

🇨🇦 カナダ

Rural Retention

年+数百万円の定着手当

住宅・長期契約

🇫🇷 フランス

地方医師優遇

**年収+50%**相当の優遇

住宅・ローン優遇

🇯🇵 日本

医局派遣+交付金

実質変化が乏しい

単年度予算・制度依存

 

つまり彼らは制度ではなく“人”を守る。日本はその逆を続けています。

 

🧭 提案:「地域医療リワード制度」

 

医師偏在の解決は、“補助金の人への直結”から。

  1. 補助金を個人報酬化

  • 医師個人に直接支給(病院や受託団体経由を最小化)

  • 年収2〜3倍を明示的に保証する「地域医療リワード」を創設

  1. 家族・教育・住宅をパッケージ化

  • 住宅提供/子の教育費支援/配偶者の就業支援をセット

  1. AI・DXによるチーム診療

  • 遠隔診療・AI診断支援で過重労働と孤立を防ぐ

  1. 任期制+キャリア評価

  • 2〜5年任期をキャリア加点として評価し、“犠牲”ではなく“挑戦”へ

🏗️ お金の流れをスキップする

 

今:補助金 → 都道府県 → 事業・病院 → 医師

これから:補助金 → 医師(+家族支援)

 

お金の経路を短く・透明に“人”に直接投資する。

それが構造改革の第一歩です。

 

📉 「ハンセン病332億円」「震災60億円」と同じ構図

この問題は医療偏在に限りません。

  • 国立ハンセン病療養所の療養環境整備:332億円(R8概算要求)

  • 東日本大震災関連の地域医療再生支援:60億円規模(同)

いずれも“減らしにくい支出”となり、事業の出口設計が曖昧なまま維持されがちです。

言い換えれば、「問題を解決するお金」ではなく「問題を維持するお金」が流れ続ける。

そして、その“動かない構造”を覆うために、毎年また「次の予算」が積み増される──。

日本は今、“問題の再生産”で回っているのではないか。

 

🍙 結びに

 

医療は「命を守る」ための制度のはず。

それなのに、いつしか「制度を守るために命が犠牲」になっていないか。

補助金を積むのではなく、信頼を積む。

制度を維持するのではなく、人材(財)を大事にする。

それが、これからの日本に必要な医療のかたちです。

 

🐤 ひとこと

 

“仕組みを変える勇気”を!

 

📘 次回予告

第2章「終わらない震災──復興の名を借りた延命予算」

被災地で止まった時計と、予算が刻む“もう一つの時間軸”を追います。

 

注記(出典・立場)

本稿の数値は、各省庁の令和8年度概算要求および公開資料に基づいています。趣旨は“批判”ではなく、構造の健全化にあります。なお、本稿は筆者個人の見解・備忘録であり、所属政党・会派・委員会の公式見解ではありません

 

 

🧔‍♂️ヒゲの国から学ぶ──厚労省概算要求で見えた“もう一つのジェンダーギャップ”

 

厚労省の概算要求をつらつら眺めていたのです。

(本当はね、言いたいこと山ほどあります。

でも今日はその中で、心の中で一番“バズった”ものを正直に言います!!)

 

それは──

 

「女性の健康支援、フェムテック推進、母子支援」

…うん、すばらしい。どれも必要。

 

でも、ふと我に返って気づいたんです。

 

「あれ? 男性の健康支援って、存在しないんかいな?」😳

 

🇬🇧イギリスでは、11月になると街中がちょっと面白いことになります。

スーツ姿の男性がみんな、ヒゲを伸ばし始めるんです。

 

理由は「Movember(モーベンバー)」──

ヒゲ(moustache)+11月(November)の造語。

つまり、“男性の健康月間”。

 

彼らはヒゲで「前立腺がん」「精巣がん」「うつ病予防」の啓発をするのです。

銀行員も議員も、モジャモジャ。

もう、社会全体で“男性の健康”を笑いながら語る。🥸

それが文化になってる。

 

ところが日本はというと。

女性の健康にはフェムテック、ホルモンケア、妊活、月経対策と

たくさんの政策枠や補助金があります。

 

一方で男性には……?

 

👔 「過労死ライン」

🚬 「禁煙指導」

💼 「働き方改革」

 

──うん、それ“罰則と是正”ばかりじゃない?😂

寿命だって女性より短いし、自殺だって男性の方が多い。何しろ前線で戦うことが多いのが男性。(この際ジェンダー論は置いておいて)

 

私、思いました。

「男性の健康=自己責任」という文化、もうやめませんか?

 

だって、女性が幸せに生きるためには、

その隣にいる男性も元気でいてくれなきゃ成り立たない。

 

私は提案したい。

フェムテックと両輪で、“メンテック(Men’s Health Tech)”を。

  • 前立腺がん・精巣がんの早期発見プログラム

  • 男性更年期(アンドロポーズ)とホルモンケア

  • うつ・依存・孤独の予防と回復の仕組み

  • 若年〜中年男性の不妊・性機能のヘルスリテラシー

そしてもし日本でもMovemberが広がったら——

国会も霞が関も、ヒゲだらけ。🥸ちょっと怖い、でもちょっと見たい。🤣

 

🪶

医療とは、女性だけのものでも、男性だけのものでもなく、

「生命のバランスを取り戻すこと」。

フェアで優しい社会は、そこから始まります。

 

追いヒゲ(具体の一歩だけ)

  • 官民連携の「Movember Japan」:自治体・企業・スポーツ界で横断キャンペーン

  • 男性版健診パッケージ:PSA等の早期検査&メンタル簡易スクリーニングをセット化

  • 孤独対策の男女別プログラム:男性特有の相談行動の壁に合わせた“場”づくり

(※本稿はあくまで個人的な備忘録であり、党の公式方針とは関係ありません。)

 

🌰「食べたから起きた」だけじゃない——ナッツアレルギーの核心は“皮膚からの学習”

 

最近、ナッツアレルギーのニュースが増えています。

記事では「少量でも命に関わる*」「外食表示が足りない」といった重要点が語られていましたが、決定的に欠けている視点があります。

 

それは——経皮感作(けいひかんさ)

「食べる前に、皮膚から体が“敵だ”と学んでしまう」メカニズムです。

 

👶 経皮感作ってなに?

 

乳児湿疹や口まわりの荒れなど、皮膚バリアが壊れた状態で、

ナッツ粉・油・微粒子が肌に触れると、免疫がそれを“敵”として記憶してしまうことがあります。

その後に食べると、強いアレルギー反応(時にアナフィラキシー)を起こしやすくなる——これが経皮感作です。

  • 皮膚(特に荒れた皮膚)から入る → “アレルギーの種”ができる

  • 後から口に入る → 反応が出やすい

「まず食べたから、たくさん口に入れたから起きた」のではなく、“先に皮膚で間違った学習が起きていた”可能性が大きいのです。

 

🧼 あの「茶のしずく」事件を思い出して

 

小麦加水分解物を含む石けんで皮膚から感作され、小麦製品を食べた際に症状が出る人が続出しました。

これも経皮感作の典型例。食べる前に、肌でアレルゲンを学習してしまったのです。

 

ナッツでも構図は同じ。

ナッツ由来オイル入り化粧品・保湿剤・リップ

授乳や離乳食時の口まわりへの付着

キッチンでの粉や微粒子の飛散——ここが盲点です。

 

🧠 マナッピ的・超要点

  • アレルギーは“腸での寛容”か “皮膚での誤学習”かの綱引き

  • 乳児湿疹の保湿とバリア回復は“食育”と同じくらい重要

  • ナッツオイル等のスキンケア成分は要表示・要注意

  • 早期の経口摂取が役立つケースもあるが(専門医の指導下で)、皮膚管理とセットで考えること

🏠 生活でできるガード(赤ちゃん〜幼児)

 

スキンケア

  • 乳児湿疹・口周りの荒れは放置しない:低刺激の保湿をたっぷり・頻回

  • 食物由来オイル(ナッツ、ピーナッツ、アーモンド等)入りの化粧品・保湿剤・リップは赤ちゃんの顔周りに使わない

台所・授乳まわり

  • ナッツ粉・砕片は布巾や調理台に残りやすい:食後は洗剤+流水でリセット

  • 授乳・抱っこの前に手口ふき→手洗い(家族がナッツ菓子を食べた後は特に)

  • 離乳食づくりの器具は共用を避ける/高温洗浄

保育・外食

  • 園・学校に診断書と対応指示を提出、調理室のコンタミ(交差接触)対策を共有

  • 外食は原材料+コンタミ方針を事前確認(メニュー表示が無い店は要質問)

🧑‍⚕️ 医療者・園向けメモ

  • 経皮感作のリスク評価(湿疹の重症度、家族歴、住環境)を問診テンプレート化

  • 皮膚管理と食物導入のバランスを個別最適化(専門医連携)

  • 園・学校にはアクションプラン(対応フロー、エピペン管理)を配布

🏛️ 政策メモ(忘備録)

  1. スキンケア=食育として周産期教育に標準化(母子保健冊子の改訂)

  2. 化粧品・保湿剤の成分表示強化(食物由来成分は目立つ位置に)

  3. 保育・学校でのコンタミ対策ガイドラインの策定・研修

  4. 外食・テイクアウトのアレルゲン情報の見える化を段階的に推進

  5. リアルワールドデータで経皮感作リスクのAIスクリーニング実装(保健所・小児科連携)

👶まとめ:赤ちゃんのほっぺは、免疫の教科書

 

ナッツアレルギーは「食べた量だけ」の問題ではありません。

“肌でどう学んだか”が、その後の運命を大きく左右します。

 

食卓の前に、まずスキンケア。

ほっぺを守ることが、未来のアレルギーを減らす確かな一歩です。

 

(注)具体的な診断・治療・経口免疫療法の可否は必ず専門医にご相談ください。個々の病状・リスクで対応は変わります。

 

<脚注>

*ナッツが重症化しやすいのは、そのタンパク質構造が特異であるためである。

ナッツのタンパク質は熱にも強く、胃腸でも分解されにくく、体内に入ると長く原型をとどめる。

この“壊れにくさ”が免疫細胞を過剰に刺激し、わずかな量でもIgE抗体を強く誘発する。

その結果、血管の透過性が急激に高まり、全身にヒスタミンが放出されてアナフィラキシーへとつながるのである。

 

🌕 雲間に月を探して ─ 2025年の中秋の名月に寄せて

 

今年も「中秋の名月」がやってきました。旧暦の八月十五日。

十五夜の月は「芋名月」とも呼ばれ、稲穂や芋、栗など秋の恵みをお供えして月を愛でる──そんな古き良き風習が日本各地に残っています。

 

私も今夜は、雲間から顔を出す月を探してみようと思っています。

たとえ雲に隠れていても、月は必ずそこにあります。見えなくても、心でその光を感じることはできます。

 

古代の人々は、天体や自然のリズムを自分たちの暮らしと重ね、祖先とのつながりを感じてきました。

現代の私たちはデータや数字に囲まれがちですが、こうした「感じる力」も同じくらい大切なのではないでしょうか。

 

2025年の十五夜は、暦と天体の位置の関係で、例年よりも月が大きく、エネルギーが強いといわれています。

月明かりの下、ほんのひととき足を止めて、空を見上げてみませんか。

 

雲の向こうにある光を心で感じる──その行為自体が、私たちを祖先や自然、そして未来の自分と結びつける小さな儀式なのかもしれません。

 

🐤 ひとこと

 

「月を眺めること」は、科学で測れる効果以上に、人の心を整える力がある気がします。

数字と理屈に追われる日々の中で、ほんの数分、空を見上げる──それだけで心がほどける夜になりますように。

 

💊 コロナ薬の“聖三位一体”──薬を出す・もらう・売る社会の行方

 

はじめに

 

「葛根湯でも飲んで寝ていれば治るのに──」

そうつぶやきたくなるほど、いま日本のコロナ薬市場は過熱しています。

ラゲブリオ*、パキロビッド**、ゾコーバ***。どれも1コース5万〜10万円級の高額薬で、多くは国費が支えています。

 

もちろん、重症化リスクの高い方にとっては命を救う大切な選択肢。

それでも、現場を知る医療従事者として思うのは、

「この構造そのものが、すでに病なのではないか」ということです。

 

✝️ 三位一体の構図

 

コロナ薬をめぐる構造は、もはや宗教的ですらあります。

 

👩‍⚕️ 薬を出したい医師

 

「何か処方しなければ診療(=収入)にならない」──そんな“処方圧”はいまも根強い。

「患者さんも薬ば出さんと不安がるけん、結局出すとよ」

 

その結果、軽症でも抗ウイルス薬が当然のように出される。

 

🧑‍🤝‍🧑 薬をもらいたい患者

 

「薬をもらえた=診てもらえた」という安心の儀式

「保険、どんだけ払ってるんだべ。たまに使わねど損すっぺ」

 

これは日本人に深く根づく、“処方されてこそ医療”という思い込みでもあります。

 

🏢 薬を売りたい製薬企業

 

企業努力は尊い。けれど、国家予算が投入される巨大薬価市場が生まれれば、

利益とロビーが動くのは必然

「開発費や治験にようけ金かけてんねん。高うて当たり前や」

 

そこに顔を出すのは「科学」ではなく、政治と採算の論理

プライマリーバランス的発想が、医療にも染みこんでいるのです。

 

🧪 三者が作る“安心の幻想”

 

「出す・もらう・売る」の三位一体が完成すると、

社会全体に“薬があれば安心”という幻想が広がります。

 

けれど現実には、軽症者の多くは自然免疫と休養(あるいは安価で安心な解熱鎮痛剤)で回復します。

むしろ重症には効きにくいコロナ薬もある。

 

安静・水分・睡眠。

それこそが、古来から最も安全で確実な治療でした。

ところが現代医療は、「薬を出すことで体裁を整える」方向に傾いてしまったのかもしれません。

 

💰 医療経済のゆがみ

 

1人に1コース10万円の薬を出せば、1万人で10億円。

その多くが、重症化抑制効果の薄い層に投じられているかもしれません。

 

医療費が国家財政を圧迫するいま、これは単なる薬の問題ではなく、国家経済の構造的病理です。

 

🔍 本当に必要なのは

  • 「薬を減らす勇気」

  • 「信頼できる医療情報の共有」

AIやビッグデータを用いて、「効く人/効かない人」を事前に予測し、“出すべき薬”と“出さない選択”を科学的に整理する。

 

それこそが、次世代の医療DXがめざす姿です。

 

🍙 結びに

 

薬はもちろん悪ではありません。命を救う力を持ちます。

しかし、薬が“ビジネスの中心”になった瞬間、

医療は「人を治す」という使命から静かに離れていきます。

 

コロナ薬の三位一体構造を見直すことは、

日本の医療構造そのものを健全化する第一歩です。

 

🩺 今日の一言

 

「増やす勇気より、減らす勇気が──医療も国家予算も強くする。」

 

“処方大国ニッポン”に、そろそろ断薬の思考を🐤

 

<脚注>

*ラゲブリオ(モルヌピラビル)

  • 製薬会社(国):MSD(Merck & Co./米)※共同開発 Ridgeback

  • 適応の考え方:発症早期の成人、重症化リスクがある患者を想定

  • 標準用法:800 mg(200 mg×4)を1日2回×5日

  • 参考薬価(5日分)約86,596円(2,164.9円/カプセル×40)

  • よくある副作用:悪心、下痢、頭痛・めまい 等

  • 重要な禁忌・注意

     

    • 妊婦・妊娠の可能性がある女性は禁忌

    • 授乳は投与中〜終了後4日は避ける/避妊指導あり

    • 薬物相互作用は相対的に少なめ

     

  • エビデンス要点:入院・死亡抑制の効果を示す試験あり。ただしPaxlovidより効果は小さめとの評価が多い。

**パキロビッド(ニルマトレルビル/リトナビル)

  • 製薬会社(国):ファイザー(米)

  • 適応の考え方:発症5日以内の成人、重症化リスクがある患者を想定

  • 標準用法:ニルマトレルビル300 mg+リトナビル100 mgを1日2回×5日

     

    • 腎機能30–60で減量パックeGFR<30は原則非推奨(国内運用)

     

  • 参考薬価(5日分)約99,028円(1日シート19,805.5円×5)

  • よくある副作用:味覚異常、下痢、悪心 等

  • 重要な禁忌・注意

     

    • CYP3A関連の薬物相互作用が多数(併用薬の厳密チェック必須)

    • 肝・腎機能での投与可否・用量に注意

     

  • エビデンス要点:ランダム化試験・実臨床とも入院/死亡抑制の根拠が最も強い。発症早期開始が鍵。

***ゾコーバ(エンシトレルビル)

  • 製薬会社(国):塩野義製薬(日本)

  • 適応の考え方:国内で通常承認済み(発症早期の経口抗ウイルス薬)

  • 標準用法初日375 mg(125 mg×3)/2–5日目125 mg(1日1回)=計7錠

  • 参考薬価(5日分)約49,630円7,090円/錠×7・2025/2~の改定後)

  • よくある副作用:下痢、頭痛、吐き気 等

  • 重要な禁忌・注意

     

    • 妊婦・妊娠の可能性がある女性は禁忌

    • 最終投与後2週間は避妊指導

    • 一部薬剤で相互作用(併用注意)

     

  • エビデンス要点:主要症状改善は国際第3相で有意差が乏しい結果。一方で抗ウイルス効果は示し、家庭内曝露後予防(PEP)で感染リスク約67%低減のデータあり。重症化抑制の確実性は限定的。

 

🥤 子どもが水筒に薬を──日本・アメリカ・フランスの対応の違い

 

先日、東京・足立区の小学校で驚くような事件がありました。

児童2人が別の子の水筒に睡眠導入剤を混入し、飲ませようとしたというのです。幸い、発覚して事なきを得ましたが、これは「小さないたずら」では済まされない大事件。

 

同じことが海外で起きたらどうなるでしょうか。

日本、アメリカ、フランス──それぞれの対応を比較してみると、国の文化や教育観がくっきり浮かび上がります。

 

🇯🇵 日本の場合

 

日本ではまず「学校と教育委員会」が前面に出ます。

警察沙汰になることは稀で、校長が「再発防止策を講じます」と謝罪するのが典型。児童は学級内で指導、親への注意喚起。

 

👉 特徴

  • 刑事事件としては扱われにくい

  • 「子どものいたずら」として処理されやすい

  • 学校内での再発防止策(鍵の管理など)が中心

🇺🇸 アメリカの場合(州・学区で差あり)

 

ここは一気にシビアです。

水筒に薬を混入した時点で「poisoning(毒物混入)」未遂=重大犯罪

児童でも「juvenile court(少年裁判所)」に送致され、即退学。さらに親は民事訴訟に巻き込まれ、数百万ドル規模の損害賠償請求を受ける可能性も。

 

👉 特徴

  • 「安全第一」なので教育よりも刑事責任が優先

  • 学校はすぐに「expel(退学処分)」

  • 社会から隔離して再犯防止

🇫🇷 フランスの場合

 

フランスではこれも刑事事件扱い。ただし「少年司法の枠」で動きます。

10歳未満なら刑事責任なし、10歳以上なら「教育的措置(mesure éducative)」が優先されます。施設での矯正教育や心理ケアに回されることが多い。

 

同時に、「親の責任(responsabilité parentale)」が問われ、監督不行き届きとして親に罰金や社会奉仕が課されることも。

 

👉 特徴

  • 法的には厳しい(重罪の未遂)

  • ただし罰より教育を重視

  • 親の責任も重く追及

🌍 浮かび上がる「国の価値観」

  • 日本:とにかく「事を荒立てない」文化。内々で処理。学校・教育委員会中心の内外連携。実務は「教育的対応+物理的再発防止」に比重。

  • アメリカ:リスク社会。安全優先で徹底排除。法・校規に基づく厳格な初動と脅威評価が定着。

  • フランス:責任を問いつつ教育で立て直す枠組み。家庭支援と被害児ケアを制度的に組み込む。

同じ「児童による薬物混入未遂」でも、社会の反応はこれほど違うのです。

 

🇯🇵日本で検討したい実務・政策のポイント

  1. 多機関連携の様式化

    学校・児相・警察・医療(小児精神含む)の合同対応プロトコルを平時から整備。

  2. 脅威評価(Threat Assessment)の導入

    重大事案の芽を早期に見立て、懲戒とケアの適切な組み合わせを判断する仕組みを試行。

  3. 家庭での医薬品管理の徹底

    鍵付き保管、持ち出し防止、使用・廃棄ルールの周知(自治体の保健だより等で継続啓発)。

  4. 被害児・加害児の双方支援

    被害児の心理的セーフティネット、加害側には発達・家庭背景に応じた支援計画(医療・福祉の橋渡し)。

  5. 年齢に応じたガイドラインの透明化

    事案類型別・年齢別の対応例を公開し、学校現場の負担軽減と保護者の理解促進。

  6. 教育カリキュラムへの組込み

    「薬のリスク」「ネットといじめ」「同意と安全」等の予防教育を系統立てて実施。

🐤 ひとこと

 

今回は幸い飲用前に防がれましたが、結果次第では重大な傷害につながり得た行為でした。

日本では往々にして「学校内での再発防止策」で幕引きとなりがちですが、それでは不十分です。

 

私は「日本型」の危うさを感じています。外国の文化や価値観が混ざり合う今、教育現場も世界的な基準を意識せざるを得ません。再発防止を学校に丸投げするのではなく、子どもの加害性や被害者の心理、家庭の背景まで含めて立体的に考える必要があります。

 

むしろ「フランス型」のように教育的アプローチを軸としつつ、親の責任を含めて社会全体で対応するのが望ましいでしょう。懲戒を強めるだけでも、教育的配慮だけでも不十分。事実に即した初動と中長期の支援計画──その両輪で子どもを守る仕組みづくりが必要です。

 

今回の件は「いたずら」ではなく「殺意の萌芽」とも受け取られかねない。未来の犯罪を防ぐには、文化的タブーを越えて真剣に向き合うべき時が来ていると感じます。

 

 

📰 厚労相「承知していません」答弁に思うこと

 

先日、SNSで「厚労相がワクチン効果について承知していないと発言した」という動画が拡散され、ファクトチェック記事が出ました。

結果は「切り抜きによる誤解」と判定。実際には大臣は「(期間限定の条件付きで)感染予防効果はあります」と前置きし、そのうえで「製造販売業者が効果をどう認識しているかは承知していない」と述べていました。

 

つまり、拡散した投稿は誤り。

──でも、これで終わりにしてはいけません。

 

🤔 本当に「承知していない」でいいの?

 

厚労省はファイザーやモデルナから膨大なデータを受け取り、審査を経て承認し、国民に推奨してきました。

なのに「承知していません」と言えてしまう。これはどう考えても「責任放棄」に聞こえます。

 

しかも、すでに国際的にはこう整理されています。

  • 感染予防効果:ほとんどなかった(デルタ期までは一部あったが短期間で消失)

  • 重症化予防効果:相対リスクでは効果を示したが、絶対リスクでは限定的

  • 後遺症:これは別枠で、むしろ今後最大の論点になりうる

🌀 二重の問題

 

今回の件には二重の問題があります。

  1. 切り抜きによる誤情報拡散

    → 「厚労省が感染予防効果を否定!」と誤って広がった。

  2. 元答弁そのものの稚拙さ

    → 「国が承知していない」なんて無責任な発言を、誰も追及できていない。

どちらも、国民の信頼を損なう結果しか生みません。

 

🌱 🐤ひとこと

 

ワクチンを推奨したのは国です。

そもそも「メーカーがどう認識しているか」などをベースにするのではなく、「国としてどう評価しているか」を明言すべきでしょう。

 

第三機関なども使い真摯に検証し、次の感染症危機に備える。

それこそが、国が果たすべき説明責任です。

“承知していない”という答弁を放置すれば、国民の不信はますます深まります。

国会の場で、改めて責任の所在を問い直したいと思います。

 

 

🏥「病院が黒字=社会は不健康?」という奇妙な構造

 

先日、「病院危機」を訴える記事を読みました。

全国の自治体病院のうち 86%が赤字。しかも救急や中核病院ほど経営が悪化しているという内容でした。

 

これを読むと「大変だ!国がもっとお金を入れて黒字化を!」と思われるかもしれません。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみたいのです。

 

🤔 病院が黒字化する仕組み

 

病院の収入は、患者さんの数や処置の件数に依存しています。

つまり「黒字化」するためには、患者が増える必要がある。(もちろん医師を公務員化するとかは別のアイディアとして)

 

……これっておかしくありませんか?

本来、国民が健康で病院に来なくなることこそ、社会にとっての“黒字”のはずなのに。

 

🌀 逆インセンティブの罠

 

現行の制度は「検査・投薬・入院が増える=病院が潤う」構造です。

逆に予防や健康増進に取り組むほど病院の経営は厳しくなる。

つまり「健康を目指すほど病院が困る」という、まさに逆インセンティブ。

 

これでは、医療と社会の目標がすれ違ったままです。

 

🌍 世界の動き

 

欧州の国々では、すでに「出来高払い」から脱却しつつあります。

• 再入院率の低下

• 健康寿命の延伸

• 予防プログラムの達成率

 

こうした “健康の成果”をKPIにして病院に報酬を払う仕組みが導入されています。

患者が減っても「よくやった!」と評価される仕組みです。

 

💡 日本の次の一手

 

日本も「病院が黒字か赤字か」ではなく、

「地域住民の健康指標」で評価する時代に移行すべきです。

• 高齢者の健康寿命が延びたら病院にインセンティブ

• 再入院が減れば報酬アップ

• 健診や予防活動の効果が見えれば加点

 

さらに、柔軟な治療選択肢を広げる“混合診療の解禁も議論すべきです。

そうすれば、病院と社会の目標が一致し、医療が「患者を増やす産業」から「健康を守る仕組み」に変わります。

 

🐤 ひとこと

 

病院の赤字をただ埋めるだけでは、本質は変わりません。

むしろ「黒字=患者が増える」という矛盾を放置すれば、社会全体が病むだけです。

 

これからの医療に必要なのは、

「健康になるほど病院も報われる」──そんな新しいルール。

 

これからも皆さんの声を届けながら、この構造転換を問いかけていきたいと思います。

 

 

💻 AI問診より先に──信頼できる機関による統一電子カルテを

 

🌸はじめに

 

大阪国際がんセンターが、日本IBMなどと共同で「問診生成AI」「看護音声入力生成AI」を実運用開始したというニュースが流れました。

生成AIが医療現場を支援する──聞こえは未来的で、患者や医療従事者に寄り添う素晴らしい取り組みに見えます。

 

記事によれば、問診AIは患者がスマホやPCから日々の体調を入力してカルテに反映。

看護AIは記録業務を自動要約し、記録作業を約4割短縮するといいます。

 

🍑それでも「悲しい気持ち」になる理由

 

もちろん即効性のある負担軽減策ですが、私はこの記事を読んでどこか「やるせない、悲しい気持ち」になりました。

 

そもそも日本の医療DXは、先進国に比べてまじで遅すぎる!

しかも国内でも、私の知人が経営するクリニックでは1年以上前から同様かそれ以上の仕組みを導入済みでした。

診察は音声入力で自動記録、処方は予測変換、誤りのみ修正する方式。

それが当時は最新ベンダーの技術でしたが──すでに運用されているものが、今になって「最新ニュース」として報道されている。

 

このギャップに、正直、辛さを覚えます。

 

🖊️本質は「統一電子カルテ」の欠如

 

日本の医療現場の最大の課題は、電子カルテが病院ごと・ベンダーごとにバラバラであることです。

せっかくAIで問診や記録を効率化しても、全国でデータを横断的に活用できない。

 

いわば、縦割り社会ならぬ「縦割り電子化」です。

 

この結果、再び「ベンダー企業が儲かり、現場は分断され、患者に還元されない」構造が温存されてしまいます。

 

👆国際比較に見る優先順位

 

欧米諸国、エストニア、韓国、台湾、シンガポール、オーストラリア──いずれの国もまず全国統一のデータ基盤を整備しました。

その上にAIを活用するからこそ、国民一人ひとりの診療履歴がシームレスにつながり、効率化や予防医療につながるのです。

 

一方、日本は「独立したアプリを先行、統一基盤は後回し」。

これでは、いつまでも部分的な実証実験に終わり、国民全体に恩恵が届きません。

 

🗣️私の考え

 

AIは否定しません。むしろ大いに活用すべきです。

だからこそ、まずは信頼できる公益機関が主導する統一電子カルテの実現こそが最優先だと考えます。

 

政府が本気で「医療DX」を進めるなら、華やかなAIアプリのリリース発表ではなく、

全国統一カルテのロードマップを明示すべきです。

 

生成AIは素晴らしい技術です。

しかし基盤がなければ、また「ベンダーDX」で終わってしまうでしょう。

 

🍙結び

 

患者と医療従事者に本当に寄り添うDXとは何か。

それは統一された基盤と透明なデータの活用です。

 

私は国政の場で、何度でもこの問いを投げかけたいと思います。

 

もしそれができない理由が「利権構造」にあるのだとしたら──

まさにそこにメスを入れることこそが、医療DXの核心だと考えます。