🌈 終わりがあるからこそ、いのちは輝く──大阪・関西万博閉会によせて

 

半年間の“いのちの祭典”が、静かに幕を閉じました。

医療DXや再生医療に携わる者としても、

深く意義を感じる世界の科学祝祭でした。

 

人と技術と希望が交わる瞬間を、

静かに見届けに行きました。

 

 

会場では、太鼓の響きと共に、

国や世代、言語を超えて人々の笑顔がつながっていました。

それはまるで、文明そのものの鼓動を聴いているようでした。

 

 

終わりがあるからこそ、いのちは輝く。

万博ロス。多くの人が抱えているのかもしれません。

でもその“切なさ”こそ、命の輝きなのだと思います。

 

有限であることの中に、

再生と希望がある──

それを改めて感じた閉会の日でした。

 

 

🌈 From Expo to Eternity

 

The six-month “Festival of Life” has quietly come to an end.

As someone engaged in medical DX and regenerative medicine,

I felt a profound significance in this global celebration of science.

 

In that moment where people, technology, and hope converged,

I witnessed the heartbeat of humanity itself.

 

Life shines precisely because it ends.

Perhaps many of us are feeling a touch of “Expo loss.”

Yet this gentle ache—this fleeting sadness—is the very light of life.

 

 

🧬 ワクチンは全部“同じ”じゃない──ARR/NNVで見る「本当の実益」

 

今、アメリカでは “ワクチン全般の見直し” の波が静かに広がりつつあります。

安全性の是非を論じる前に──まずは「どのワクチンが、どれだけ効くのか」。

今回はその“実効性”を、数字で見てみましょう。

比較するのは、

新型コロナワクチン、インフルエンザワクチン、そして古典的ワクチンです。

 

💡結論を先に

  • 乳幼児の定期ワクチン(MMR・ポリオ・DTP)は桁違いに効果が高い。

     NNV=10〜30台=「少人数を打てば1件の発症を確実に防げる」レベル。

  • インフル成人は中程度、コロナ(オミクロン期の一般健常者)は低い。

     ARRが低く、NNVが大きい=一律に打っても実益は薄い。

  • 結論はシンプル。

     “全員一律”ではなく、“ハイリスク重点”。

     (ただしmRNA型ワクチンについては、後遺症報告が多く、私は現時点で推奨しません。)

🧮 用語は2つだけ覚えておこう

  • ARR(Absolute Risk Reduction)=絶対リスク低下

     → 実際にどれだけ減ったか。

  • NNV(Number Needed to Vaccinate)=必要接種人数

     → 1件の発症を防ぐのに、何人打つ必要があるか(=1/ARR)。

🪄 傘のたとえ☔

大雨(流行が強い)なら傘の実益は大きく、ARR↑→NNV↓

小雨(流行が弱い)なら実益は小さく、ARR↓→NNV↑

同じ「有効率%」でも、天気=ベースリスクによって体感はまるで違います。

 

📊 比較表:発症をどれだけ防ぐのか?

 

ワクチン/状況

ARR(%)の目安

NNV(人)=1件防ぐのに

ざっくり解釈

麻疹(MMR)

5–10

20–10

ほぼ全員に実益。定期接種の王者。

ポリオ(OPV/IPV)

1–5

100–20

集団免疫の柱。実益が非常に大きい。

DTP(百日咳等)

3–8

33–13

小児の重症感染を確実に防ぐ。

インフル成人

0.5–4.0

200–25

年や対象で振れ幅大。高齢・基礎疾患では実益↑。

コロナ:オミクロン期・一般健常者

0.2–0.7

500–143

一律では実益が小さい。高齢・基礎疾患で相対的に有利。

※ARR/NNVは、実際の臨床研究から得られた代表値をもとにした“実益比較”です。

※流行状況・曝露度・年齢・免疫状態により数値は上下します。

 

🧩 コロナ&インフルが“弱く見える”理由

 

1️⃣ 母集団の危険度が低い。

若年・基礎疾患なしでは発症率が低く、ARRが小さくなる。

 

2️⃣ 目的が違う。

定期ワクチンは「感染防止と根絶」が目的。

一方インフル・コロナは「重症化防止」が主眼で、発症予防ARRは小さい。

 

3️⃣ すでに“ハイブリッド免疫”が成立。

感染+接種で免疫を獲得した人が多く、母集団のリスクが低下している。

 

🎯 これからの戦略はこうなる

  • 一律の号令ではなく、層別化へ。

     - 打つ意義が大きい:高齢、心血管・代謝疾患、免疫抑制、高曝露(医療・介護等)

     - 実益が小さい:若年・基礎疾患なし・低曝露・流行が弱い時期

  • 政府・メディアはRRR(相対値)だけでなくARR/NNVも公表し、「自分で判断できる社会」をつくるべきです。

⏱️ 1分セルフチェック

  • 年齢は? 基礎疾患あり? → はい=実益↑

  • 今の流行は強い? → はい=実益↑

  • 曝露リスク(医療・介護・学校など)は? → 高い=実益↑

  • 副反応に敏感? → はい=慎重に判断

🌿 さいごに

  • 定期ワクチン(MMR・ポリオ・DTP)は予防効果最大級。

  • インフル・コロナの追加接種は“選択の医療”。

     一律ではなく、ハイリスク重点へ。

  • mRNAワクチンについては、後遺症(副反応、副作用)報告が多いため推奨しません。

  • そして、行政とメディアはARR/NNVを開示し、国民が“考える力”を取り戻せる仕組みを。

🧾 次回予告:

 

次回は「効果」だけでなく、副反応・死亡報告・医療コストまで含めた“ワクチンのバランスシート”を考えます。

 

 

🇰🇷韓国が示した「検証する勇気」──mRNAワクチン時代の次なる問い

 

mRNAワクチンが世界に登場してから数年。

感染症としてのコロナは一段落しましたが、「打った後の体調変化」や「免疫バランスの乱れ」を訴える声は、いまも静かに続いています。

 

私自身、mRNAワクチンの安全性が十分に検証されておらず、効果も副作用も“絶対評価”では語れないという立場を取っています。

それは“陰謀論”ではなく、臨床現場で見てきた多くの医師たちの声に基づく、(あるいは自分自身の)体感的な違和感(肌感覚)に基づくものです。

 

🇰🇷 多様なワクチン”を使う韓国──データが語る検証の文化

 

韓国は、mRNA型(ファイザー・モデルナ)だけでなく、

アデノウイルスベクター型(アストラゼネカ・ヤンセン)やタンパク質サブユニット型(ノババックス)など、複数のプラットフォームを運用してきました。

 

この“多様性”こそが比較検証を可能にし、データ駆動で安全性と有効性を見直す文化を育てています。

しかも、国民皆保険の統合データベース(NHIS)を活用し、全国規模の疫学研究がスピーディに進められている。

その結果、いくつもの重要なシグナルが見えてきました。

 

🧠 アルツハイマー病との関連を示唆(QJM, 2024)

 

韓国全国の65歳以上を対象にした大規模コホートでは、mRNAワクチン接種群でアルツハイマー病(AD)と軽度認知障害(MCI)の発症リスクが上昇していました。

特にmRNA型において有意差が出ており、「免疫刺激の繰り返しが中枢神経に与える影響」への関心が高まっています。

 

🩺 精神・睡眠への影響──“脳‐免疫軸”の変化

 

ソウル大を中心とする研究では、

接種群で抑うつ・不安・睡眠障害の発症率が上昇

ただし、統合失調症や双極性障害は逆に減少しており、単純な因果ではなく、“脳と免疫の相互作用”を探る必要性が指摘されています。

 

🌿 自己免疫疾患:全体は中立、SLEだけやや上昇

 

Nature Communications(2024)に掲載された925万人コホートでは、大半の自己免疫疾患でリスク上昇は見られなかった一方、全身性エリテマトーデス(SLE)は1.16倍に。

ごく小さい差ではありますが、

「一部の免疫素因を持つ人には注意が必要」と結論づけています。

 

❤️ 心筋炎・心膜炎──“若年男性”リスクは明確

 

韓国の全国データ4,400万人を解析した研究では、mRNA接種後の心筋炎・心膜炎リスク上昇が有意。特に2回目接種後、20代男性で発症率が高く、“同じ設計・同じ間隔を全世代に打つ設計思想”そのものが問われています。

 

🙁 顔面神経麻痺:28日以内でリスク上昇

 

韓国ワクチン安全性委員会(CoVaSC)の報告では、接種後28日以内のBell麻痺リスクが上昇(IRR約1.1倍)

ただし3回目以降は関連が薄れるなど、免疫記憶の段階で反応性が変化している可能性もあります。

 

🧬 がんリスク:1年以内での有意上昇を報告(Biomarker Research, 2025)

 

がん登録データと接種履歴を突き合わせた研究では、甲状腺・大腸・肺・乳がんなど6種類の発症率が上昇

この報告は世界的に波紋を呼びましたが、著者自身が「相関関係に過ぎない」と明言。とはいえ、免疫寛容(IgG4上昇)による腫瘍監視低下の可能性が、他国でも議論され始めています。

 

💉 二価mRNAブースター・安全性中間報告

 

二価ブースター導入後のモニタリングでは、

重篤事象は少ないものの、既知の副作用パターン(心筋炎など)は繰り返し確認

「脆弱層へのメリット・リスクの見直し」を提言しています。

 

🌸 月経・ホルモンバランスへの影響

 

韓国と欧州の共同レビューでは、

月経周期の乱れや不正出血の増加を報告。

一過性で重大ではないとされつつも、

“QOLへの影響”として無視できない分野です。

 

🇯🇵 日本への示唆─“検証できる国”へ

 

韓国の強みは、「多プラットフォーム+全国DB」。

対して日本は、統一電子カルテすら整わない現状です。

これでは、政策的検証も、個別最適もできません。

 

「安全性に問題がない」という以前に、

安全性を測るためのデータが紐づかない」──

本当のリスクは、そこにあります。

 

お上に言われたまま、推奨ワクチンを一律に打つ時代は終わりました。

これからは、個人の免疫特性や疾患背景を踏まえた“選択の医療”へ。

 

韓国が見せたのは、データを“隠さない勇気”。

日本に必要なのは、検証を止めない科学の矜持です。

 

📚 参考主要文献

  • QJM (2024): Alzheimer’s disease & MCI risk after vaccination

  • Nature Communications (2024): Autoimmune diseases after mRNA vaccine

  • Biomarker Research (2025): Cancer risk within one year post-vaccination

  • European Heart Journal (2023): Myocarditis nationwide analysis

  • Emerging Infectious Diseases (2024): Bell’s palsy incidence

  • Osong Public Health Res Perspect (2024): Bivalent booster safety

  • Seoul National University study (2024): Psychiatric & sleep disorders

  • Korea NHIS & CoVaSC datasets

 

 

🧬 膵臓がんとmRNAワクチン──「陰謀論」では終わらせない時代へ

 

mRNAワクチンが世界で広く使われてから、もう数年が経ちました。感染症としてのコロナは収束に向かいましたが、一方で「ワクチン後に体調が変わった」「免疫が弱った気がする──

 

mRNAワクチンは、長期的な免疫変化や発がんリスクへの影響については、まだ十分に検証されていないのが現実です。だからこそ、こうした国内外の臨床データには大きな意味があります。

 

📖 宮城県がんセンターによるCancers誌論文(2025年)

 

タイトル:

“Repeated COVID-19 Vaccination as a Poor Prognostic Factor in Pancreatic Cancer”

(COVID-19ワクチンの繰り返し接種は膵臓がんの予後不良因子である)

 

国内のがん拠点病院が出した正式な英文学術論文です。

対象は457名の膵臓がん患者(2021〜2024年治療例)。

 

接種回数ごとの生存期間を比較した結果──

 

群別

中央生存期間(月)

ハザード比(HR)*

p値

未接種

14.8

1.00(参照)

1〜2回

13.2

1.21

0.082

3回以上

9.3

1.68 (1.29–2.19)

p<0.001

 

多変量解析でも「3回以上接種」が独立した予後不良因子(p=0.004)でした。

数字が示すのは、明確な“生存期間の短縮”**です。

 

🧩 背景にある「免疫の疲弊」──IgG4*というキーワード

 

研究チームは、単なる統計上の偶然ではないと考えています。

その裏にあるのが、免疫反応の型の変化──IgG4(免疫の「穏健派抗体」)の増加です。

 

IgG4は本来、アレルギーを抑える“穏やかな抗体”。ところが、mRNAワクチンを繰り返し接種すると、IgG4が著しく増え、「攻撃型」から「寛容型」への免疫スイッチが入ることが、すでに欧州の複数研究(2022年以降の、ドイツ・イタリアなど)で報告されています。

 

これは、ウイルスへの過剰反応を避けるための、“安全装置”のような反応ともいえます。実際にアレルギー抑制などにも働きます。

しかし──がん患者にとっては、腫瘍を攻撃する免疫力そのものが鈍る。つまり「守りが下がる」状態です。

 

今回の研究でも、ワクチン3回以上接種群で、リンパ球数の減少、CRP・IL-6の上昇など、明確な免疫抑制のサインが確認されました。

 

🧩  なぜIgG4が問題なのか

 

mRNAワクチンは「スパイクタンパク」を体内で再現するよう設計されています。繰り返し接種すると、免疫系が「これは危険ではない常在抗原」と誤認し、防御的なIgG1から寛容的なIgG4型抗体へとシフトします。

 

この免疫“反転”が続くと、T細胞の働きが鈍り、がん細胞を攻撃する免疫監視機構が低下してしまう。

それが、今回の生存率低下(HR1.68)につながった可能性があるのです。

 

🧠 「科学」が現場に“追いついてきた”という感覚

 

mRNAワクチンは、長期安全性が検証されておりません。

ところが、ワクチンに懐疑的な立場をとっていた人は、しばしば「反ワクチン」「陰謀論」とレッテルを貼られてきました。

 

しかし今、国内外の公的研究機関が、まさに“同じ問い”を科学的データで提示しています。それは「信念」ではなく、「検証」の時代が始まったということ。

“ようやくここまで来た”というのが正直な実感です。

 

がん患者、高齢者、慢性疾患を持つ方々では、

免疫の反応様式がまったく異なります。

mRNAワクチンという“強い免疫刺激”を何度も繰り返すことが、果たして良いことなのか。

それを冷静に見直す時期が来ているのです。

 

🌿 「陰謀論」から「検証」へ──これからの私たちへ

 

この論文は、

「ワクチンは危険」という単純な叫びではなく、

「科学がようやく現実を語りはじめた」という静かな報告です。

 

“陰謀論”という言葉の陰に隠れていた多くの疑問が、今ようやくデータという形で表に出てきています。

 

だからこそ、次にすべきは「排除」ではなく「検証」。

何が正しかったかではなく、

どうすればこれから人々の免疫と命を守れるのか──

それを問い直す段階に来ているのだと思います。

 

📚 参考文献

 

Cancers (Basel). 2025;17(12):2006.

Repeated COVID-19 Vaccination as a Poor Prognostic Factor in Pancreatic Cancer.

Miyagi Cancer Center, Japan.

 

<脚注>

*ハザード比1.68というのは、

「同じ条件下で、3回以上接種群は死亡リスクが約68%高い」ということ。

**多変量解析(年齢、性別、ステージ、治療法などを補正)でも「3回以上接種」が独立した予後不良因子(p=0.004)と確認された。

未接種群との生存期間の差は約5〜6か月短縮(約37%減少)であり、これは臨床的にも抗がん剤1ライン分の延命効果に匹敵するレベルと考えられる。

研究チームは、免疫反応の“反転(immune tolerance)”──特にIgG4型抗体の増加による抗腫瘍免疫の低下が要因の一つと推測している

 

🧬予防医療の裏にある“AI利権”──MILTONが映す未来医療の二つの顔

 

「AIが病気を予測し、健康を守る。」

──この理想に異を唱える人は少ない。

 

けれど、問うべきは常に「誰のための、何のためのAIか」。

 

大阪万博・英国パビリオンで、

アストラゼネカが披露した疾患予測AI『MILTON』。血液・尿などのバイオマーカーから発症前に、なんと1000種超の疾患リスクを高精度に予測しうる

という。(1000種とか、いらないから😂)

 

まるで医療SFだが、その裏で“もう一つの物語”も進む。

 

🧠「病気を予測するAI」と「人間を査定するAI」

 

MILTONは、英国の公的研究基盤UK Biobankの約50万人データで学習された。

年齢、血圧、血液検査、タンパク質──生身の生活を写す“データの設計図”だ。

 

データ公開や研究者向けポータルは整備されつつある一方、

モデルの中身や重み付けには非公開部分が残る(=算出根拠を外部が完全には検証できない)。

 

「AIがそう言うから、将来この病気の恐れがあります」

 

この一言が、どれほどの追加検査・薬・保険を動かすか。

さらに、将来不安による心理的ストレスが健康を損なう可能性も無視できない。

市場の論理が混じった途端、「予防」という大義名分は、ときに利権の匂いを帯びる。

 

💰ヘルスケアと“利権ケア”の境界線

 

AI予測 → リスク検出 → 追加介入の需要増 → データ再利用 → 新モデル…

見つけるほど儲かる”構造が生まれやすい。

 

AIが未来を読むたび、私たちは少しずつ身体の主権を手放し、意思決定の軸を外部に明け渡す。

温度のある臨床判断と、冷たいアルゴリズムの線引きを、誰が担うのか

 

🌍「データ医療」の覇権争い

 

MILTONは単なるプロダクトではない。

国際データ連携を軸に医療標準を握る試みでもある。

この枠組みを制する者が、次の100年の医療経済のルールメーカーになる。

その発表を“外交の舞台=万博”に載せたのは偶然ではない。

 

🩺🐤提言──AIは「使う」もので、「信仰」ではない

 

AIは人を救える。だが、使い方を誤れば「AIが治す医療」ではなく、「AIが決定する医療」になる。

  • 透明性:モデルの説明可能性・評価指標の公開を原則化

  • 主権:個人ヘルスデータのコントロール権と同意の再設計

  • 適正化:保険・検査・薬事の利益相反開示強化/予測介入の費用対効果を第三者評価

  • 補完性:AIのリスク提示は医師の臨床判断・患者の価値観とセットで意思決定

予防医療の名のもとに“生データ”を誰が握るのか

命の主導権をAIに委ねる前に、データ倫理と説明責任の法整備を急ぐべきだ。

 

🐤今日のひとこと

 

「AIは未来を予測する。でも、“人の幸せ”までは予測できない。」

 

💻丸腰の情報公開──民主主義国家の落とし穴

 

🌸はじめに

 

情報公開は民主主義の根幹である。だが、「何を、どこまで、いつ」公開するかの設計を誤れば、それは国家の脆弱性にもなる。

防衛省の概算要求資料を読みながら、私は静かな違和感を覚えた。

 

――ここまで開示して大丈夫だろうか

 

透明性は重要だ。しかしそれが「実質的な安全保障情報のカタログ」になっていないか。今日は、この矛盾を落ち着いて見つめたい。

 

🖊️公開と非公開、その線引き

 

多くの国は、要求段階の防衛資料を概要レベルで公表し、詳細は機密文書(classified annex)として扱う。

対して日本は、誰でもアクセスできる形で、投資分野や技術領域、装備体系の方向感まで丁寧に説明している。民主主義として誇るべき側面がある一方で、「敵に“研究用の索引”を配ってはいないか」という根源的な問いが残る。

 

透明性は、「国民にこそ」向けられるべきであって、安全保障上の要所まで世界に同時配信することと同義ではない。

 

🧑‍⚕️医師の目から見えること(医療の比喩)

 

医療は個人の命を守るために、厳格な情報の秘匿と開示を使い分ける。

  • 患者の個人情報は守る(非公開)

  • 説明責任や同意は尽くす(公開)

    国家安全保障も本質は同じだ。守るべき情報は守り、説明すべきことは説明する。

    「国民にはぼかし、他国には丸見え」では、本末転倒である。

㊙️反・情報公開ではない(誤解への先回り)

 

私は情報公開に反対しているのではない。求めているのは設計の再調整だ。

  • 国民に対する説明責任:賛成

  • 作戦・装備・研究の詳細な指向性までの即時一括公開:再考

民主主義と安全保障は対立概念ではない。賢い公開設計があれば両立できる。

 

🗣️提案:三層の公開アーキテクチャ

  1. 国民向け「公開版」

    政策目的、総額、主要カテゴリ、想定効果、評価指標(KPI)を読みやすく。

    ※学校教育・メディア向けに再編集した「市民版」要約を併設。

  2. 国会・有資格者向け「限定公開版」

    議員・職員にセキュリティ・クリアランス(身辺審査+守秘教育)を導入。閉鎖室で閲覧・記録管理。

  3. 機微情報「機密版」

    作戦・配置・通信・新規技術の具体:厳格なアクセス制御。

    遅延公開(数年後の白書化)で民主的アーカイブを担保。

あわせて、

  • 第三者監査(情報公開の線引きが妥当かを定点チェック)

  • 国会内の安全保障・科学技術リテラシー研修の恒常化

  • 情報公開ポリシーの年次レビュー(公開→限定公開→機密の見直し)

    を制度化したい。

👤メディアと市民へのお願い

 

諜報部員はもう知っている。知らされていないのは、しばしば私たち国民の側だ。

「国防だから全部隠せ」でもない。「全部出せ」でもない。

私たち自身が、賢い公開を求める声になろう。質の高い市民的監視は、質の高い秘密とセットで機能する。

 

🍙結び

 

医療も、国家も、守る対象はいのちである。

私は、“国民にこそ正確に伝え、敵には伝えない”という当たり前の原則を取り戻したい。

透明性は手段であって、目的ではない。

目的は、国民の安全と尊厳を護ること。

そのための賢い情報公開へ――静かだが確かな一歩を。

 

免責・注記

  • 本稿は公開資料の一般的慣行に基づく個人的な覚え書きであり、所属政党・会派の公式見解を代表しない。

  • 具体の数値や固有名詞は、各省庁の令和8年度概算要求・白書等の公開情報の範囲で言及している。

  • 目的は“批判”ではなく、構造の健全化の提案である。

 

 

🌾 重陽の節句に寄せて──“菊花の契り”ふたたび

 

秋の光がやわらぎ、空気にほのかな冷たさが混じる頃。

今年もまた、この日がやってきました。

旧暦九月九日、重陽の節句。

 

私はこの日を迎えるたびに、ふと静かな感情に包まれます。

生命の終わりと熟成、そして“永遠の契り”というものを思い出すのです。

 

以前、「菊花の契り」をテーマにした記事を書きました。

菊の花に込められた想い、そして人と人とを結ぶ“魂の約束”。

季節の深まりの中で、あの文章をもう一度読んでみたくなりました。

 

今日はそのブログをリブログします。

ちょうど明日は旧暦の重陽──まさにぴったりのタイミングです。

 

秋が深まるこの時期、皆さんも少しセンチメンタルな気分で、

古の人々が“命の尊さ”と“友への想い”を託したこの節句を、

静かに心に灯してみませんか。

 

 

 

🧬 改良型コロナワクチンの「絶対リスク」を読む──NEJM退役軍人研究から見える実効効果

 

発表誌:New England Journal of Medicine(NEJM, 2025年10月)

対象:米国退役軍人 約30万人(16.4万人 vs 13万人)

研究デザイン:改良型mRNAワクチン(Moderna/Pfizer)追加接種の有効性を、インフルエンザワクチン単独接種群と比較

 

1️⃣ 報道の概要:相対リスク低下率

 

ロイター報道(2025年10月8日)によると、改良型ワクチン(2023–24シーズンブースター)を接種した退役軍人では、未接種群に比べて以下の効果が示されました。

  • 救急外来受診:29%減少

  • 入院:39%減少

  • 死亡:64%減少

いずれも統計的に有意であり、オミクロン株以降の“重症化防止効果”を再確認する結果です。

ただし、これらはすべて相対リスク低下(Relative Risk Reduction, RRR)の値。一般に報道では強調されやすい指標ですが、実際の“効果の大きさ(どれだけの人に実益があるか)”を理解するには、絶対リスク低下(Absolute Risk Reduction, ARR)を見る必要があります。

 

2️⃣ NEJM論文から読み解く「絶対リスク」

 

NEJM原著データに基づき、10,000人あたりの発生率に換算すると次のとおりです。

指標

相対リスク減少

絶対リスク低下(ARR, /10,000)

ARR(%)

NNT(Number Needed to Treat)

救急外来(ED)

−29%

18.3件 減

0.183%

約 546人

入院

−39%

7.5件 減

0.075%

約 1,333人

死亡

−64%

2.2件 減

0.022%

約 4,545人

 

すなわち、1件の死亡を防ぐために約4,500人の追加接種が必要という規模感になります。重症化率が全体として低下している現況では、相対効果は明瞭でも、絶対効果は小さく見えるのが現実です。

 

著者の所感(臨床家としての個人的判断)

 

現在検証中のmRNAワクチン副作用/ワクチン後遺症をめぐる論点を鑑みると、この程度の絶対リスク差で「受けよう」と思う人がどれだけいるものか──私は正直に言って、自分自身なら今後は受けません

(※これは個人の価値判断であり、接種可否を一律に推奨・不推奨するものではありません。)

 

3️⃣ 解釈:リスク母集団による“有効性の段差”

 

退役軍人は平均年齢が高く、慢性疾患や既往を有する割合が高い集団です。ベースリスクが高い層ではARRは相対的に大きくなる傾向があります。

逆に、健康な若年層では発生率自体が低いので、追加接種による実益(ARR)はさらに小さくなりがち

この結果は、対象を適切に限定すれば効果はあるが、「全員一律接種」の合理性は薄いというメッセージでもあります。

 

4️⃣ 臨床的含意と政策的視点

  • 重症化防止という目的は概ね達成段階。

    既感染+既接種によるハイブリッド免疫の広がりで基礎リスクは低下。相対効果は維持されても、絶対効果は逓減しています。

  • “ターゲット接種”への転換が筋。

    高齢者、心血管・代謝疾患、免疫抑制などハイリスク層資源と周知を集中させるのが科学的・経済的に合理的。

  • 効果指標の開示をアップデート。

    行政・メディアはRRR(%減)だけでなく、ARRとNNTを併記し、実効リスクを市民と医療者が判断できる環境を整えるべき。

  • 安全性評価は継続課題。

    稀な有害事象のシグナル検証、層別リスク(性別・年齢・基礎疾患)の可視化、効果減衰(waning)の時系列評価を、統一EHRやレジストリで加速させる必要があります。

5️⃣ NEJM編集長エリック・ルービン医師のコメント

 

“Severe outcomes from COVID-19 are dramatically lower now;

additional benefits from vaccination are smaller but still meaningful for older adults.”

 

「重症化率はすでに劇的に低下。ワクチンの追加効果は以前ほど大きくないが、中高年層では臨床的意義が残る」──バランスの取れた結論だと考えます。

だからこそ、個人の価値観(安全性への許容度・目指すリスク水準)にもとづく意思決定が尊重されるべきです。

 

6️⃣ まとめ

  • 改良型mRNAブースターは統計学的に相対的有効性を保つ一方、絶対効果は小さい

  • ハイリスク層に重点化ARR・NNTの併記安全性の継続検証──この三点が政策と現場の鍵。

  • 著者の選択:小さなARRと現在の現在のmRNA安全性検証状況を踏まえ、私は今後も“受けない”

:本稿は一般的情報であり、医療行為の勧奨ではありません。接種可否は個々のリスク・既往・曝露状況を踏まえ、信頼できる医療者と相談のうえ決定してください。

 

 

🌸「未来は現場にしか咲かない」──5月に大阪万博を歩いて感じたこと

 

今年の五月。日本美容内科学会の先生方と医療系企業の仲間を引き連れ、大阪万博の会場に向かった。

当時のブログ→シリーズ(1)(2)(3)

世論はまだ「万博、要る?」のムード。けれど私はこう思ったのだ。

 

「批判するなら、まず足で稼いでから。」

「ベイズ統計学的に言えば、会期が後半になればなるほど混む。行くなら早いほどいい。」

 

会場では、AI医療、再生エネルギー、文化芸術、ウェルネス…未来が縦横無尽に交差していた。

同時に、各国の“器量と設計思想の差”も、これでもかと可視化されていた(ここは笑うしかない🤣)。

 

 

「見もしないで否定するのは、あまりにも惜しい」

現場に立った瞬間、そう腑に落ちた。

 

そして半年後──

世の中は「万博サイコー!」の大合唱。手のひらが今日も元気よく返る。

でも私は驚かない。あのときの熱気も、雑味も、可能性も、すでに体感していたからだ。

 

結局、“本物”は現場にしか咲かない。

花は机上では咲かない。

 

“熱しやすく冷めやすい国”であっても、構想は腰で据える。

風向きを見てから動くのではなく、風の前に立つ

それが、あの日の万博で私が手に入れた、小さな確信である。

 

 

⚖️ 動かない日本──第3章 人権の名を借りた“聖域予算”

触れられない構造と、真の尊厳とは何か

 

🏥「332億円」という静かな数字

 

令和8年度概算要求。

厚生労働省の項目に、こう記されています。

 

国立ハンセン病療養所の療養環境整備:332億円

 

現在、全国13の国立ハンセン病療養所に入所している方は639人。単純計算すれば、1人あたり年間約5200万円の予算規模になります。

 

この数字を見て、「多すぎる」と感じる人も、「当然だ」と思う人もいるでしょう。

でも本質は、金額の多寡ではありません。問題は、なぜ“減らせない”のか。そして、何が“人権”として聖域化されているのかです。

 

🌑 「贖罪」と「制度」が溶け合う場所

 

ハンセン病――かつて「らい病」と呼ばれ、隔離と差別の歴史を背負った病。

国家が犯した過ちに対して、日本は謝罪し、補償し、名誉回復を進めてきました。

 

それは当然のこと。

しかし、その“贖罪”が制度化された瞬間、補償は“使命”から“予算”へと変わったのです。

国は毎年、同じような文言で予算を組み、「人権尊重のため」という名目のもとに見直しがタブー化していきました。

 

結果として、「予算を守るために存在する制度」が、“人の尊厳を守る制度”よりも強くなってしまった。

 

💰 「構造」と「敬意」を混同してはいけない

 

332億円という予算は、決して入所者に直接届くお金ではありません。施設の維持、職員の給与、建物の修繕、委託業務、そして事務経費。つまり、大半は“中間層”に落ちていく。

この構造を指摘すると、すぐに「人権問題に触れるな」という声が上がります。でも私は、あえて言いたい。

 

敬意と構造改革は、同じテーブルで語れる。

むしろ、敬意があるからこそ、構造を見直さねばならないのです。

 

🌕 「終わりをデザインする」勇気

 

いま、ハンセン病患者*の平均年齢は85歳を超えています。多くの方が穏やかな老後を過ごし、すでに医療よりも生活支援の比重が高い。ならば、「療養所」という形に固執することが本当に本人の幸せなのか?という問いを持つべき時期に来ています。

 

介護型施設への統合や、地域共生型の居住支援など、選択肢を広げる「次の段階」を設計すべきです。

“制度を守ること”と“人を守ること”を取り違えてはならない。

 

🕊️「聖域」を、優しさのままに開く

 

「触れないこと」は、優しさではありません。むしろ、見直さないことこそが、無関心の始まりです。

人権とは、“永遠に続く予算”ではなく、“終わりを共に考える勇気”によって守られるもの。

それが、静かに衰えていく療養所を前にした私たちの使命だと思うのです。

つまり、隔離から共生へ

「閉じ込める医療」ではなく「つなぐ福祉」へ移行する時期です。

 

🩺 提案:「人権支出レビュー制度」

 

人権関連予算を「削る」のではなく、「透明化」する仕組みを提案します。

 

1️⃣ 年度ごとに対象人数・単価・成果指標を開示

 「目的に対してどれだけ効果があったか」を見える化する。

 

2️⃣ “敬意の継承基金”を設立

 将来の若い世代がこの歴史を学び、継承するための教育基金に転換。

 

3️⃣ 本人意思の尊重に基づく終末設計

 希望者には地域移行支援、静養支援、あるいは記念施設への転居などを整備。

 

つまり、「守るために変える」。

それが本当の敬意です。

 

🍙 結びに

 

「静かな病」は、皮膚の下ではなく、制度の中に潜んでいる。

それは、良心と惰性の間にある“曖昧なぬくもり”のようなもの。

でも、もう一度思い出したい。

人を守るための制度は、変わってこそ、生き続ける。

補助金ではなく、まごころを。形式ではなく、真の敬意を。

それが、次の日本を動かす第一歩だと、私は信じています。

 

🐤 ひとこと

 

「人権とは、触れないことではなく、語り続けること。」

 

※本稿の数値は、厚生労働省の令和8年度概算要求および公開資料に基づきます。

※本稿は個人の見解・忘備録であり、党の公式見解ではありません。

 

*【脚注:ハンセン病(癩病)とは】

 

ハンセン病(Leprosy)は、らい菌(Mycobacterium leprae)による慢性の感染症である。結核菌の近縁種で、皮膚や末梢神経にゆっくり感染する。感染力は極めて弱く、長期間密接な接触がなければ感染はほとんど起こらない。現在の治療(多剤併用療法=MDT)を受ければ、発症者も感染性を失う。

 

日本では明治期に「癩(らい)」と呼ばれ、恐怖と差別の象徴となった。戦前の「らい予防法」により、患者は長く隔離され、結婚や出産も制限された。根拠なき隔離政策は1996年にようやく廃止され、2001年には国家の違法が認められた。

 

今日、日本での新規患者は年間10人前後にすぎず、感染症としての脅威はほぼ消えている。ハンセン病が今なお私たちに問うのは、病そのものではなく、恐怖と無知がつくる“心の隔離”である。真の治療とは、偏見を解くことに他ならない。