バスはパトンからゆっくりと遠ざかってゆく。
僕はそれを何故か名残惜しい気持ちで眺めていた。
どうであれ僕のスタート地点だった町。
それなりに思い出もある。
でも僕の自分探しの旅はこれから。
これから起こるであろうさまざまな出来事にちょっぴりワクワクしながら僕は次の目的地マレーシアを目指して旅立ったんだ。
タウンに着く途中、急に空模様がどんよりと濁りはじめる。
ポツ・・。ポツ・・。
しばらくすると雨が降り始めた。
僕がタウンに到着した頃には本降りとなっていた。
僕は今まで経験した事のない降水量に驚きながらとりあえず屋根のある建物に避難した。
最悪のロケーション。
傘やレインコートみたいに気の利いたモノは持っていない。
僕はとりあえずバックパック専用のレインカバーを」装着して歩き始めた。
雨くれーでいちいち気にしてられるか。
とは言ってみたものの、降り方がマジで半端ねぇ。
一瞬でずぶ濡れになっちまった。
でもこれも想定内。
コッチでの移動はほっとんどノーパンで海パンを履いていた。
僕は途中、屋根のある場所を見つけては地図を広げゲスト・ハウスを探す。
でも自分の居場所すらわからねぇ(笑)
FUCK
やっぱり迷子になっちまった。
結局発着ポイントまで引き返すハメになっちまった。
他のタクシー業者は無視してこの前の親切なおっちゃんを捜す。
しばらくキョロキョロ辺りを見渡し、ようやく発見。
お互い目が合ってニヤッと笑った。
僕はとにかく安い宿を探している事を伝えた。
案内された宿はまるで刑務所のような雰囲気だった。
でも値段は格安でシングルルーム一泊140B(500円程度)、水シャワー、そしてレストランが併設されている。
即OKに決まってるやんけ。おっちゃんサンキューな。
僕はタイとマレーシアのボーダーラインのハジャイに神経質になっていた事もあり一週間滞在する事にしてお金を先払いした。
部屋に入った僕はまず上着を脱ぎ捨てた。
部屋は無駄に広く殺風景な作りだった。
外の廊下のトタンの屋根は雨が激しく叩いていた。
でもまず最初のミッションの宿の確保はクリアー。
ホッと胸をなで下ろす。
なにしろ僕は右も左もわからない旅人。こんな些細な事でもなんだか達成感を感じる事が出来た。
天気はあいにくの大雨。
外出不可能。
朝帰りで一睡もしていない僕は睡魔に襲われベッドに倒れ込んだ。
つづく





