昨夜は朝方に宿に帰ったのに起きたのは昼前だった。


う~、、頭イテ・・・


シュボッ。


薄暗い部屋の中、タバコに火をつける。


僕はハジャイの事を考えていた。


去年、外国人の宿泊しているホテルが爆破された事件。。


僕みたいな島国に生まれ育った奴とは訳が違う。


今いるタイは隣がよその国。


もし隣の国で内戦や戦争が起これば当然隣国にもその戦火は及ぶ。


海外の情勢はめまぐるしく変化していく。


一瞬たりとも油断できねぇ。


しばらく部屋の中でぼんやりそんな事を考えていた。


昼過ぎにようやく外に出た。


僕は遅めのランチを済ました後、ビーチに向かった。


ふと自分の体を見ると、まだ一週間も経ってないのに肌が黒く焼けてきた。


それくらいプーケットの日差しは強かった。


すると、ぼんやり海を眺める僕に誰かが話しかけてきた。


それは聞きなれた声だった。


なんや、ポン、どないしてん?


ポンは無言で僕の隣に座り込んだ。


僕はタバコを一本差し出した。


なんか思いつめた顔をしてやがる。


なんかあったんか!?


ポンは彼女のクミがいつか日本に帰るんじゃないか心配になってきたと話し始めた。


俺達はしょせん海外にも行けない貧乏人だしな。。


お前のような金持ちが観光しに来てくれるおかげで俺達も暮らしていけるんだ。



ふざけんな!!俺は金持ちなんかじゃねぇし観光のつもりで来てんじゃねぇ!!


俺はそう言いたかったけど、陽気だったはずのポンがひどく落ち込んでいる姿を見ると何も言い返せなくなっちまった。。


確かにそうだよな。


お前らからすりゃこうして日本を離れてココにいる時点で金持ちなのかも知れねぇな。


ここらも昔は自然も豊かでさまざまな動物が暮らす静かな所だったらしい。でも白人が押し寄せるようになったおかげで今では土地を開拓してリゾート地に発展したらしい。


・・・・・・。。


僕は何もしゃべれなかった。


僕は光と影を垣間見た。


まともな仕事がないタイの若者はドラッグを観光客に売ったり売春したりしないと生きていけねぇんだ。


中には観光客に子供を産まされてそのまま捨てられて仕方なく自分の身体を売る女の子もいるという。


くやしいけどそれが現実なんだ。


気がつくともう夕暮れ時にさしかかっていた。


しばらく二人で海を眺めていた。


二人とも無言。


しばらくするとポンの仲間が数人集まってきた。


おい仕事に行こうぜ。


するとポンは立ち上がって仲間と何やら話していた。


そして僕に言った。


白人のヒッピー連中がマリファナを欲しがってるらしい。


金稼ぎだ!!じゃあな。色々ありがとうな。GOOD LUCK!!


そう言い残してポンは行ってしまった。



・・・・・・・。。馬鹿野郎!!


僕は砂浜を握りしめ思いっきり海に放り投げた。


悔しかった。


俺はなんて無力なんや。


つづく