昨夜は我が酒屋の店内で今季2度目となるお酒イベントをやりました。
写真は一枚もないから、臨場感を出す為に僕主観で書いていきたいと思います。
口が酸っぱくなるくらい言い続けている事なんですが、やっぱ僕的に酒は純米酒。
それ以上も以下もない。
何を隠そう、僕が一番毛嫌いしていたアルコール飲料といえば日本酒だった。
そんな僕が誰の援護射撃もなく親の残してくれたちっぽけな酒屋の2代目として跡目を継ぐ事になった。
状況は最悪。
業務店への配達はおろか、一般消費者のお宅への配達も皆無。
来店数もごくわずか・・・・。
普通に生活出来ない状況。
実は今もそれはたいして変わらない。
でも僕の中で変化が。
今ではあんなに大嫌いだった日本酒が大好きになっているって事。
少しづつ僕の話に耳を傾けてくれるお客様が増えている事。
で、日本酒の話。
僕個人の意見やし他の人から文句言われようがかまわねぇ。
基本的に醸造アルコールが嫌いだ。
酒質をグンと飛躍的に向上させる為に添加される醸造アルコール。
驚くほど上手に使いこなす蔵元が実在するのも事実。
しかし、もろ刃の刃。
誤った使い方をする蔵元が多いせいで、日本酒のイメージは失墜した。
コスト削減や時間短縮に使うアホ共が多い事。
これが原因。
その結果、記憶が飛ぶ。
2日酔いと言えば日本酒。
テキーラの様に勢いで飲むのが日本酒。
馬鹿言ってんじゃねぇ(笑)
騙されたと思って丹精込めて作り込まれた純米酒を一度飲んで欲しい。
そして勘違いして欲しくないのは僕は別にアル添がダメとは言ってないです。
純米酒ってのは2日酔いになる事なんて皆無に等しい。(それは実証済み、又アル添の酒でも大丈夫な銘柄もありました)
だから僕は混ざりッ気のない純米酒しか愛せないね。
ちっ!!駆け出しのクソ餓鬼が何を勝手にほざいてやがる!!と思って頂いても結構。
僕にとって純米酒との出会いが日本酒を好きになった唯一のキッカケだったから。
揺るぎようのない事実。
つまりこれは僕の絶対的な信念だから折れる事は無い。
そして来年で3年目。
おそらくまだ僕の大事に育てている種から芽が出ることはなさそう。
受け入れられにくい路線を選んだから。
でも確実に土は肥沃になり、太陽も当たりはじめてきた兆しがする。
僕の酒屋は両親の代で一度ぶっ潰れてしまったも同然。
安売りという世の中の流れに完全に飲み込まれちまったんだ。
ちくしょう、ざけやがって。
だから僕が新たに信頼と歴史を積み上げ直していかなくちゃ。
世間的に見ても知名度も信頼もまだない。
だからこそいつか成功してやろうと、売れない芸術家のようにほんの一握りの夢をつかむような人生に挑む馬鹿な僕がいる。
僕は植木屋の仕事をしながら1チャンスを狙っている。
まるで大きな獲物を一撃で仕留める為にジッと息をひそめるハンター。
そんな気持ちで今までやってきた。
悔いはない。
ありったけの僕が毎日居るから。
今年に入ってからますます人生が大きな波のうねりに突入する感じだった。
あぁ、少しづつ良い方向に変わってきている僕の人生。
もっと日本の伝統技術の結晶であるホンマもんの純米酒を広めたい。
そんな気持ちでいたもんですから、昨夜の純米酒イベントは自分にとっての大きな試練でした。
相手は一般のリアル消費者様。
友達もいたけど、言う事はキッチリ言う人間ばかり。
僕はこの日のプレゼンテーションを一ヶ月間考えました。
と言っても僕は素人に毛が生えた程度の知識。
でも酒販店生命を賭けていたと言っても過言じゃないくらい僕の出せる力は120%出し切ろうと思っていた。
そして当日・・・・・・・。
時間はPM21時。
参加してくれた人達はなんと8名。
今回は最近日本酒に関心の湧いてきたばかりのお客さんに、的を絞り参加していただきました。
僕のプレゼンが失敗すれば折角関心を持ち始めてくれた人たちを再び日本酒離れにしてしまう危険性あり。
まず僕が一番最初に選んだお酒は純米大吟醸「阿部亀治 火入れ原酒」(山形県 鯉川酒造)
精米歩合は40%。
お酒の温度は花冷え。
店内のボルテージが一気にブチあがる!!
よし、掴みはOK!!
最初に極上の酒をチョイスしたのは賭けに近かった。
シラフの状態で是非味わって欲しかった半面、一発目の大吟醸をチャラにするくらいのプレゼンがこの後必要になってくる。
これから出していく酒選びはしくじれない。。
そして「阿部亀治」の優雅に香る吟醸香はまるでマスクメロンの様に甘く、上品でとろける程贅沢な香り。
含み香も高貴且つ繊細、それでいて力強い何とも形容しようのない複雑な味わいが心地よくゆっくりと抜けて行く。
やはり亀の尾は凄い米だ!!
あてには生ハムを。
この組み合わせも大絶賛。
生ハムと日本酒ぅ!?
そんな驚きがあったことは言うまでもない。
そして次に出したお酒は岩手県の銘酒、「浜千鳥」のあらばしりとにごり酒。
あらばしりはその名の通り、一番最初に産声を上げるが如く滴る鮮烈な部分。
やはり若い!!
しかし目の覚めるような繊細な含み香で腰の強い味わいだ。
にごり酒も濃厚で骨格がしっかりした味わいでおもしろい。
皆さん、それぞれの意見があったとは思いますが大満足のご様子。
ふふふ・・・。
さぁ。次は鯉川の純米吟醸「出羽の里」のぬる燗で勝負!!
このタイミングで燗酒投入。
気持ち良くホロ酔い気分になってもらおうか(笑)
今の所、完全に僕のペース。
あてはカマンベールチーズとクリーミーチーズを。
まとわりつくほど濃厚な乳製品の脂肪分とほのかな塩分、クリーミーな味わいの後、ルルルとぬる燗を口に含んだら最後。
店内が至福のため息でいっぱいになる。
どうだ!コレが純米酒の威力だ!
ヘタなアル添の酒の燗酒は野蛮な味がくっきり浮いてきやがるが純米は何処まで行っても混じりッ気のない偽れない味わいだろうが!!
出羽の里のチョイスも計算通り。
日本酒度は+4.5。
酸度が低く、アミノ酸も良い数値、そこまでガツンと来ることは無く燗酒に適していると踏んだ俺の方が一枚上手だったという事だ。
涼しくふんわりとした吟醸香とサバケの良い極上の酒を堪能してくれたまえ。
そして次に出されたお酒は百歳「漆黒」(茨城県 吉久保酒造)
杜氏は東北泉にいた名士、佐々木勝雄氏。
言わずと知れた南部杜氏の一人だ。
このお酒との出会いは今年の3月に東京目黒で開かれた蔵元交流会で。
一口飲んだだけで虜になっちまった恐ろしい美酒。
常陸錦を用いて55%まで突いている。
現在、蔵元直送で買えるのは関西では僕んとこだけだと若き吉久保の専務からはお聞きしている。
温度は花冷えで。
そしてあては「ういか」の煮物とシシャモの味醂干し。
これまた店内が一気に熱気を帯びてくる。
お客さんのほっこりした笑顔を見た時、たまらなく幸せな気分になるし店を継いで本当に良かったって思える。
酒屋冥利に尽きるとは正にこの事を言うのだろう。
この酒も外さなかった。
さて僕の運転する列車は今の所一寸の狂いもなく順調に走り続けているが本当の勝負は最後に出すアレだ。
はたしてビギナーの皆さんを驚かせる事が出来るのか??
日本酒の可能性を見いだせる事ができるのだろうか!?
お客さんのタイミングを見計らい最後の大勝負に出る!!
最後のおおとりは10年古酒。「夏の思い出」(京都府 伊根町の向井酒造)
まるでウィスキーの原酒の様に色づいた琥珀色の純米酒。
京都で唯一、「全量純米蔵を目指す会」に所属する蔵元の自信作。
日本でいち早く全量純米蔵に切り替える英断を下した埼玉県の神亀酒造の小川原専務も認める古酒である。
まるでシェリー酒を彷彿とさせる可能性を秘めた純米酒。
それをぬる燗で一気に畳みかける!!
あては・・・・何とチョコレート!!
正に日本酒のスーパーイリュージョン。
店内がやたらとざわめきだす!!
お互いを打ち消し合う関係が素材本来の味わいを誘導してくれると教えてくれた恩師、鯉川酒造の佐藤一良社長の言葉・・・・・。
答えはおのずと返ってくる。
しかも嬉しい答えで。
メッチャ旨い!!
つうか古酒だけじゃきついかも知れんけど、チョコレートと合わせたら抜群やん!!
そうやねん、そんでえぇねん。
酒が主になる事は絶対許されへん。
必ず素材があっての従やねん。
・・・・・・・・・・・。
か・・・勝った・・・。
僕の緻密なプレゼンテーションは大成功だった!!
たった2年間の経験の中で僕は精一杯頑張ったと思う。
今年を締めくくる試験に合格したような気分。
少し早いけど皆さん来年も今以上に頑張りますんで応援宜しくお願いいたします。
コツカ酒販店 店主 小塚亮平
see ya.....





















