中高生ともなると、電車通学をすることが増える。
娘と同時に更衣室に入って加害教諭から
盗撮被害を受けた
2才差の姉妹を持つ母親が
事件発覚当初は警察に訴える!と言っていたが、その後、
この話は忘れませんか。と私に電話してきた。
その際に
とんでもない自慢話を始めた。
(被害者生徒は複数人いた)
その母親の娘、
高1と中3の我が子2人は
「美人でかわいい」から、しょっちゅう、電車内で
痴漢の被害にあう。
と言う。
「美人でかわいい」から痴漢の被害は
避けては通れず、宿命。
とまで私に、言ってのけた。
電車という密室で、
痴漢という犯罪をこの母親は当たり前に認めていた。
「中学受験するときに、女の子だから痴漢にはあうのは予想はしてますよね」
と、私に言った。
男子、女子、関係なく性被害は子を持つと頭の中には必ずある。
実際、小学校を卒業してすぐに一人で電車通学の一番不安な要因に、痴漢、不審者はあった。
小学校1年生から私立小で電車に乗っている子を見ると、
独身時代は「小さい子が路線も間違えずにえらいなぁ」くらいにしか思わなかったが、
いざ、我が子が中1から電車通学がはじまると考え方が大きく変わる。
私は事件発覚後、学校との話し合いや、娘が事件に起因して体調不良を起こし一人で帰れる状態にないことが頻発し、
頻度に学校に出入りしていた。
その際、あの「痴漢に合うのは当たり前」という母親の娘に会って、話を聞いた。
「お母さんから聞いたけど、Aちゃんは何度も痴漢にあっているの?話したくなかったらごめんね」
「あ、はい。私も姉もしょっちゅうあってます。すごいイヤですけど、慣れたというか。
最初は気持ち悪いし、母に言っていたんですけど。
母から“そんなの気にしていたら学校に行けないでしょ”って言われて。
まぁ、そうだよな。みたいな?」
「“気持ち悪い、イヤだ”という感情に慣れたってことなのかな。」
「慣れたというか。あー、まただ。みたいな。
オッサンに身体を押しつけられたり、スカートの中に手を入れられて、最初はもう電車通学が出来ない!って母に車で送ってと頼んだんですけど、
毎日は無理っていわれて。
私、推薦で大学に入りたいんで、休めないんですよ。学校。
だから、慣れるしかないっていうか。
女の人の近くに立ったりなるべくしてますけど。」
「でも、Aちゃんは盗撮にあったとき、加害教諭を警察に訴えるって言ってたけど、あれは痴漢と違うからなのかな」
「あー、アイツ(加害教諭)普段からキモい視線で見てくるし、
ママが最初、警察に訴えるっていうからラッキー!やったれ!みたいな。
慰謝料請求するってパパも言っていて、それいいじゃん!って。」
「でも、訴えるのをやめたのは」
「パパが単身赴任でいないし、うちってママと子どもだけ。みたいな家で。
母方のおばあちゃんが近所に住んでてママがいないと来てくれますけど。
ママが、パパが家にいないのに逆恨みとかされたくないし。とか言ってて。
中高一貫校で、私、頭よくないから推薦枠はどうしても取りたいって言うか、取らなきゃ行くところないだろうって、親もおばあちゃんも言うから
これ以上、あの件には触れずに忘れろって言われて、確かに。みたいな。」
「親から忘れろと言われて、忘れられるものなのかな。痴漢なんて恐怖でしかないのに、“しょっちゅう”なんでしょう?」
「んー。推薦枠の方が大事じゃないですか。
長女ちゃんがいちいち体調崩したり、盗撮の話をしてくるのがウザイっていうか。
盗撮で、動画を他に流されたなら回収してくれよ。って思ったけど。出回って、あの私立の○○だー!なんて言われたら生きていけないし。
でも、あのキモい教師、他に流してないみたいだし。
長女ちゃんが盗撮でそんなショック受けるの演技じゃない?みたいな。
もう、騒ぎ立てないで欲しいって母も私も思っていて。」
「だから、うちの娘に“うざいから話しかけるな”と言ったんですか」
「あー、ママに伝わってる系なんですね。」
この時、被害者生徒のなかで日が経つと興奮が一度落ち着き、進路のために伏せろ。という親が出始めていたのは事実だった。
Aちゃんの母親は私に、情報が錯綜していたときに「盗撮で慰謝料請求したらいくらもらえるんですかね」と実際、口にしていた。
高額もらえるなら訴える。という。
論点って「カネ欲しさ」なのか。と衝撃を受けた。
娘が外部受験を決めたのはこのAちゃん(娘より先輩)が理由の1つだった。
娘に対して事件で体調不良になることをわざとらしく演技してウザイと言い出す反面、
弁護士をこちらが付けたことに激しく嫉妬した。自分が蓋をしている感情を当たり前に出す娘に怒りを覚えたらしい。
感情が同じ被害者意識から敵対視に変わる。
そして、この生徒からの強烈ないじめがはじまった。