以前にもこのブログで書いたけど、
「スポーツカー」とは何も「速くて運動性能がいい」クルマの
ことを言っているんじゃない。
「スポーツ」の語源は、「暇つぶし」であることを忘れてはならない。
貴族は平時(戦争がない時)、暇で暇で仕方がないわけで、
そんな時考案したのがゴルフだったり、テニスだったり、狩猟だったり
乗馬だったり、ポロだったりしたわけだ。
円盤投げや槍投げ、走り幅跳び・・・に生活に役立つものがあるか?
ないよね。暇つぶしなんだから。オリンピック。肉体の祭典とも言われるけど、
暮らしに役に立つスポーツなんてないはずだ。
英国の新聞なら、スポーツ欄にチェス競技が載っている。実に正しい。
先回のアジア・オリンピックで「碁」が競技種目にあったことを
日本のテレビアナウンサーは「変だ、おかしい、気が狂っている」とのたまわっていた。
テレビ局のアナウンサーなんてそんな程度のもんなんだ。
で、スポーツカーに話を戻すと、写真にある「スピットフィアー」も「ジャガーEタイプ」も
「ボルボP1800」も決して速いクルマではない。というかぜんぜん遅いし、運動性能も
当時のポルシェやフェラーリあたりと比べても格段に悪い。
なのにこれらは「スポーツカー」なのだ。
図体が大きいくせに、実用性がまったくなく、荷物も積めない、
人も助手席にしか乗せられない、室内も狭い。だからこそ、「スポーツカー」なのである。
そう、「暇つぶし」に乗るクルマ、そんな暮らしに余裕を持つ人が
伊達や酔狂で乗るクルマこそが「スポーツカー」なのだ。
だからいくら速くて運動性のがいいクルマでも、燃費が良くて、
トランクルームも十分にあるような車を「スポーツカー」とは呼ばないのだ。
ある意味、お馬鹿なクルマこそ、「スポーツカー」なのである。