大丈夫だからね♪ | どしゅこいの大嘘吐き日記




その日のワタクシは Gパンだったのだけれど、
ドライブの途中で 何かを思いついた様子の彼が
「 ねぇねぇ ちょっと寄り道してもイイ? 」っと言うので
ワタクシは 頷いた。

で どこに行くのかと思いきや
到着したのは 何と!後楽園のロ-ラ-スケ-ト場。

一度もロ-ラ-スケ-トなんてやった事が無かったワタクシは
内心「 困ったなぁ 」っと思って ちょっと暗い気持ちになってしまった。

彼は さっさと入場料金を払って 
スタスタと場内に入っていき 
二人分の貸し靴を借りて
ワタクシにも ロ-ラ-スケ-トを穿け!と言う。

子供の頃に 何度かアイススケ-トをやった事はあったけれど
ロ-ラ-スケ-トは生まれて初めてだったしぃ
やっぱり 勝手が違うもので とても困惑した。

彼に手を引かれて 
ミラ-ボ-ルでギラギラしていて 
わんわんディスコサウンドが溢れるリンクに入ったけれど
やっぱりワタクシの足元は おぼつかず、
立っているのも やっとだった。

「小学生の頃は ガキ大将で 毎日ロ-ラ-スケ-トをやってたんだよ。
 うふふ♪大丈夫だからね♪怪我なんかさせないからね♪」
彼はワタクシの両手を掴んで 達者に【 後ろ8の字滑り 】をしながら 
そんな子供の頃の話をしてくれた。


それから、やっとリンクを一周しただけなのにぃ
「君もちょっと慣れたみたいだから スピ-ド出そうね♪」 と言って、
茶目っ気たっぷりの彼は ワタクシと並んで滑る体勢を取って
いきなりぐんぐんスピ-ドを アップし始めた。

そんな事ぉぉぉぉ~言われてもぉぉぉぉ~;; 
やっぱりぃ 全然ロ-ラ-スケ-トには慣れていなかったしぃ、
彼に手を離されたら 転倒は必至で 
頭蓋骨骨折にもなりかねない。 ;;

勿論 ワタクシ達二人だけではなくて 
沢山の人々がぐるぐる滑っているので
転ぶだけではなくて 誰かとぶつかりそうで 猛烈に恐ろしい。 ;;

「えぇぇぇ!ちょっと待ってよぉぉ~ 駄目よぉ~」っと、
半泣き状態でワタクシが叫んでも、彼はどんどん加速していく。

不安な気持ちが最高潮に達して 
心臓は爆発しそうになって、
爆音のディスコサウンドも聴こえなくなって、
他の人達の事も もうどうでも良くなった瞬間 !

世界から 隔絶された世界に いきなりワ-プした様な感覚になった。

自分が走馬灯なのか?世界が走馬灯なのか?
車でもなく バイクでもなく 自転車でもない 不思議なスピ-ド感!。
でも この超リアルな感覚が 不安の全てを麻痺させてしまって
怖い気持ちも きれいに掻き消えて
イキナリ!突き抜けるような嬉しい気分になって 楽しくなった!。

そうやって20分位 彼とワタクシは リンクで滑っていたんだと思う。
結局 アクシデントは何ひとつも無く その場をあとにしたのだけれど。




・・・もうあれから何十年も経つけれど
それ以来 ロ-ラ-スケ-トは 一度もやっていない。

男性から「大丈夫♪」と言われて 
全てを委ねる気持ちにも なった事も無い。