70代の イイ感じに枯れた
茶道のセンセイだった。
赤坂見附のド真ん中にある 一軒家にお住まいで
そのお宅の茶室で 生徒さんに教えていらっしゃった。
気前良く いいお道具を使わせて下さったしぃ、
何よりも少人数で 和やかな雰囲気だったので
家からは ちょっと遠かったのだけれど
そこに通うのは 全然苦痛じゃなかった。
ある時ぃセンセイが お稽古の最中にぃ
嬉しそうに話して下さった事がある。
「 僕ねぇ、いつもは和服だけど
Gパンだって 穿いちゃうのよね。
んで 汚い格好をして、
ここから ちょっと歩いたところに 一人で呑みに行くのよ。
何回も同じトコに行ってると どうしても顔見知りも出来るから
「 お爺さん 何やってる人なのぉ?」って
色々訊かれちゃうのよね。
面倒だからさ、屑屋やってる事にしてるのよ。
いつもは古いリヤカ-曳いて 汚い雑種犬連れて
この辺一帯で 新聞紙集めてるって 言うのよ。
そうすると お店の人達もさぁ
「 お爺さん 夏は暑いしぃ冬は寒いしぃ大変だよねぇ;; 」
・・・って言って まけてくれるのよ。 」
さも愉快そうに
センセイは ふふふふ・・・っと笑っていらしたけれど、
さて それはどうかしら……(-。-) ボソッ
どう見ても品格のある男性だから
飲み屋さんの人達には バレバレで
ご自分だけが『 騙せてる♪』って思い込んでいたんだと
ワタクシは思ふ。