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第48話 『陰陽道組合』再編の行方(21)
3人の50歳代の課長たちとは一悶着はあったものの、無事に『組織再編協議会』が終わり、『陰陽道組合』再編の具体的な構想は、副理事・局長たちが先頭になって実施するので
私こと、安倍忠麿は、郡山局長から通常業務の指揮を任され、郡山局長の部署事務室に行くと・・・・・
「「忠麿課長!!!!『陰陽道組合』再編プロジェクトお疲れ様です!!!!」」
と、事務室にいた組員たちに挨拶されると
「「郡山局長と忠麿課長、大きなプロジェクトにも関わらず、自分たちに合った業務を采配してくれて、お陰様で遣り甲斐のある仕事が出来きました・・・ありがとうございます」」
と、いきなり御礼を言われたので、私は寧ろ、『陰陽道組合』再編のプロジェクトにかまけて、自分の所属する組員たちの面倒を見れなかった事に罪悪感を持ってたのだが
「え?・・・私が君たちに何かしたかな?」
と、組員たちの意外な言葉に困惑し質問すると、1人の組員が、少し困惑した笑いで
「何をおっしゃいますか~~~郡山局長、忠麿課長が、訓麿さんを通じて、僕たちに“指示”を与えていたでしょう」
と、答えてきたので
“あ!!!確か、兄が強引に私の業務を取り上げられたが・・・何故、私と郡山局長がやった事になってるんだ?”
と、私が首を傾げてると、その組員が、眉を顰め
「え、どうしたのですか?・・・忠麿課長」
と、聞かれたので、私は、すかさず
「ちょっと待ってくれ」
と、応答し、すぐに郡山局長の部署の事務所から出て行き、私の執務室へと駆けつけた
私の執務室に着き、ドアを開けると、ソファーには・・・
「よう忠麿~~どうだった『組織再編協議会』は?」
と、兄が“適当な挨拶じみた言葉”を吐き
「相変わらず忙しそうだね~~忠麿兄は~~」
と、何と、私の弟の進麿が、“にこやかに挨拶”をして
テーブルには、コーヒーと焼き菓子が置いてあり、さっきまで、兄と弟が談笑していたようだ
私は、久しぶりに会う弟に挨拶をする前に、兄に対して
「兄上!!!私から取り上げた業務が、何故?私と郡山局長が“やった事”になってるのだ?」
と、問い質すと、兄は呆れたジト目で
「あのな~~~忠麿よ、俺の名で“指示”出して“聞く組員”いるか?」
と、応答された時は・・・・私は、兄の『陰陽道組合』内での評判を思い出し
“た、確かに・・・言われてみれば”
と、妙な納得の顔で立ち竦んでると、兄は、溜息をつき
「そう言うこった」
と、コーヒーを飲み始めたのだ
で・・・いくら、私と郡山局長を“使って”業務の指示を行っても、いくら何でも、部下たちが、私と郡山局長を“誉めて”くれるものか?
と、疑問を持ち
「そうだったとしても・・・部下たちが“私たち”を誉めて来るのは・・・」
と、顎を擦り呟くと、兄が、ニタリ顔で
「“苦情”じゃなくて良かったな」
と、ソファーから立ち上がり、兄の執務机から“何やら書類らしき物”を取りだし
「ほれ・・・」
と、私に“その書類”を渡してきたのだ
私は、早速、その書類の中身を見ると・・・何と!!!
私たちの部署の組員たちの今までの業務実績や、それらの業務からの組員の“特性”などが“その書類”に書かれてあったのだ
“まさか兄が、ここまで部下たちを・・・通りで部下たちを上手く適材適所に采配するはずだ”
と、その書類に驚きを隠せない私を横目で、兄は、執務室の掛け時計を見ながら
「そろそろ、俺の“仕事”の時間のようだ」
と、言い、執務室を出ようとしたので、私は慌てて
「兄上、これは・・・」
と、呼び止める途中で、兄が澄まし顔で
「折角、進麿が来たんだから、ゆっくりと談話でもしとけ」
と、言い返され、何か思い出したかように
「そう言えば、貢治、弓香、泰隆が、お前を探してたぞ・・・じゃ~~な」
と、言い残して、そのまま執務室を出て行ったのだった
“あ、そう言えば・・・あの3人と”
と、私が心の中で慌てていた時
「訓麿兄って、ちょっと“シャイ”な処あるんだね~~~」
と、進麿がにこやかに呟いてくれたお陰で、私は落ち着きを取り戻し
「まあな~~~兄上は“無関心”を装う割に、何かと“世話を焼いて”くれるからね~~」
と、苦笑いしながら、兄から貰った“書類”を執務机に置き、自分のコーヒーを淹れながら
「そういや進麿・・・今日は何の用で“ここ”に来たんだい?」
と、問うと、進麿は和やかに
「発注した“呪具”を届けに来たのだけど、その本人が“会議”だと聞いたから、それまでに“兄たちの執務室”に寄ったんだよ」
と、答えてくれたのだ
「そうなんだ・・・ちょうど兄上がいたから、暫く世間話してたのか」
と、返したら、進麿が
「うん」
と、相槌を打つと、朗らかな笑みで
「それで、明麿と茂麿の話が出てね~~~」
と、私たちの“歳の離れた弟たち”の話が始まろうとした処
“トントン”とドアのノックが聞こえ
「誰かいるか?」
と、聞き覚えのある声がしたので
私は、直ぐに
「はい、入って下さい」
と、返答すると、直ぐにドアが開き
「失礼するよ“日乃丸最高峰の呪具技能士”が、ここにいると受付から聞いたものでな」
と、喜び勇んで、郡山局長が入って来て、さっそく進麿に向かって
「安倍技能士殿・・・早速だが、私が頼んだ“呪符”を見せて頂きたいのだが」
と、急かし、進麿は慌てずのんびりと笑みを浮かべ、ソファーの上に置いていた“絹で包まれた箱”を取り出し
「分かりました郡山様・・・お気に召されれば」
と、郡山局長に渡し、受け取った郡山局長、顔を綻ばせながら今度は、私の方を向き
「忠麿課長、そこのテーブルを借りてよろしいかな?」
と、眼を輝かせながら懇願されたので、私は、その“喜びの圧”に呑み込まれ
「あ!!はい、どうぞ使って下さい」
と、返答すると、喜び逸る郡山局長、直ぐにテーブルに“包みの箱”を置き
「発注してから十か月・・・どれほど待ち望んだことか・・・」
と、絹の包みを解くと木の箱が見え
「ほう~~どれどれ」
と、まるで“少年の様なトキメキ”の郡山局長が、木の箱の蓋を取ると・・・
そこには、眩いばかりの“呪符”の束が現れ、その1枚の“呪符”を取りだし
「お~~~何てよい触り心地なんだ・・・今にも“陰陽術”が発動しそうだ」
と、如何にも“試し打ち”をしそうな雰囲気を醸し出す郡山局長
私は“以前の弓香の件”でもあったので
「郡山局長・・・進麿が造った呪具を使いたい“逸る”気持ちは分かります」
と、穏やかに止めようとすると、郡山局長、困った笑みを浮かべ
「大丈夫ですよ忠麿課長・・・ここで“陰陽術”をかける訳にはいかないからね」
と、私の“意図”を読んで返答されたので“相手の心を逆撫してしまった”と戸惑ってると
「まあ・・・直ぐにでも“最高峰の呪具”を使いたい気持ちはありますね」
と、郡山局長、私を慰めてくれたのだ
私は“その事”が逆に恐縮してしまい
「ありがとうございます・・・」
と、謝辞を述べると、郡山局長、気遣い笑みで
「何も謝る事はないよ・・・処で」
と、持っていた呪符を木の箱に入れ蓋をしたあと
「そう言えば、安倍技能士殿と、忠麿課長は“兄弟”でしたね」
と、私を“恐縮から解放”させるように“話題を変えて”来たので
私は“渡りに船”とばかりに
「そうです・・・1歳違いの兄弟で、兄も私とは1歳違いです」
と答えると、郡山局長
「そうなると、3人は年子となるのだな~~~」
と、感慨深く呟くと、次は、ニタリ顔で
「忠麿課長、訓麿さんも、安倍技能士殿の兄弟だから、特別に“呪具”が早く出来上がるのかな~~」
と、言われたので、進麿は素早く
「そんな“特別扱い”はございません・・・例え兄弟でも“先着”通り仕上がりを待たせています」
と、ニコニコ顔で抗議すると、郡山局長“一本取られた”とばかりに
「大丈夫ですよ、安倍技能士殿が、“そんな事”をしないのは解ってますから」
と、誤り、その後頭を下げ
「こんな“心地の良い最高峰な呪具”をありがとうございます・・・安倍技能士殿」
と、謝辞を述べて来たので、進麿も頭を下げ
「郡山様・・・お気に召されて頂きありがとうございます」
と、返した後、郡山局長は“最高峰の呪符”の木の箱を絹の布で包みなおし
「兄弟どうし、積もる話もあるだろうから・・・先に失礼するよ」
と、私たちを気遣い、“包み”を持って執務室を後にしたのだった
この後、私と進麿は“歳の離れた弟たち”が、それぞれの仕事から“帰省”すると聞いたので、久しぶりに、兄弟全員で“実家”と言っても“私の屋敷”で、催し事をしよう言った相談をしたのであった
と、その前に、私は、貢治、弓香、泰隆の事が心配なので、そっちの方を先に済ませようと考えていたのだった
第49話へ続く・・・・・
<<後書き・・・>>
今回は”日常の出来事”について執筆いたしました
どうでしたでしょうか?
そろそろ、アクションも執筆しなければならないな~~~と感じていますが、次回も”日常な出来事”なってしまいます
それでも、読んで頂けると嬉しいですね
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