相棒の新シリーズがスタートしました。
第1話「聖域」は8:00~10:09pmの2時間9分特別拡大スペシャル。及川光博が演じる神戸尊が前シリーズで卒業。今回からは成宮寛貴が甲斐享役で相棒を務めることになりました。
甲斐享は通称「カイト」。実は警察庁次長・甲斐峯秋(石坂浩二)の息子ですが、父親のこねは使わず、自分の力で、警視庁中根署で念願の刑事になったところ。が、父親からは全く認められず、「目障りだから、すぐに辞めろ」と言われるほど。それでも、反骨精神が強いらしく、父親にも食ってかかるくらい。お坊ちゃん育ちで、我が強く、喧嘩っ早い性格のようです。
舞台は珍しく香港。CAの恋人とホテルで過ごすカイトですが、前夜、日本総領事公邸の晩さん会に父親のことを知る先輩で、在外公館警備対策官の根津(山田純大)に無理やり誘われたからでしたが、その席で、銃の暴発事故が起きてしまい、三井副領事(小林正寛)の妻が亡くなってしまいます。
本来は警察に届け出なければならない事件ですが、そこは香港。日本の警察を動かすわけにもいかず、もちろん、香港の警察も介入できない、まさに、独立国家状態の「聖域」。医師に病死との診断書を書かせて、みなが事故のことは口をつぐむことになってしまい、気持ちでは納得のいかないカイト。
憂鬱な気持ちで香港の観光を恋人と過ごす中で、偶然にも出会ったのが、杉下右京(水谷豊)。ロンドンからの帰りに香港に立ち寄って観光中の右京は飛行機の中で、カイトの恋人のCAと顔見知りになっていたため、声をかけて来たのでした。
不審なようすで「隠ぺいしろってか」とつぶやくカイトの言葉を聞きとがめる右京。また、帰りの飛行機でも、カイトと右京は同席し、妻を暴発事故で亡くし、遺骨を持ち帰ろうとする三井副領事に「あなたはこれでいいんですか?」と迫るカイトの姿に右京は興味を持ちます。
結局、日本に戻ってからもどうしても納得いかないカイトは、右京と共に捜査をすることにしますが、香港で「聖域」に踏み込み、真実を明らかにしなければはじまらないと、再び、香港に戻ります。
三井副領事は納得していたわけではなく、騒ぎを起こせば、妻を弔うことができないと考えての日本への帰国だったようで、再び、香港に戻った三井は、銃を手に、日本総領事・小日向(団時朗)たちを幽閉して、立てこもったところで、それを知った右京たちは、公邸内に入ろうとします。
そこに銃声が響き、到着したところには、三井と小日向の銃殺死体が。
検死もできない状況の中、根津たちの証言に「うそ」があることを右京は状況証拠だけで追いつめて行きます。
小日向の妻、詠美(賀来千香子)は実は根津と関係があり、事故に見せかけての殺人事件であることを解明する右京。
そんな中で、カイトがすぐにかっと来て、暴力的な一面もありながら、すぐれた観察眼や、銃声の音の差異を絶対音感で当てるなど、センスのあることを認めます。
日本に小日向の妻を連れ帰った右京たち。警察庁次長・甲斐峯秋(石坂浩二)から呼ばれる右京。甲斐はスタンドプレーをよく思わない連中もいるけれど、自分は違うと、右京の活躍を認め、「君は出世に何の興味もないらしいけれど、なにか望みはないか」と聞けば、「じゃ、ご子息を私に」と、相棒にしてほしいと願い出ます。
びっくりする甲斐次長ではありましたが、右京の相棒が何人も警察を辞めているということを聞き及んでいたため、「これでできの悪い息子が自分に迷惑をかける前に辞めてくれるかも」と内心ではほっとした思いで引き受けます。
右京と組むことを嫌がるカイト。ふてくされながら、特命係の席に着き、すぐにイヤホンで音楽を聴き始め、アイマスクをかけて、引きこもり状態。
それを見ながら、くすっと笑う右京。これで、相棒の誕生です。