#3967『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3967『そのアイドル、天然につき117 蝶が羽ばたくだけで…』




「KEYABINGO!」(21/47話)


【出 演】

七 瀬(ななまる 西野七瀬)
美 彩(シェリー 衛藤美彩)
玲 香(ブナン 桜井玲香)
沙友理(ユウウツ 松村沙友理)
一 実(コテ 高山一実)
佑 美(イマドキ 若月佑美)

ゆうゆ(大谷悠妃)





心霊捜査のため、6日前に戻ったゆうゆだったが、七瀬たちに姿を見られてしまった。何とか言い逃れて山荘を出ようとしたが、身体の中を手が通り抜けたことを糾弾されてしまう。


うまい言い訳はもう思い付かないし、この人たちは自身の運命を分かっているのだろうから、真実を突き付けようという気になった。

『みなさん。落ち着いてください!こうなったら本当のことを言います!ゆうは今から6日後の未来から来ました。なぜだか分からないんですけど、ゆうには過去に戻ってそこで何が起こったのかを、見ることができる能力があるんです。それだけではなく、こうして姿を現して会話もできるようになりました。みなさんは身元不明の遺体として、この場所で発見されました。ついさっき話していた通りになるんです。そこでゆうが刑事さんたちに協力して、ここでどんなことがあったのか見に来たんです。恐らくみなさんのご家族は、みなさんが小さい時に亡くなったままの認識なんだと思います。申し訳ないんですけど、過去に起こった出来事を変えてしまうことは、ゆうにはできません。その代わり、みなさんに起こったことは、きちんと全て刑事さんたちに報告すると約束します。こんなにも奇跡的なことが起きたんだということを知らせます。それしかできることがないんです』


突然現れた、自分のことを"ゆう"と呼ぶ女子高生。話の内容はとても信じられないが、自分たちの身の回りに起きたことがそれ以上に有り得ないので、話していることは嘘ではないように七瀬は思う。何よりも、この子の身体に触ろうとしても手が通り抜けてしまった事実が証明している。それにしても過去に起こった出来事を未来から見にくることができるなんて驚きだ。その時、あることが閃いたので、それを持ち出してみる。

『あなた、過去に戻ってそこで何が起こったのかを見ることができると言ったよね。だから今ここに来ているんでしょ。それなら私が交通事故に遭う直前に現れて、事故を防いでよ。こうして喋ることだってできるんだし。そうしたら私は死なないで済むじゃない。私だけじゃなくて、他の人たちも助けてあげて!』


それだけ言ってみた七瀬だが、女子高生が困ったような顔になる。

『場所と日時がはっきりしていないと、ゆうは戻れません。事故は幼稚園の頃ですから、覚えていないですよね』

引き下がれない七瀬。

『場所は家の近所で、日時は事故があった日を調べたら分かるわ!』

『あー。ごめんなさい。紛らわしい言い方をしてしまって。たとえ場所と日時が分かったとしても、ゆうがその瞬間に戻って事故を防ぐということは、悪いんですけどしてはいけないことなんです。バタフライエフェクトって知ってますか?過去に戻って事実を変えてしまうと、その後の出来事に大きな影響を与えて、歴史が狂ってしまうんです。一瞬前ならともかく、25年も前なら尚更です。もしゆうが七瀬さんの事故を防いだとしたら、大人になった七瀬さんがこの山荘に来ることはなくなるじゃないですか。そうしたら、ゆうと会うこともなくなるので、事故を防ぎに行くことが不可能になってしまうんです。分かってもらえますか?過去に起こったことは、簡単には変えられないんです。ゆうだってこんな幽体のまま、もし帰れなくなったら困ります。だからごめんなさい』

女子高生の言うことがもっともだと思うが、七瀬はまだ諦められない。



◇続く