#3966『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3966『そのアイドル、天然につき116 予期せぬ遭遇』




「KEYABINGO!」(20/47話)


【出 演】

七 瀬(ななまる 西野七瀬)
美 彩(シェリー 衛藤美彩)
玲 香(ブナン 桜井玲香)
沙友理(ユウウツ 松村沙友理)
一 実(コテ 高山一実)
佑 美(イマドキ 若月佑美)

ゆうゆ(大谷悠妃)





心霊捜査のため、6日前に戻ったゆうゆだったが、体内モードを切り替えたせいで七瀬たちに見つかってしまった。


美彩が問い詰めてくる。

『私たちが知らない間に、会話を盗み聞きしてたんでしょ。正直に言いなさい!』

全部聞いていたが、正直に言えるはずがないので誤魔化しておく。

『盗み聞きなんてしていないので、どこから聞いていたかということもないです』

『じゃあ、どうしてこんなところに来てるの!?』

『さっきも言ったように、誰もいないと思って来てみただけです。地元の高校生なので、時々1人でこっそり遊びに来てるんです』

『ふぅーん。そういうことか。だったらどうやって私たちに気付かれず、ここまで入れたの?』

ゆうゆはうまい言い逃れを思い付いた。

『実はゆうの方が先にここに来ていて、みなさんが現れたから、慌ててクローゼットの向こうに隠れていたんです。侵入したのは、鍵が掛かっていない窓からです』

美彩が声を荒げる。

『それなら全部会話を聞いてたんじゃないの!』

『別に聞こうと思っていた訳じゃないので、どんな会話だったか覚えていません』

すると今度は佑美に指摘される。

『隠れてたのに、どうして突然姿を見せたの?そんなことしたらすぐ見つかるのに、おかしいじゃない!どういうことかきちんと説明して!』

『このままずっと隠れているなんて無理じゃないですか。だからもう諦めて姿を見せたんです』

『う〜ん。そういうことか』

『あのう、もう帰っていいですか。迷惑を掛けてすみませんでした』


ゆうゆはともかくこの山荘から出ようと決めた。突然姿を消しても構わないが、悲しい運命を背負うこの人たちを、これ以上の混乱に陥れたくはない。すると玲香が味方をしてくれる。

『謝ってるんだから、もういいじゃない。そもそも私たちだって、無断でここに来てるんだし』


これで誰からも反対意見が出ないので、ゆうゆは広間から出ようと歩き出す。玲香の前を通り過ぎる時にペコリと頭を下げた直後、悲鳴を上げる玲香の異常な行動を見た残りの5人に取り囲まれた。その理由は、肩に触ろうとした玲香の手が、身体を通り抜けてしまったからだ。考えてみれば、肉体から離脱して6日前に来ているのだから、当然の話だ。七瀬や美彩が次々と身体に触ろうとしてくるが、余計にパニックを招くだけだ。そして口々に糾弾してくる。


『これは一体どういうこと!あんた何者なの?説明して!』と詰め寄るのは七瀬だ。説明してと言われても、うまい言葉が見つからない。このまま姿を消して元に戻ってしまおうかという考えが頭をよぎるが、すぐに打ち消す。生死の狭間で苦悩している人たちを前にして、それはあまりにも無責任過ぎる。



◇続く