新説『マジすか学園4』
#4805『これが天然アイドルの生きる道165 不吉な予感』
慰安旅行で「ハルジオンの丘」に向かうマイクロバスに、車が故障して助けを求める4人の女性が乗り込んだ。
ゆうゆ(大谷悠妃)
成 美(倉野尾成美)
瑠 夏(井上瑠夏)
<風俗店 従業員>
七 瀬(西野七瀬)
美 彩(衛藤美彩)
一 実(高山一実)
玲 香(桜井玲香)
佑 美(若月佑美)
沙友理(松村沙友理)
<謎の女性たち>
はたごん(高畑結希)
よこにゃん(北川愛乃)
優莉奈(行天優莉奈)
ちかこ(松本慈子)
4人がひと通り喋ったあと、沙友理が『ともかくそんなところに立ってると危ないから、空いてる座席に座って』と言い出し、4人が2つの座席に分かれて座った。そしてバスが走り出した。
カラオケは瑠夏が「寡黙な月」を歌い終わったところで一旦中止になり、突然の仲間入りとなった4人を中心にしてお喋りが始まった。
車内は相変わらず楽しそうだが、ゆうゆは冷静に考える。この慰安旅行で七瀬たちの命に関わる事故が起きる可能性があるので、十分に注意しなくてはと。もしそんな事態を招きそうになったら、必ず防ぐつもりだ。それが叶わなければ、過去に戻ってでも何とかする。
そんなことを考えていたら、ある重大なことに気付いた。これまで何回もの心霊捜査で過去に戻ったが、そこで誰ともコンタクトを取れないので、事件や事故を防ぐことができずに歯がゆい思いばかりしたが、今日のケースで過去に戻ったとしたら、その場には自分がいるのだと。それなら意思が伝わるはずだから、今までみたいにただ見ているだけでなく、自分自身の身体を通して、事件や事故を防ぐことができるのではないかと思えてきた。全く初めてのケースだが、ゆうゆは一層やる気が漲ってきたし、心強くなった。果たしてこの慰安旅行の最中に、七瀬たち6人の命が危険に晒されるようなことが起きるのか…。常に注意を払っておかなくちゃと気を引き締めた。
車内が賑やかなまましばらく走っていると、ゆうゆは嫌な感覚を覚えた。まるで不吉な出来事が起こる予兆めいたものだ。そしてそれは勘違いではなかったことがすぐに分かった。
だが気付いた時には遅かった。バスのフロントガラスを突き破ってきた巨大な異物が車内に出現し、周りの何人かを巻き込んだまま後部に激突した。その弾みでバスは横倒しになり、ゆうゆは1度真横になったあと、すぐ天井にぶつかって逆さまになった。
車内に悲鳴が飛び交う中、バスは回転を続けたあと激しい衝撃を伴って止まった。道路脇の壁かガードレールにでもぶつかったのだろうと、薄れゆく記憶の中でゆうゆは思った。自動運転でも避けられなかったのだと…。この慰安旅行で何かあるだろうと警戒していたのに、これではとても阻止することなんて不可能だった。最悪でも犠牲になるのはあのクレーンの落下事故から救った6人だけだと思っていたのに、自分が巻き添えになったどころか、誘ってしまった成美と瑠夏もだ。もし命を落とさなかったとしても、大怪我は間違いない。それにインターチェンジまで乗せて行って欲しいと乗り込んだ4人もだ。
◇続く
