#3965『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3965『そのアイドル、天然につき115 過去とのコンタクト』




「KEYABINGO!」(19/47話)


【出 演】

七 瀬(ななまる 西野七瀬)
美 彩(シェリー 衛藤美彩)
玲 香(ブナン 桜井玲香)
沙友理(ユウウツ 松村沙友理)
一 実(コテ 高山一実)
佑 美(イマドキ 若月佑美)

ゆうゆ(大谷悠妃)





心霊捜査を依頼されたゆうゆは6日前に戻り、山荘で亡くなった6人の言動を、広間の隅でじっと見ている。

小さい頃に1度亡くなったが、何らかの理由で救済され、現在まで生きていたものの、突然これまでの形跡を消され、ここに集まった6人だ。

女性たちの話によると、このあとここで命を落とすことになるらしい。場は重苦しい空気に包まれている。実際にこの6人は遺体となって見つかったのだから、間違いないだろうとゆうゆは思う。それも1度は命を失ったのだから、可哀想だが仕方ないという気がする。

それでも何とかしてあげたいと考える。6人のうち、多くは不慮の事故に遭遇した結果だが、いつどこで起きたことなのか突き止めようがないので、どうしようもない。仮にもし分かったとしても、そんなにも過去の事実を塗り替えることは怖くてとてもできない。やはり自分がしてあげられることは何もないと思う。あとしばらくして6人が遺体となって発見されるだろう。それは覆すことができない事実だ。このままどんな結末を迎えるのか見届け、それを刑事の人たちに伝えることくらいしかできない。もっとも信じてもらえるかどうか分からないが…。


だがゆうゆは能力を向上させたので、過去に戻って目撃している時に、そこで行動することが可能になった。それも自分の姿を相手に見られることはなく、透明人間のような存在になっているはずだ。それなので広間の隅で見ているだけでなく、体内モードを切り替えることにする。これで少しでも女性たちの側に行ければ、何かの助けになるかもしれない。


ゆうゆがそれを実行した直後、悲鳴に近い声を聞くことになった。広間にいるほとんど全員が声を上げた。そして『あなた誰ー!』『どうしてここにいるのー!』『音もしなかったけど、どこから入ってきたのー!』などと矢継ぎ早に責められる。ゆうゆはこの事態をすぐに理解した。体内モードを切り替えたことで、女性たちに姿を見られるようになったのだと。考えてみれば相手は今、普通に生きている存在ではないのだから尚更だ。有り得ない話ではない。それなら自分の声が聞こえるだろうと考え、まずは喋ってみる。

『あ、あのう、突然現れてすみません。怪しい者ではありません』


すぐに反発してくるのは、七瀬という女性だ。

『怪しくない訳ないでしょ。戸締まりしてあるのに、どうやって音も立てずにここまで来たの。説明してもらおうか!』


困ったことになったと、焦るゆうゆ。まさか姿を見られるとは思わなかった。本当のことを言っても信じてもらえるはずがない。余計なことを言って、深刻な事態に直面しているこの人たちを、これ以上の混乱に陥れるようなことはしたくない。仕方ないので取りあえず曖昧に答えておく。

『すみません。本当に怪しい者ではありません。それにわざと音を立てなかったんじゃありません。山荘だから誰もいないだろうと思って来ただけです。ごめんなさい』

今度は美彩が問い詰めてくる。

『私たちが知らない間に、会話を盗み聞きしてたんでしょ。正直に言いなさい!』

全部聞いていたが、正直に言えるはずがない。



◇続く