#3964『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3964『そのアイドル、天然につき114 ゆうゆの決意』




「KEYABINGO!」(18/47話)


【出 演】

七 瀬(ななまる 西野七瀬)
美 彩(シェリー 衛藤美彩)
玲 香(ブナン 桜井玲香)
沙友理(ユウウツ 松村沙友理)
一 実(コテ 高山一実)
佑 美(イマドキ 若月佑美)





同じ運命を背負う仲間たちを前にして、七瀬は思っていることを言い切ったものの、現状が打開されることは全くない。こんなことならどんな結末を迎えてもいいから、早くはっきりして欲しいと思ってしまう。



一方のゆうゆ。警察から心霊捜査の依頼があって最初は迷ったが、いろいろ考えた末に引き受けた。自分に与えられた能力を使い、通り魔事件の犯人を突き止めた。小さい頃から遊んでくれた優しいお姉さんの仇討ちという意味が強かった。そして今度は6人もの女性が謎の死を遂げた事件だ。そんな現場を見てくることにかなりの恐怖心を抱いたが、捜査は行き詰まっているし、真相は謎に包まれているので、一体どんなことが起きてこんな結果になったのか、確かめたい気持ちの方が上回った。もし全員が非業の死を遂げたのだとしたら、真相を明らかにしてあげたい。

この心霊捜査に友達の瑠夏と成美を誘ったのは、1人で臨むには心細かったからだ。2人のお陰で、遠足かハイキングに行くように気楽な感じで迎えの車に乗れた。刑事の人たちがいたのに山荘ではしゃいでいたのも、緊張する気持ちを少しでもほぐしたいからだった。瑠夏と成美にそんなことは話していなかったが、友達だけによく理解して付き合ってくれたので、感謝しかない。そうしてみんなに見守られながら、過去の場面を見てくる儀式を開始した。

目を閉じたまま、真っ暗な視界の中で思いを込めながら焦点を合わせていくと、願った時と場所で起こった出来事が目の前で見ているように再現される。それが幻想でないことは、通り魔事件で証明された。だが大好きなお姉さんが殺害されるところを、ただ見ていることしかできなかった無念さから、この能力をもっと向上させることに努め、一歩上達した。自分の意識を見ている現場に飛ばし、そこで行動できるようになった。例えれば、夢の中で自分が思うように行動するのに似た感覚だ。こんなことをしている間、自分がどうなっているのか怖くなったので、瑠夏と成美に頼んで立ち会ってもらったら、その間の自分は意識を失ったようにぐったりしているのだと教えてくれた。それでも自分の意思で元に戻って来られるので安心だ。ただし過去に起こった出来事に介入して、事実を変えるつもりはない。たとえ少しでも塗り替えてしまうことが、今現在に影響する恐ろしさを分かっているからだ。

そんな思いを胸に秘めて、この心霊捜査に取り組んだ。わざわざ山荘まで行かなくても良いのだが、同じ場所に立った方が正確さを増すかもしれないし、過酷になりそうな現場を見る前に、高原の自然に触れて少しでも落ち着いた気持ちになりたいからだった。

そして今ゆうゆは、亡くなった6人の言動を、広間の隅でじっと見ている。


◇続く