#3960『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3960『そのアイドル、天然につき110 語り合う女性たち』




「KEYABINGO!」(14/47話)


【出 演】

七 瀬(ななまる 西野七瀬)
美 彩(シェリー 衛藤美彩)
玲 香(ブナン 桜井玲香)
沙友理(ユウウツ 松村沙友理)
一 実(コテ 高山一実)
佑 美(イマドキ 若月佑美)





ある運命のもと、山荘に集まった6人の女性たち。

広間に移動したあと、七瀬がauショップで働いていると明かした。次は七瀬に1番近い美彩の順番になった。
『私もショップに勤めてる。でも携帯じゃなくて、スポーツ用品店。バレーボールと野球が好きなの。学生時代はどちらも選手だったし』

次は玲香だ。
『私は何度もオーディションを受けて、やっと夢だったミュージカル女優になれたわ。「オズの魔法使い」でドロシーの役をやれるって決まったのに…。私の代わりは一体誰になるんだろう』

沙友理が羨望の眼差しで見つめる。
『玲香さんってミュージカル女優なの!?凄〜い。玲香さんの舞台を1度でいいから観ておきたかったなぁ。知ってたら観に行ってたのに。私は漫画が大好きなので、漫画喫茶で働いています。あっ、働いていましたかな?まぁ、どっちでもいいね』

次は一実の番だ。
『私は小説家のアシスタントをやっています。いつか映画化されるような小説を書けたらいいなと思っています』
ここで美彩から質問が飛ぶ。
『だったら、今回のことを小説として書き残しておけば良かったのに』
一実が手で頭を触る。
『そっかぁ。そういう手があったか。うっかり忘れてたわ。あー、もったいないことしたなぁ』

一実がため息混じりになったあと、最後は佑美だ。
『最後は私かー。言わなくちゃダメ!?みんなの話を聞いたんだから、言わなくちゃダメか。デザイナーとモデルをやっています。来月結婚する予定だったんだけど、こうなるかもしれないってことを、すっかり忘れてたわ』
ここで一実が手を叩く。
『あーっ!あなたのこと、雑誌で見た覚えがある!インタビューを受けてたんじゃないの!?』
佑美が一実を見る。
『う、うん。インタビューは何度か掲載されたことがある。見てくれてたんだ。ありがとう』

全員の職業を聞き終えた七瀬。あんな運命を背負っていながら、夢を追いかけたり叶えたり、自分の好きなことを仕事にしていたのだなと感心する。それなのにあとどのくらいか分からないが、短い時間のうちに全てを失って消えてゆく運命が待っている。あるいは消えてゆくというのが間違った表現なら、本来の現実に戻るだけと言った方が正しいのかもしれない。

七瀬は数日前に見た、あの衝撃的なシーンが脳裏に甦った。休みの日に自分の部屋でウトウトしていた午後だった。まぶたを閉じかけた時、視界が突然劇的に変わった。目に入ったのは自分の小さな胴体と足元だった。ヨロヨロとした足取りで歩道を歩いている。手を繋いでいるのは母親だ。その時、突然危険が迫る音が聞こえた。続いて何かが背後から襲ってくる気配を感じたが、どうにもできなかった。次の瞬間には強い衝撃を受けて空中に飛ばされ、視野が一瞬でぐるっと回ったあと、逆さまになって地面に落ちていくところまでが、目の前に再現された。幼稚園からの帰り道だったと思うが、家の近くで起きた悲劇的な交通事故だった。


◇続く