新説『マジすか学園4』
#3933『そのアイドル、天然につき88 これからの ゆうゆ』
ブナン(桜井玲香)
ユウウツ(松村沙友理)
そして、ゆうゆが話し始める。
『う〜ん。どうですかね。もう1人のゆうの考えなら、今回の「KEYABINGO!」も出演しないってことだったんですけど…。でも白雪姫の方だけに出続けるなんてことはしません』
ここで瑠夏が口を挟む。
否定に出るゆうゆ。
『今日でもう十分ってことはないです。ともかく今のところは、ゆうもまだ分からないです。来週になれば分かるかもしれませんけど、ゆうのことなんかよりラストスパートで脚本を完成させちゃいましょう!』
ゆうゆ自ら話を切り上げたので、再びみんなが脚本に向き合った。
その後すっかり日が暮れると、シェリーが買い置きしてある冷凍食品を温めて夕食とし、脚本が完成したのは午後9時過ぎだった。シェリーを残し、あとのベマーズ5人、リョウとカチドキ、そして瑠夏、ゆうゆ、成美がマンションを出た。
リョウとカチドキは、いつもなら欅坂6期生たちとこの日のうちに都内近郊にある欅寮へ帰るのだが、今日は脚本制作に熱が入っていたため、同期に連絡を入れてもう1日名古屋で泊まることにし、今夜はそれぞれの実家で過ごす。
ベマーズのうち、まず3人とはマンションを出てすぐに別れ、ななまるとコテと地下鉄の乗り場まで瑠夏たちは一緒に歩いた。その後は各自の駅で電車から降りた。
成美がシャチホコハウスに戻ったのは、午後10時近かった。リビングに行ってみると今日はかおたんと由美子だけがいて、始まったばかりの「水曜日のハマダ」を観ている。『ただいま〜』と声を掛けると、早速かおたんが聞いてくる。
『お帰り〜。「KEYABINGO!」の脚本はどうなった?ゆうゆは出演するの?』
成美がまずはソファーに座ってから答える。
『今週の分は出る。ベマーズの人たちがゆうゆを主役にして設定を考えてたから、責任を感じて出演することになった。ゆうゆは演技をすることが好きだし。でも来週はどうなるか分からない』
『明日もあさっても、ゆうゆに会うんでしょ。何か変化があったらすぐ私に教えて』
『うん。分かった』
『るーちゃんはどうだった!?』
『るーちゃんかぁ。プールに落とされたり、変なドッキリの餌食にされたから気になるんでしょ。別にいつも通りだったけど。るーちゃんは、ああ見えて結構しっかりしててメンタルも強いから、心配要らないと思うけど』
『あんたがそう言うなら安心だわ。るーちゃんのことはいろいろ頼んだでね』
『うん。任せといて。今日の「水曜日のハマダ」はどんなネタ?面白そう?』
『心霊スポットに幽霊が出てくるより、怒った管理人が出てくる方が怖い説というのだで、面白くなりそうだわ。あんたも一緒に見やあ』
『うん。そうする』
成美はここで会話を打ち切り、テレビの画面を見つめた。昨日深夜の生放送から、今日はランチビュッフェのあとシェリーのマンションに行って打ち合わせをしたりと忙しかったので、次第に睡魔が襲ってまぶたが重くなった。
◇続く