#3934『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

ブログの説明を入力します。

 

新説『マジすか学園4』


#3934『そのアイドル、天然につき84 由美子の楽しみ』



ランチビュッフェから一夜明けて木曜日になった。シャチホコハウスの朝は、前日とは打って変わっていつもの5人という落ち着いた顔触れでの朝食になった。


<ハウスの住人>
かおたん(松村香織)
はるたむ(二村春香)
成 美(倉野尾成美)
愛 理(水野愛理)
由美子(瀧野由美子)


食事が終わるとすぐ、「KEYABINGO!」の稽古をするため成美がハウスを出た。あとの4人は午前中をのんびりと過ごし、昼食は近くの専門店で手作り弁当を買って簡単に済ませた。


午後になると、かおたんとはるたむと愛理を残し、由美子は『ちょっと出掛けます』と言ってハウスを出ようとするが、どうせまた愛理が『占い教室に行くの〜?』と聞いてくるに決まっているので、『カミングフレーバーに行きます』と付け加えた。


オープン前の「カミングフレーバー」に行き、カフェ店員の子たちに会って談笑することが、ここ最近の楽しみになっている。特に先週末から慰安旅行でタイのバンコクに行ってしまったので、1週間ぶりになる。午後3時から営業開始なので、昨日の夕方くらいには帰国したのだろうと由美子は思う。


慰安旅行に出掛けた顔触れは、ひな乃、君江、えなたん、それにヘルプのあやめとさくらの5人だと聞かされた。土曜日にオイラーズの番組に出演したあなんとみれいは学校があるし、もちろん同行しなかった。


由美子は地下鉄1駅分を歩き、新栄のメイドカフェ「カミングフレーバー」に着いた。時刻は大体いつも通りの午後2時だ。通用口で声を掛けながら扉を叩いたものの反応がない。鍵が掛かっていないのはいつものことなので、扉を開けて中に入る。そのまま控え室に直行する途中、お喋りする声が聞こえてきた。ここで由美子は先週のことを思い出す。控え室にいたのは4人で、ヘルプのあやめとさくら。あとの2人は、あやめたちとチェリーブラッサムという新栄のヤンキーチームを結成している、かっきーと柚菜だった。部外者である2人が、この店の控え室によく遊びに来ているということを知った。しばらくしてえなたんがやって来たが、ヤンキーたちに対し、えなたんは弱い立場にいると分かった。先週は遅番で不在だったひな乃と君江が、かっきーと柚菜とはどんな力関係なのか、今も謎のままだ。


🌸チェリーブラッサム
かっきー(賀喜遥香)
柚 菜(柴田柚菜)
あやめ(筒井あやめ)
さくら(遠藤さくら)


室内を覗くと顔触れは4人だ。やはり先週と同じで、あやめとさくら、それに部外者のかっきーと柚菜で、テーブルを囲んで何かに集中している様子だ。こちらを見ようともしないので、中へ進んで様子を窺うと、ボードゲームの最中だ。声を掛けて邪魔するのも悪いなと思い、ひとまず近くの椅子に座ってみたら、あやめが顔を上げてこちらを見てくる。

『あーっ。由美子さん、来てたんですかー。みんなで由美子さんの噂話をしていたところですよ』

由美子が意外に思う。

『えっ。私なんかの噂をしてくれてたんですか。どんなことですか』

『昨日の水泳大会です。みんなの話では、フォトジェニック賞に1番ふさわしいのは由美子さんじゃないかって。るーちゃんという子が選ばれたのは、かおたんに推されてるからで、出来レースだろうって』

『いえいえ。そんなことないですよ。私なんかより、るーちゃんの方がずっとフォトジェニック賞にふさわしいです』

ここで、かっきーがプッと吹いたが、由美子はいちいち気にしない。



◇続く