#3906 『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3906『そのアイドル、天然につき56 瑠夏ワールドの威力』



水曜日の朝、シャチホコハウスにやって来た美晴と瑠夏。



まだ何人かが残っているリビングに、2人が顔を出した。

らぶりんはもう今後テレビには出ないだろうと美晴が報告し、周りのみんなもそれを認める流れになっている。


そんな中、らぶりんと旧知の仲で、以前名古屋に来た時らぶりんと再会し、かおたんに紹介したSTUでんつの沖ちゃんと舞Qのうち、沖ちゃんが早速話に加わる。
『らぶりんのことをかおたんに紹介したのはうちらなのに、申し訳ない気持ちになってくるよ。コンプライアンスを守らず、こんなことになって…』
舞Qが心配して美晴に聞く。
『それで、らぶりんは今後どうするみたいですか』
美晴が首を傾げる。
『さぁ…。私もよく分かりません。たまたま家の方向が同じだから2人で行き来することがあったというだけで、別に2人だけで会ったり、仲良くしていたという訳でもないですから』
『そうなんですか。まぁ仕方ないですね。らぶりんが自分でまいたタネなんだから…』

さらに、らぶりんとはひな乃たちを含めてここ最近何週も続けて遊びに出掛けていた欅坂6期生たちのうち、ねるが会話に加わる。ちょうど1週間前に出場したボウリング大会が、実は赤外線透視カメラで盗み撮りされ、配信されていることをらぶりんと2人で突き止め、愛理に頼んで阻止してもらうという出来事があったばかりだ。
『らぶりんもせっかく番組に出させてもらって人気が出始めたタイミングに、もったいない話だよね。仲の良いひなぴよやきみちゃんは何て言ってるの?』

ねるの質問には、事情に詳しい由美子が答える。
『ひなぴよやきみちゃんたちは、お店の慰安旅行でタイのバンコクに行っていますから、このことはまだ知らないんじゃないかと思います』
『そっか。じゃあ昨日の水泳大会が、らぶりんを見られる最後ってことだったんだね』

そこで、ずっと不思議そうな顔をして聞いていた瑠夏が口を開く。
『どーいうことですかぁ。らぶりんに何かあったんですか。今日は来ていないと思ってたんですけど、何かのタネでもまきに行ったんですか』
リビングのみんなに注目される瑠夏を、茜がイジる。
『えーっ。るーちゃんって地元の子なのに知らなかったのー。今日だって美晴と一緒に来たんでしょ』
瑠夏が愚痴る。
『だって美晴ちゃんが何も教えてくれなかいからぁ』
『はははぁ♪さすが天然のるーちゃんらしいわ。もしかして、らぶりんがいないことに気付かなかったんじゃないのー』
愛佳が乗っかっていく。
『天然の子って言うより、無知の子って感じじゃない!?』
瑠夏が言い返していく。
『ムチの子って何ですかぁ。るかはムチなんて持ってないですよ。ムチムチしてるねとはよく言われるんですけど、まだムチムチが足りないですか?』

これでリビングが逆にシーンとなってしまったので、すぐに瑠夏が言い直す。
『あはっ。冗談ですよぉ、冗談!無知くらい知ってます。るかはピースや優莉奈ちゃんみたいにおバカキャラでやっていくつもりはないですから、よろしくお願いします!』
これに反応するのは当の優莉奈だ。
『るーちゃん、酷い!ゆりなのことをおバカキャラだなんて、そんなことを言う子だとは思わなかった!』
『えっ💦優莉奈さん、まだいたんですかぁ。気付かなかったです!まずーい!』

焦って頭を抱える瑠夏を見て、リビングに笑いが漏れる。ここでようやく、かおたんが話し始める。
『らぶりんのことはもういいんで、みんなそろそろ出掛ける準備をしやあよ』
これでリビングに残っていた者たちも、ようやく動き始めた。


やがて午前10時半頃、予約しておいた自動運転のバスがハウスの前に到着した。ランチのあとリニアに乗って東京に帰る者たちは、キャリーバッグと一緒に迎えのバスに乗り込んだ。

小さなショルダーバッグだけで身軽な瑠夏は、いち早く乗り込むと窓際の席を確保した。すると隣に茜が座ってきたので、すぐに聞いてみる。いつもなら「KEYABINGO!」の打ち合わせを、ベマーズの人たちと一緒にシェリーのマンションでしている頃だなと頭をよぎる。


◇続く