新説『マジすか学園4』
#3894『そのアイドル、天然につき44 防波堤の抵抗勢力』
念願だったフォトジェニック賞に輝いたものの、胴上げされたままプールに落とされた瑠夏。バラエティーだからと頭を切り替えて悪態をつき、場を沸かせた。
🏯名古屋最強アイドルチーム
シャチホコセブン 7人
由美子(瀧野由美子)
瑠 夏(井上瑠夏)
らぶりん(中野愛理)
ユ ナ(小畑優奈)
初 夏(歌田初夏)
⚓防波堤に行こうチーム
陽 菜(橋本陽菜)
まなか(田口愛佳)
くるみ(鈴木くるみ)
麟 (岡部 麟)
おだえり(小田えりな)
はたごん(髙畑結希)
ちかこ(松本慈子)
優莉奈(行天優莉奈)
千 穂(石田千穂)
心 愛(甲斐心愛)
沖ちゃん(沖 侑果)
さやか(高雄さやか)
🍎東京から来た白雪姫チーム
欅坂46 6期生 10人
美 音(向井地美音)
菅 原(菅原茉椰)
するとまだプールの中にいるのに、くれなが次の進行を始めてしまう。
『るーちゃんのことはほっといて、MVPを発表しまーす!みんな、もう分かっていますよねー。騎馬戦と対抗リレーで大活躍し、白雪姫チームを優勝に導いたリョウちゃんです!リョウちゃん、おめでとう!』
優勝した白雪姫チームの真ん中に立っているリョウが、みんなから祝福されるシーンを瑠夏はプールから見つめる。名前も知らない葉っぱで作られた王冠を被せられ、笑みを浮かべて愛想を振りまくリョウの姿は、瑠夏が見ても羨ましく思える。
くれなが進行を続ける。
『優勝チーム、フォトジェニック賞、MVPが決まったところで、このあとはいよいよ罰ゲームです!ドベになった防波堤チームのみんなは一歩前に!今から罰ゲームの全力ラジオ体操第2をやってもらいます!』
ここで瑠夏はこっそりとプールサイドに上がった。罰ゲームを行うのは、ヤンキーチームの5人、カムカムフレイバーの3人、そしてSTUでんつの4人だ。特にSTUでんつにとってはかなりハードルが高い難関なので、どんな対応を見せるのか楽しみだ。するとSTUでんつの心愛が手を挙げた。
『はい、はーい!ちょっと待って!くれにゃんは肝心なことを忘れとるよ。水泳大会なのに選手宣誓をやってないやろー。やっぱ選手宣誓をやらないと、アイドルの水泳大会とは言えないよね!なんで今からうちらが選手宣誓の舵を切ろうと思う!』
『はっ?今さら何を言ってるの。選手宣誓をやって、放送時間が終わるまで引っ張ろうって作戦?それは甘いな。選手宣誓はしなくていいから、早く罰ゲームの準備をして!』
『そんなぁ…。だったら由美子にお願いがある!私に代わって全力ラジオ体操第2をやってくれん?あー、あと千穂ちゃんと沖ちゃんとさやかちゃんの代わりに、みちゅと舞羽と舞Qに頼むね!』
『そんな訳にいきません!みちゅたちは水着じゃないでしょう。それじゃあ罰ゲームにならないじゃん』
『だったら由美子が1人でうちら4人分の全力ラジオ体操第2をやってくれるから!』
『それもムリです!ドベになったチームのみんながやる罰ゲームなんで、代役は認めません!それでは音楽の方をお願いします!』
心愛の訴えは認められず、ついにラジオ体操第2の軽快な音楽がプールサイドに流れてきた。何としてもやりたくない心愛が、美月に手招きして助けを求める。釣られるようにして近付く美月、舞羽、舞Qの3人。心愛がひと言だけ言葉を掛けると、メンバー7人が並んだ。そして始めたのはラジオ体操第2ではなく、STUでんつのデビュー曲「暗闇」のダンスだ。それをラジオ体操第2の音楽に無理やり合わせて踊る姿がおかしくて、プールサイドが笑いに包まれる。
想定外に盛り上がっているので、くれなは止めに入らず任せることにした。ヤンキーチームとカムカムフレイバーのみんなは、罰ゲームを免れそうで喜んでいる。
やがて音楽が終わってしまったので、「暗闇」のダンスもフェードアウトするように終わりを告げた。
◇続く