新説『マジすか学園4』
#3850(14/15話)『アイドルに転職は難しい200 せなたんへの想い』
「SF翼のない白雪姫(32/33話)」
<ブラックシープス>
白雪姫・みーおん(AKB48 向井地美音)
アツリーヌ(前田敦子)
さーなん(髙寺沙菜)
小林由依
今泉佑唯
守屋 茜
志田愛佳
平手友梨奈
長濱ねる
リョウ (北川綾巴)
カチドキ(堀 未央奈)
長沢菜々香
渡辺梨加
音 葉(町 音葉)
ユ キ(矢作有紀奈)
モ エ(矢作萌夏)
<うどん はた屋>
よこにゃん(SKE48 北川愛乃)
はたごん(SKE48 髙畑結希)
ちかこ(SKE48 松本慈子)
優莉奈(AKB48 行天優莉奈)
<都会のアイドル>
ゆうゆ(大谷悠妃)
<異形のミュータント>
舞 香(=LOVE 佐々木舞香)
せなたん(∴ヒロイン転生 星乃宮せな)
アツリーヌを筆頭にして原因を探ると、床に置かれた何着もの服だ。どういうことだろうとモエは考えたが、すぐに思い出した。初めてせなたんを寮に招いた日の帰り際、服をあげると言った。結局はサイズが合わなかったので、代わりにみーおんがあげることになった。その後も何着か渡しているのを見た。その服が綺麗に折り畳んで返されている。
服の持ち主である白雪姫が声を上げる。
『せなたんが置いてったんだ!ここまで来たんだったら、どうして会ってくれないんだろう…』
気に掛ける白雪姫とは反対の考えを持つ者もいる。茜だ。
『そりゃあ、あんな正体を隠してうちらに近付いただけでなく、カプセルを利用してこの街を乗っ取って、街の人たちを奴隷みたいに使おうとしてたのがバレたんだから、合わせる顔がある訳ないでしょ!』
モエがせなたんを庇う。
『でもそれって、ゆうゆが勝手に言っただけの話でしょ。真相はどうか分からないよ』
茜が語気を強める。
『だったら都会からわざわざやって来たあの警察隊は何だったの?ミュータントを全滅させるためじゃない!悪巧みをしてたんじゃなかったら、あんな攻撃までしないと思うけど』
茜の言い分がもっともなので、モエが口ごもった時、さーなんが突然喋り出した。
『せなたん!そこに隠れてるんでしょ。出て来てよ!』
これでみんなの動きが止まる。さーなんが言うことに間違いはないはずなので、緊張が高まる。今日の朝まで会っていたせなたんは人間に合わせた姿だったが、その正体は想像を絶する異形の生物だった。
さーなんが視線を向ける柱の向こうから姿を見せたのは、見慣れた"せなたん"の方だ。服は初めて会った時の着古した物で、さすがに誰も声を掛けられない中、せなたんの方から喋り始める。
『みーおん。可愛い服をありがとうね。もう必要ないから返しに来たよ』
かろうじて白雪姫が返事をする。
『必要ないって、どういうこと?もう私たちのところに来てくれないの?』
愛佳が『当たり前じゃん。ミュータントなんだよ。うちらのことを騙してたくせに!』と言い放ったので、せなたんが愛佳の方を見る。ついさっき頑丈な捕獲網を切り裂いた光線のことがあるので、愛佳とその近くの者は思わず腰が引けてしまう。そして、せなたんが答える。
『ミュータントと呼ばれてるみたいだけど、私たちはミュータントなんかじゃない。私は生まれた時からあの姿だったの。あれが普通なの。それに街を乗っ取ったり、街の人たちを奴隷みたいに使おうとしたって言われるけど、それはずっと昔の私たちが、この地上の人たちにやられたことなんだよ!』
すかさず茜が言い返す。
『そんな昔のことを言われたって、今のうちらには関係ないじゃない』
『そうなんだけどね。だからもうこの街には来ないよ。今度はもっと遠く離れた別の土地に行こうと思ってる』
茜と愛佳が呆れて言葉を失うと、代わりにモエが話し掛ける。
『じゃあ聞くけど、どうしてカプセルを盗むフリしてまで、モエたちに近付いたの?』
せなたんがモエの方を向く。
◇続く