新説『マジすか学園4』
#3850(10/15話)『アイドルに転職は難しい200 音葉の気持ち』
「SF翼のない白雪姫(28/33話)」
<ブラックシープス>
白雪姫・みーおん(AKB48 向井地美音)
アツリーヌ(前田敦子)
さーなん(髙寺沙菜)
小林由依
今泉佑唯
守屋 茜
志田愛佳
平手友梨奈
長濱ねる
リョウ (北川綾巴)
カチドキ(堀 未央奈)
長沢菜々香
渡辺梨加
音 葉(町 音葉)
ユ キ(矢作有紀奈)
モ エ(矢作萌夏)
<うどん はた屋>
よこにゃん(SKE48 北川愛乃)
はたごん(SKE48 髙畑結希)
ちかこ(SKE48 松本慈子)
優莉奈(AKB48 行天優莉奈)
<都会のアイドル>
ゆうゆ( 大谷悠妃)
<異形のミュータント>
舞 香(=LOVE 佐々木舞香)
せなたん(∴ヒロイン転生 星乃宮せな)
ねるとしてもこうなってしまった以上、見分けがつかない舞香に思い入れはない。舞香の人を惹き付けずにおかない容姿は、ただの作り物に過ぎないのだから。ただ出会ってから毎日のように行動を共にし、心の触れ合いがあったせなたんのことだけは気掛かりだ。
すると側で声を上げたのは、毎日のようにせなたんと寮から2人で帰っていた音葉だ。
『せなたんだけでも、助けてあげられないの!?姿かたちは違っていても、せなたんはせなたんだよ!どうしてミュータントになってしまったのか分からないけど、せなたんに罪はないじゃない!』
アツリーヌが言い聞かせる。
『音葉の気持ちは分かるけど、この状態でせなたんを助けようとしたら、私たちまでミュータントの仲間だと思われて、警察に攻撃されると思う。せなたんのことは諦めて!もう誰がせなたんなのかも分からないし!』
アツリーヌに頼んでも無理だと判断した音葉が、別の者を頼る。
『さーなん!さーなんだったら何とかできるでしょ!せなたんを見つけるのが難しいなら、全員を安全な場所に移動させて、もうこんなことはやめるようにと説得すればいいじゃない!音葉も協力するから!』
『う〜ん‥。そんなにうまく行くかなぁ…』
音葉に迫られ、さーなんが困り果てているので、今泉が助言する。
『それはちょっと無理じゃないの。そんなことを都会の警察が許すとは思えないよ。逆に逃げ出すんじゃないかと思われて、もっと酷い攻撃を受けるに決まってる。今なら捕まるだけみたいだから、まだ方法は残されてるんじゃないかな』
今泉が言う通りだと思う音葉が、しゃがみ込んで頭を抱え込んでしまった。
そんな様子を見ている、ねる。もはや仕方ないだろうと考えていたら、突然周りが騒ぎ出した。原因を確かめると、どこに姿を消しているのだろうと思っていたモエが、網の中にいるではないか。瞬間移動したのだろうとすぐに分かったが、ミュータントたちの中に紛れ込んでいるため、誤って捕獲されたと周りの人たちは受け取ったようだ。
もがいているミュータントたちの中に、モエが混じり込んだ。周囲で悲鳴のような声が上がっているが、ねるはモエの意図を理解した。自分自身が網の中にいることで、警察隊にこれ以上の攻撃を控えさせることだ。
モエの思惑通りになり、次の攻撃に出られなくなった警察隊の中で、怒号が飛び交っている。取りあえずモエの作戦が成功した。そこでねるが目を凝らしてみると、モエはミュータントに話し掛けている。10人余りの中からせなたんを見つけ出そうとしているらしい。さらには人混みの中からユキが走り出し、網の前に立ちはだかった。身を挺して妹を守ろうとする気だ。
モエとユキの行動を見て、音葉だけでなく、リョウとカチドキ、それに今泉と由依までもがそこに加わろうと話しているので、アツリーヌが止めに入る。
『みんな待って!今はあの2人に任せるしかない!私たちが加わったら危なすぎる!モエとユキちゃんは私たちとは違うんだから、何が起きたとしても切り抜けられるはずだわ!だから動かないでここにいて!』
アツリーヌの勢いに、みんなが思い留まった。
◇続く