新説『マジすか学園4』
#3850(5/15話)『アイドルに転職は難しい200 姿を見せたアイドル』
「SF翼のない白雪姫(23/33話)」
<ブラックシープス>
白雪姫・みーおん(AKB48 向井地美音)
アツリーヌ(前田敦子)
さーなん(髙寺沙菜)
小林由依
今泉佑唯
守屋 茜
志田愛佳
平手友梨奈
長濱ねる
リョウ (北川綾巴)
カチドキ(堀 未央奈)
長沢菜々香
渡辺梨加
音 葉(町 音葉)
ユ キ(矢作有紀奈)
モ エ(矢作萌夏)
<うどん はた屋>
よこにゃん(SKE48 北川愛乃)
はたごん(SKE48 髙畑結希)
ちかこ(SKE48 松本慈子)
優莉奈(AKB48 行天優莉奈)
<カプセル販売員>
舞 香(=LOVE 佐々木舞香)
<謎の女の子>
せなたん(∴ヒロイン転生 星乃宮せな)
朝10時から、街の体育館で第4弾カプセルの発表会が始まった。
舞香に指名されたせなたんが演壇に上がってカプセルを飲むと、願い通りに自然の楽園が再現され、小動物と戯れ始めた。これを見て、体育館内から称賛の声が上がっている。
そんな瞬間、ねるは視界の端で体育館の隅を走り抜け、演壇に向かう女性の姿を捉えた。それはここ最近、顔を見せなかった都会のアイドル・ゆうゆだ!
ゆうゆは演壇のすぐ側で立ち止まると、マイクがなくても良く通る声で訴えた。
『みなさん、騙されちゃダメです!このカプセルは陰謀です!最初のうちは楽しい思いをさせて信じ込ませ、最終的に人間を破滅に追い込むんです!奴らの陰謀は、この街を乗っ取ることです!』
突然現れたゆうゆが、とんでもないことを口走った。自分たちの仲間や、ここに集まった大勢の人たちもゆうゆの言葉を聞き、頭が混乱しているようだ。ここでねるはもう1歩踏み込んで考える。ゆうゆは都会でアイドルをやっていて、数カ月前にはブラックシープスとして都会に招待されて冠番組に出演したのはいいが、ニセの心霊特集で、さーなんやユキとモエの霊能力を視聴率稼ぎの見世物にされかけた。もしかすると、これも都会のテレビ局が仕掛けたニセ番組なのではないか。ゆうゆがこの間、ずっと姿を見せなかったことにも納得がゆく。だがもっと深く考えてみると、こんな大掛かりなことが、テレビ番組の企画だなんて有り得ないと気付いた。ゆうゆが訴えていることは真実なのだろう。そんなゆうゆの登場で舞香がどう出るのか、ねるは注目する。
演壇では自然の楽園が消え失せてしまい、せなたんが1人ポツンとその場に座り込んでいる。そして舞香が選んだ手段は、ゆうゆと議論するのではなく、ゆうゆの追放だ。側にいる担当者たちに指示を出した。全員が一斉にゆうゆの方へと向かって行く。ゆうゆ1人ではすぐに捕らわれてしまうだろう。抵抗すれば怪我だってしかねない。危険を顧みずに現れたことを考えると、今はゆうゆを助けるべきだとねるは思う。それでもこれだけ大勢の人たちが集まっている中、たった1人で抗議に出るゆうゆを見て、身の安全からためらってしまう。
そんな中、孤立無援のゆうゆに駆け寄ったのは、はたごんだ。すぐ後ろに優莉奈とよこにゃん、それにちかこがいて、「はた屋」の4人がゆうゆの援軍になった。その直後、販売会社の担当者たちが詰め寄り、両者の睨み合いに発展した。人数ではゆうゆたちをかなり上回っているものの、街の人々が見ている前なので、今のところ手荒な行動には出ないようだが、ゆうゆをここから追い出そうという気が満々だ。ねるはともかく近くに行ってみようとするが、出遅れたせいで人が密集してしまい、なかなか前に出られない。
◇続く