#3840『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3840『アイドルに転職は難しい190 計算されていた需要』



「SF翼のない白雪姫(9/33話)」


<ブラックシープス>

白雪姫・みーおん(AKB48 向井地美音)

アツリーヌ(前田敦子)

さーなん(髙寺沙菜)

小林由依

今泉佑唯

守屋 茜

志田愛佳

平手友梨奈

長濱ねる

リョウ (北川綾巴)

カチドキ(堀 未央奈)

長沢菜々香

渡辺梨加

音 葉(町 音葉)

ユ キ(矢作有紀奈)

モ エ(矢作萌夏)


<うどん はた屋>

よこにゃん(SKE48 北川愛乃)

はたごん(SKE48 髙畑結希)

ちかこ(SKE48 松本慈子)

優莉奈(AKB48 行天優莉奈)


<カプセル販売員>

舞 香(=LOVE 佐々木舞香)



「睡眠圧縮カプセル」に支配された活況が1カ月以上過ぎると、街全体にこれまでとは全く反対の考えが生まれ始めた。活気に溢れて行動していた反動で、人々が求めたのは休息だった。


そんな頃、このタイミングを見計らっていたかのように、第2弾のカプセルが販売されることになった。


そして発売当日の朝を迎えた。1回目と同じ、さーなん、ねる、モエ、白雪姫、アツリーヌが自ら買いに行くと志願し、朝6時半に寮を出た。


誰にも話を聞かれる心配がないので、モエが歩きながら切り出す。

『今日も舞香ちゃん、来てるかなぁ。この前はねるちゃんだけ話してたけど、今日はモエも話がしたいなぁ』

白雪姫のお伴をするアツリーヌ以外の者が早朝からの苦行にもかかわらず購入役を買って出たのは、この街ではお目にかかれないような舞香という魅力的な女性にもう1度会ってみたいからだった。前回会話したのはねるだけなので、モエはそんな気持を強く持っている。そこにさーなんが加わる。

『カプセルの会社で働いてるんだから、きっと今日も来るよ。あんなに綺麗な人はめったにいないから、私も楽しみだな』

モエがさーなんに聞く。

『舞香ちゃんは、何歳くらいだろう』

『そうだなぁ。私と一緒くらいじゃないかな』

『さーなんって何歳になるの?』

『うーん。私の年齢は止まってるからなー。モエもそうでしょ』

『うん。そうかもね』

ここで、ねるが会話に加わる。

『モエは実際のところ、200歳を超えてるでしょ。みーおんとアツリーヌもだから、この中で1番年下なのは私だね』

モエが『1番年下なのに態度は大きいよね』と突っ込んだので、周りが笑いに包まれた。



30分程歩いて広場に着いた。前回同様、白いテントが張られた特設売り場が見えるものの、明らかに違う点は行列になっていないところだ。わざわざ早朝から並ばなくても入手可能だと前回分かったことが理由なのだろうと、ねるは判断した。


一行はそのまま進み、売り場のすぐ前まで来たところで、その場に座り込んだ。自分たちの前には10数人が並んでいる程度だ。


しばらくすると前回も見た揃いのウインドブレーカーを着た関係者が何人も現れ、カプセルが入っていると思われるダンボール箱の搬入を始めた。そんな様子を横目に見ながらねるは考える。前回の睡眠圧縮カプセルと今日発売されるカプセルは、元々セットで開発されたのではないだろうかと。もしそうではないとしても、このカプセルが求められるだろうということは、予想がついたはずだ。カプセルの名前はとてもややこしいが、要は見ている夢の中で、自分の好きなように動き回れるというのが売りだ。寝付きの良さと目覚めた時の快適さは引き継がれているらしいので、申し分ないと思う。前回同様金貨3枚で買えるという安さも魅力だ。


すると側でモエが立ち上がり、騒ぎ出した。何が起きたのだとねるが思ったら、目当ての舞香が現れたので、モエが慌てて声を掛けたようだ。舞香が戸惑っているので、ねるが立ち上がって『おはようございます』と挨拶しておく。舞香と話したことがあるのは自分だけだ。すると舞香が思っていた通りの反応をする。

『あー。この前の方ですね。おはようございます。今日も1番乗りで来てくださって、ありがとうございます』

ねるが答える。

『はい。この前のカプセルは凄く役立っています。街の賑わいが増しているし、私たちも充実した毎日を過ごせています。それで今度は、夢の中で好きなように動き回れるってことですよね』

目を輝かせる舞香。

『はい。そうなんです。当社がもっと研究を重ね、睡眠圧縮カプセルの次にこちらを開発しました』


ここでねるが気付くと、周りの人たちも立ち上がり、舞香を取り囲む形になった。今日はこの前みたいな行列になっていないため、舞香に余裕があるように見えるので、この機会にいろいろ聞いてみようと思ったら、モエに先を越された。

『舞香さん。夢の中で自由に行動できるというのは、どんな仕組みになっているんですか。実はモエも1年に1、2回くらい夢の中でこれは夢だなって気付くことがあるんです。そんな時は自由に飛び跳ねたり好きなことをするんですけど、すぐに夢が終わっちゃうんです』

舞香は自分の名前を呼ばれたことに驚くような表情を見せたが、特にこだわる様子もなく、モエの方を向く。



◇続く