#3839『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3839『アイドルに転職は難しい189 支配された活況』



「SF翼のない白雪姫(8/33話)」


<ブラックシープス>

白雪姫・みーおん(AKB48 向井地美音)

アツリーヌ(前田敦子)

さーなん(髙寺沙菜)

小林由依

今泉佑唯

守屋 茜

志田愛佳

平手友梨奈

長濱ねる

リョウ (北川綾巴)

カチドキ(堀 未央奈)

長沢菜々香

渡辺梨加

音 葉(町 音葉)

ユ キ(矢作有紀奈)

モ エ(矢作萌夏)


<うどん はた屋>

よこにゃん(SKE48 北川愛乃)

はたごん(SKE48 髙畑結希)

ちかこ(SKE48 松本慈子)

優莉奈(AKB48 行天優莉奈)


<カプセル販売員>

舞 香(=LOVE 佐々木舞香)



都会で大人気になっている「睡眠圧縮カプセル」を最初に試し、効果抜群のアツリーヌを見て、これで安全だと確信した何人かが昼食の準備を放ったらかしにして、カプセルの元に駆け寄った。


アルミシートからカプセルを取り出し、コップの水で口に流し込んだのは、最初に「はた屋」でカプセルの情報を耳にした今泉、由依、茜、愛佳の4人だ。そしてこの部屋にある2つのソファーを独占してしまったので、リョウとカチドキ、梨加と菜々香はカプセルを飲んだあとに眠る場所を確保するため、カプセルとコップを持って自分たちの部屋に向かった。


残っているのは平手とねる、あとは白雪姫とさーなん、ユキとモエ、そして音葉だ。アツリーヌは1人で昼食の準備に取り掛かった。ここでさーなんが音葉に振ってみる。

『音葉はカプセルを飲まないの?』

音葉が首を傾げながら答える。

『飲まないことはないよ。アツリーヌ以外の子たちも、みんな安全だって分かってから飲むよ』

さーなんがクスッと笑う。

『慎重派だね』

『さーなんはどうなの?』

『私?そうだなぁ。あんまりみんなが一斉に寝てしまうのも困りものだから、もう少しあとにしようかな。お昼の食事当番だし』


ここで白雪姫があることに気付く。

『あーっ、そうだ。カプセルを飲めば30分寝てるだけで1日過ごせるんだよね。じゃあ、食事はどうするの。回数が増えちゃわない?夜ご飯を食べてから翌朝まで何も食べずにいられるかなぁ』

ねるも忠告する。

『16人もいて毎日カプセルを飲んでいたら、1日中誰かが必ず起きてるって状況になるでしょ。何かもう生活がグチャグチャになりそう。みんなでルールを決めないとね』

ここでユキが冷静な口調で喋り始める。

『私、前から思ってたんだけど、カプセルを飲んですぐに眠たくなって、目覚めたあとも気分爽快でやる気がみなぎるというのはいいんだけど、今まで7時間寝てたのが30分で済むとして、あとの6時間半でそんなにやることあるかな。1日中外が明るいんだったらまだしも、夜中に出歩くというのも危険だし』

ユキの意見が正論に思えてしまい、みんなが黙り込んでしまうが、やっとねるが喋り出す。

『うちらは毎日、自分たちのペースで暮らしてるからカプセルのありがたみをあまり感じないだけで、街や都会で毎日忙しく仕事している人たちには必要なんだよ。あまり深く考えない方がいいんじゃないの』

『それもそっか』

ユキが取りあえず納得したところで、昼の準備をアツリーヌだけに任せる訳にいかないし、カプセルで眠ってしまった者たちは当てにできないので、7人は席を立ってアツリーヌがいる台所に向かった。



それから1週間程が経った。カプセルで得られる効果は凄まじく、最初は懐疑的だったユキやねるら数人も、カプセルを飲み続ける結果になった。寮ではみんなで話し合って、カプセル服用時のルールを作った。


街の方では、深夜になっても出歩く人が増えたお陰で活気が増し、趣味や娯楽に飲食など街全体の発展に繋がり、経済効果はかなりのものになった。カプセルさえ飲めば30分の睡眠でやる気がみなぎるので、こんなにありがたい話はない。



ところがそんな暮らしが1カ月以上続くと、街全体にこれまでとは全く反対の考えが生まれ始めた。活気に溢れて行動していた反動で、人々が求めたのは休息だ。カプセルで眠っている30分間に夢は全く見ない。以前のように夢を見ながらの睡眠を懐かしく思うが、癖になってしまったカプセルをなかなか手放せないといった空気の中、新たな噂が街中に広がった。第2弾のカプセルが発売されるのだと。それは人々の気持ちがこのように心変わりすると予想していたかのようなカプセルで、第1弾を上回る程の関心と期待を集める結果になった。


噂が伝わって1週間後に、第2弾のカプセルが発売されると決まった。時間は同じ朝8時からで、寮を出るのは6時半。1時間程、列に並ぶ苦行だが、1回目と同じ、さーなん、ねる、モエ、白雪姫、アツリーヌが自ら買いに行くと志願した。それ以外の者たちはなぜこの5人が率先して動いてくれるのか不思議に思ったが、面倒な仕事を引き受けてくれるので、理由を聞き出そうとする流れにはならなかった。


そして発売当日の朝を迎えた。



◇続く