#3833『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3833『アイドルに転職は難しい183 夢のカプセル』



「SF翼のない白雪姫(2/33話)」


<ブラックシープス>
白雪姫・みーおん(AKB48 向井地美音)
アツリーヌ(前田敦子)
さーなん(髙寺沙菜)
小林由依
今泉佑唯
守屋 茜
志田愛佳
平手友梨奈
長濱ねる
リョウ (北川綾巴)
カチドキ(堀 未央奈)
長沢菜々香
渡辺梨加
音 葉(町 音葉)
ユ キ(矢作有紀奈)
モ エ(矢作萌夏)

<うどん はた屋>
よこにゃん(SKE48 北川愛乃)
はたごん(SKE48 髙畑結希)
ちかこ(SKE48 松本慈子)
優莉奈(AKB48 行天優莉奈)


「はた屋」を訪れている今泉、由依、茜、愛佳の4人。

近くのテーブルでお喋りしている男たちの会話から、あるカプセルが都会で大人気になっていると知った。どんなカプセルなのか男性客に聞こうとした今泉だったが、タイミングを逃してしまったので、まずはうどんを食べることに集中した。


やがてうどんを食べ終わった。店内は繁盛しているし、男性客は既に帰ってしまったので、4人は代金を払って店を出た。外で時間を潰して、店が空いた頃にもう1度訪問し、優莉奈にでも話を聞けばいいだろうとの判断だ。今日は路上ライブに出ないので、時間は十分にある。


街の中心部に行って雑貨屋を2、3軒見て回り、1時間近く経ってから「はた屋」の前に戻った。今泉がのれんを分けて店内を除くと、まだ数組のお客がいる。そんなところで話を持ち出すのは気が引けるので、裏の通用口に回った。ここから直接厨房に行けば、はたごんとちかこがいるはずだ。気が強い優莉奈に聞くより、この2人の方が話を聞きやすいだろうというのが4人の総意だ。

今泉が先頭でガラス戸をコンコンと叩き、『こんにちは〜』と言って右側に動かすと、出し汁のいい匂いが鼻に伝わってくる。ついさっき食べたばかりなのに、食欲をそそる匂いだなと今泉は再認識してしまう。

厨房には予想通りはたごんとちかこがいる。注文は全て出し終わったらしく、後片付けに取り掛かっている最中だが、2人揃ってこちらを向き、はたごんが声を掛けてくる。
『あれー。さっき、お店で食べてたじゃない。どうしたの〜』
ちかこが『苦情だったら受け付けないから』などと冗談を飛ばして笑っているが、今泉はすぐに切り出す。
『2人に教えて欲しいことがあるの。私たち、山の方で暮らしてるから最新情報に疎いんだよね。さっき他のお客さんたちが、都会で人気になってる夢のカプセルというのが凄いと話してたけど、その内容がよく分からないの。夢のカプセルって何?教えて。知ってるでしょ』

はたごんとちかこがニンマリしてから、ちかこが喋り始める。
『相変わらず情報が遅れてるね。カプセルのことを知らない人がいるなんて思わなかった』
随分と上から言ってくるなと今泉が思ったら、茜がすぐに言い返す。
『こっちは毎日忙しい日々を過ごしてるから、いちいち情報を追い掛けてる暇なんてないの。だけど夢のカプセルなんて聞いたら気になるじゃない』
『なるほどね。夢のカプセルは今都会で人気になってるらしいけど、言ってみれば健康食品みたいな物かな』
『健康食品ってどういうこと?』
ちかこに代わり、はたごんが詳しく教えてくれる。
『そのカプセルを飲むと、すぐに眠くなって30分寝ただけで目覚めもさっぱりして、8時間寝たのと全く同じ満足感を得られて、睡眠の濃度が濃いから普通に寝るよりも健康にいいんだって。だから睡眠圧縮カプセルと呼ばれてるらしいよ』
すぐに反応する今泉。
『えーっ!そんなにいい物が都会で売られてるのー。何とかして手に入らないかなぁ』
素直に信じる今泉だが、由依はそうでもない。
『そのカプセルって、本当に信頼していいの?!あとでとんでもない後遺症が出たりしない?私はそんなカプセルに頼らず、8時間ぐっすり眠った方がいいなぁ』

そこで突然会話に加わるのは優莉奈だ。厨房に持って来たお盆の上には、空になった丼が4つ乗っている。
『あんたたちさっきうどんを食べに来て、何で今は厨房にいるのー。まぁいいけど、由依ちゃんの考えはまだまだだな。カプセルを飲めば実際に8時間寝たのと同じ満足感を得られるだけでなく、1度も目が覚めることなく30分熟睡できて、その上目覚めもバッチリなんだから、こんないい物、他にないじゃない』
愛佳がすぐに飛び付く。
『私、それ欲しい!前から思ってたんだよね。一生のうちで3分の1も寝てるなんて無駄じゃないのかなーって。都会に行けば買えるの?1日掛かりになっちゃうけど、買いに行こうよ!』
よこにゃんがいつの間にか側に来ていて、嬉しい情報を教えてくれる。
『それが来週いよいよこの街で一斉発売されるんですよ♪1日掛けて都会まで買いに行く必要がないので大助かりです♪』
愛佳は歓声を上げるが、茜は疑って掛かる。
『う〜ん。何でもかんでも食い付いちゃって大丈夫なの。何か裏があったりしない?』
そこで優莉奈に言われてしまう。


◇続く