#3832『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』


#3832『アイドルに転職は難しい182 気になる会話』



「SF翼のない白雪姫(1/33話)」


<ここまでのあらすじ>

雪崩による氷漬けから200年ぶりに目覚めた白雪姫(向井地美音)と、白雪姫を守る戦士のアツリーヌ(前田敦子)は、生き霊のさーなん(髙寺沙菜)に出会った。


白雪姫たち3人は、金貨と引き換えに親元から見捨てられ、過酷な労働と虐待に遭っていた10人の少女たちを助け出すと、少女たちが暮らしていた寮で一緒に寝泊まりするようになった。全員で始めた路上ライブはとても人気がある。


さらに父親との過酷な路上芸で生計を立てていた音葉(町 音葉)と知り合い、行動を共にするようになった。運動神経が発達している音葉は歌とダンスの覚えが早く、すぐにみんなと一緒に路上ライブをこなすようになり、今では屈指の人気を誇っている。


ある日、寮をリフォームしていたみんなは、ずっと以前この地区が戦争に巻き込まれた時代に、寮の部屋で命を失ったユキ(矢作有紀奈)とモエ(萌夏)という姉妹の存在を、見つけた日記帳を読んで知った。さらにここから山をひとつ越えた場所に、白雪姫とアツリーヌがかつて暮らしていた国があったことを、ユキがモエに書き残した手紙で知った。そして過去と現在を行き来して、仲間の絆は一層深まった。


その後、街の一角に「うどん はた屋」がオープンし、誰もがその味の虜になった。店で働くよこにゃん(北川愛乃)とはたごん(髙畑結希)と仲良くなったが、実は優莉奈(行天優莉奈)の管理下に置かれ、過酷な条件で働かされているのだと知った。

そんな中、優莉奈の配下にある組織に騙され、身体を売る仕事から逃げ出して来たちかこ(松本慈子)を保護した。ちかこを守るため、みんなで優莉奈のアジトに乗り込んだ。ところが優莉奈の上にいる黒幕が、よこにゃんだと明らかになった。よこにゃんのヌンチャク攻撃からリョウを庇おうとしたはたごんが大怪我を負った時、ようやく警察がやって来て、よこにゃんと優莉奈やその部下たちが連行された。

数日後、はたごんの復帰を待って、ちかこが一緒に「うどん はた屋」の営業を再開することになった。だが「はた屋」には、はたごんとちかこだけでなく、被害届が提出されないので、警察から釈放されたよこにゃんと優莉奈が加わっていた。心を入れ換えて働くと言う2人のことを、みんなは許したのだった。


都会でアイドルをやっているゆうゆ(大谷悠妃)は、番組のモニタリング企画で、妖精になって街に出没していた。そのクライマックスで空中に浮遊し、集まった人々をもてあそんでいたら、ジェット装置が故障して墜落寸前の大ピンチに陥った。それを救ったのがさーなんで、このモニタリングに唯一協力していたはたごんも手助けした。


ブラックシープスのみんなはゆうゆに声を掛けられ、田舎街で人気を集めている路上ライブのグループとして、都会で放送されているゆうゆの冠番組に出演することが決まった。ゆうゆが大好きな「うどん はた屋」の4人も一緒だ。

1泊2日で出掛けることになり、1日目はテレビ局で働くゆいり(村山彩希)とせなたん(石綿星南)に案内してもらい、初めての遊園地と都会観光を満喫した。

その日の夜、今泉と由依ら10人は、こっそり都会のホテルを抜け出し、夜の歓楽街へ遊びに出掛けた。向かったのは3D体感シアターだったが、そこを出たあとクラブで知り合ったひな乃(青海ひな乃)と君江(赤堀君江)が、実は賞金が懸かったレプリカントだった。そしてハンティングゲームに取りつかれた群衆の中に、「はた屋」の4人がいた。その結果大混乱に発展し、助けに来てくれた白雪姫やさーなんたちを含む大勢の犠牲者を出してしまったが、実際は1人だけ45分コースの中級レベルに設定した由依が体感していた、3D映像の世界が続いていたに過ぎなかった。

翌日、みんなはゆうゆの番組に出演。ブラックシープスは路上ライブで人気の「翼はいらない」を歌い、「はた屋」の4人は都会にはないうどんを作って好評だったが、後半に行われた心霊特集の降霊会にさーなん、ユキ、モエが利用された。視聴率挽回のためにゆうゆが考えたシナリオを見破った3人が怒り出し、スタジオを混乱に陥れたまま、テレビ局をあとにしたのだった。


都会から帰ってしばらくすると、田舎街に3D体感シアターが完成して大人気となり、そこではゆいりとせなたんが働いていた。だが実際は都会の企業が画策する仮想現実の人体実験だったために、やがて破綻。最後は証拠隠滅のためシアターが爆破されて終わった。


街にラブイコールサーカスがやって来た。ヒロインの舞香(佐々木舞香)とピエロのせなたんが人気を集めるが、実はかつて地震による崖崩れで命を落とした、浮かばれないサーカス団員たちの所業だと分かった。


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<ブラックシープス>
白雪姫・みーおん(AKB48 向井地美音)
アツリーヌ(前田敦子)
さーなん(髙寺沙菜)
小林由依
今泉佑唯
守屋 茜
志田愛佳
平手友梨奈
長濱ねる
リョウ (北川綾巴)
カチドキ(堀 未央奈)
長沢菜々香
渡辺梨加
音 葉(町 音葉)
ユ キ(矢作有紀奈)
モ エ(矢作萌夏)

<うどん はた屋>
よこにゃん(SKE48 北川愛乃)
はたごん(SKE48 髙畑結希)
ちかこ(SKE48 松本慈子)
優莉奈(AKB48 行天優莉奈)

<都会の人気アイドル>
ゆうゆ(SKE48 大谷悠妃)


ある日の朝、寮で暮らすみんなが珍しく朝6時に目を覚ました。今までこんなことはなかった。理由はただ1つ。遠く離れた都会で流行している夢のカプセルが、とうとうこの日、田舎街で発売されることになったからだ。

最初にカプセルについての噂が飛び込んできたのは、みんながよく食べに行く「はた屋」だった。都会の様子をなかなか知ることができない中、街にある「はた屋」でのお客たちの会話が、大事な情報源になることがよくある。


今から1週間程前、今泉と由依、茜と愛佳という仲良しのペア2組が一緒になって「はた屋」に行った。

その際、近くのテーブルで3人組の男性客がお喋りしている内容が、うどんの出来上がりを待つ4人の耳に入った。その会話は、今都会で売れている夢のカプセルという物が凄いということだけが主張され、一体どんな効果があるのかはよく分からない。男性客たちは効果を知っているので、わざわざ口に出して言わないようだ。

今泉が正面に座っている茜と愛佳に視線を送ってみると、やはり2人も興味津々で耳を傾けているみたいだ。すると隣の由依に脇腹を突付かれた。カプセルにどんな効果があるのか聞いてみてくれという意味だと理解した。今泉の席からは、1つテーブルを挟んだ向こうに座っている3人組が見える。周りの耳も気にせず喋っているということは、そんなに秘密めいたことではないのだろうと、今泉は判断する。自分たちは街から離れた山里の寮暮らしなので、情報が遅れているということは自覚している。それなら簡単にカプセルの効果ぐらい教えてくれるはずだ。こっちに押し付けてくる由依には少しイラッとするが、それほど面倒なことではないので、行動に移してみようと決めた。

今泉が腰を浮かした時、視界に入ったのは、うどんを運んでくる優莉奈とよこにゃんだ。男性客たちが待ち構えていたかのように箸を手に取って声を上げるので、今泉はすぐに腰を下ろした。うどんを食べ始めてしまったら、話し掛けるタイミングが難しい。隣の由依も状況を理解したようで、何も言ってこない。正面にいる茜と愛佳は何も言わずに黙っているが、背後で何が起きたか分かっているようだ。もうすぐお昼どきなので次々と来客がありそうで、優莉奈とよこにゃんも忙しくなるだろうなと今泉が考えていたら、2人がうどんを持ってきてくれた。いつもならひと言でも何かお喋りしていく優莉奈が、『お待たせしましたー』以外に何も言わないまま下がった。それを見て、夢のカプセルについては後回しにして、これからの時間はうどんを食べることに集中しようと決めた。


◇続く