#2378『マジすか学園4』 | 第7シーズン

第7シーズン

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新説『マジすか学園4』

#2378『坂道下剋上28 犠牲になった少女たち』


7人の中から脱落者を選ぶ多数決が行われ、まず最初に萌夏が選ばれた。そこでとんでもないことが起きた。宇宙人が手のひらを萌夏の方に向けると、オレンジ色のレーザー光線が発射された。一瞬で萌夏を襲い、頭のてっぺんから足の爪先までがあっという間に燃え尽き、みんなの前から消えていなくなった。ここまで友好的だった宇宙人の暴挙に直面し、多数決を言い出した亜柚香がすぐに抗議する。
『なんてことするの!酷いじゃない!』

宇宙人は亜柚香に対してもレーザー光線を向けた。その一瞬の動きに反応したのは愛理だ。亜柚香を突き飛ばすようにしてレーザー光線から守ったが、今度は愛理自身が標的にされた。AIロボットの機能を駆使して素早く身を交わしたが、追い掛けるように迫るレーザー光線に最後は捉えられ、萌夏と同じく燃え尽きたあとに姿を消した。

自分を助けてくれた愛理が犠牲になり、亜柚香はショックを隠せない。それに愛理はAIロボットだから、何をされても無敵のはずなのに…。こうなったら宇宙人に復讐するしかないので、サイコキネシスを使って吹き飛ばしてやろうと決めた。気持ちを集中して宇宙人に対して念を送ったが、いつものようにはならない。なぜだろうと考えたら、忘れかけていたことを思い出した。今はVRの世界にいるのだと。宇宙人は架空の存在なので、サイコキネシスの対象から外れているらしい。そもそもお金まで払っているのに、随分と危険な目に遭わされるのだなと思い、亜柚香は何だか腹が立ってきた。すると自分の横を走り抜け、宇宙人に直接向かっていった者が2人いた。桜花と初夏だ。この状況で桜花はミラクルトリップを使えないと思うが、ジムに通って格闘技の練習を重ねていることを亜柚香は知っている。以前セントラルブリッジでリョウとカチドキに襲われた時も、余裕を持って対処していた。初夏の方はアンダー16連合の一員でケンカが強いから、何も心配は要らない。2人が宇宙人とどんな闘いを見せるのか興味がある。

ところがVRの世界では、宇宙人の方が上手だった。迫ってくる桜花と初夏に対して一瞬早く両手を向けると、左右から再びレーザー光線を発射した。至近距離にいた2人は交わすことが出来ず、まともに浴びたあと3人目と4人目の犠牲者になった。そのあと宇宙人が言葉を発した。
『👽️コレデ予定シタ通リ7人カラ3人ニ減リマシタ。 アナタタチ3人ヲ ワレワレノ星ニ ゴショウタイシマショウ』

萌夏・愛理・桜花・初夏の4人がいなくなってしまったので、残っているのは亜柚香・のじのじ・ユナの3人だ。その中で、のじのじが2人に同意を得るように聞く。
『どうしよう…。あの宇宙船に乗って宇宙を旅して、別の星に行けるんでしょ。連れて行ってもらおうか』
亜柚香が毅然と言い返す。
『何言ってるの!今アタシたちはVRの中にいるってことを忘れてない?あのニセ宇宙人に騙されてるんだよ。宇宙船なんかに乗ったら、人体実験されるかもしれないでしょ!』
ユナは亜柚香の考えを支持する。
『私もそう思う!つうか、このVRにはウンザリしてきた!もう終了にしてもらいたい。どうやったら終わりになるの?あんたなら知ってるんでしょ。教えてよ!』
ユナが果敢にも宇宙人に向かって行った。萌夏たちには容赦なくレーザー光線を浴びせた宇宙人が、真っ正面から距離を縮めるユナに対して後ずさりしている。ユナはすぐに宇宙人の胸ぐらをつかみ、激しく詰め寄った。


◇続く