昨日に続き、霞が浦・牛久沼・手賀沼 三大池沼走破の旅(二日目)です。
これまた恒例の朝の散歩。ホテルの近くに「正源寺」という立派なお寺があると Google Map さんがいっているので出かけます。

戦国の世も終わり近づく文禄元年(1592年)、当時の牛久城主の由良国繁公により戦で命を散らした人々の菩提を弔う為に七観音八薬師の一つとして創建された曹洞宗のお寺だそうです。

池波正太郎の「鬼平犯科帳。雲竜剣」の中に登場するお寺だそうです。
魔荷車があったので、回してご功徳をもらいました。
チベット語では「マニコロ」と呼ばれ、「マニ」はサンスクリット語で「宝珠」を意味し、「コロ」は「車輪」を意味するそうです。これを回転させることで、お経を読んだのと同じ功徳(仏教的な善行)が得られるとされています。

境内を通り抜け、更に路地を進むと、「南裏(なんり)市民の森」があります。

小高い丘になっていて、雑木林が結構深い公園ですが、すぐ近くまで宅地造成が進んで里山の雰囲気が壊れてしまっています。

ホテルに戻り、朝食です。前回と同じような手作り感満載の朝食でした。
ビジネスホテルですから、周りで食事をとっている人たちは作業服を着て、これから仕事に出かけるぞという雰囲気の人たちばかりです。
その中でカメラを抱えた観光風の自分たちが珍しかったのか、給仕をしてくれたおばさんから、観光ですかとわざわざ声を掛けられました。

さて、チェックアウトして、まずは取手駅前にある奈良漬け屋さん「新六本店」に寄ります。

創業明治元年。大利根水系に育まれた新鮮な瓜、胡瓜・茄子・生姜を素材に地酒から生まれた吟醸粕、味醂粕を用いて、木樽に漬け込み土蔵の中でゆっくりと息づかせ、丹精こめて造った漬物の逸品だそうです(値段はいいけど、たしかにおいしい)。
次は、前回も寄った「道駅 しょうなん」。野菜の直売所はとにかく品数が多くて珍しいものが売っています。大好きな山形のラフランスが買えた!!

そして、前回寄れなかった「鳥の博物館」へ。

我孫子市が手賀沼の環境汚染問題への対応の一つとして、鳥類を通じた自然保護活動を推進する一環で、 山階鳥類研究所が、1984年(昭和59年)に我孫子市へ移転(博物館の裏手にある)。
研究所の創立者である山階芳麿が、「鳥の博物館」を建設する夢を抱いており、当初は研究所の標本を展示する施設として構想されていたが、後に独立した市立博物館(我孫子市運営)として発展したもの。開館当初の館長は、研究所所長の黒田長久(軍師官兵衛の末裔)が兼務していた。
ちょうど「とりホネ展」が催されていました。
博物館がこれまで収集、作成した骨格標本と3Dデータを通して、骨組みという制約の中で環境に応じて鳥の体が変化してきた歴史と、骨の機能美について紹介しています。

「博物館資料としての日本産鳥類標本のコレクションをまず整えることが目標であり、鳥の博物館の存在意義として重要と考えている」とのことで、日本産鳥類を中心とした鳥類の雌雄、成幼、骨格標本を収集し、膨大な博物館資料とされています。

はく製が生き生きとしています。

常設展示では、始祖鳥の化石の復元展示をはじめ、絶滅鳥エピオルニスの卵など貴重な展示があります。また、色・形・大きさなどバリエーションに富む世界の鳥の実物剥製標本を一堂に展示してあり圧巻でした。


3階のテラスからは、手賀沼が一望できます。これから向かう「手賀沼親水広場・水の館」が見えます。

その「水の館」の展望室からの眺め。我孫子市と柏市を結ぶ形のきれいな「手賀大橋」が見えます。

湖面にも河童がいました。

さて、お昼になったので、今回の旅行の目的の一つでもある、鰻を食べに行きます。
江戸時代〜昭和20年頃までは、手賀沼といえば鰻の有名な産地だったそうで、「手賀沼のうなぎは極上!日本一!」とまで言われ、江戸の鰻屋でも珍重されていたそうです。
「西周(さいしゅう)うなぎ店」さん。なんと創業1859年だそうです。

松(2,970円 税込み)肝吸い付きをいただきました。

肝はあまり好きではないのですが、ふっくらとしておいしくいただけました。

鰻ももちろん香ばしく柔らかくて骨もなくおいしかったのですが、漬物が絶品でした。白菜が球にしてありサラダ感覚で食べられます。
と、旅の疲れを回復した後、これも前回訪問できなかった「杉村楚人冠 記念館」へ。


杉村楚人冠(すぎむら そじんかん 本名・広太郎)は、明治末期から昭和前期の東京朝日新聞で活躍したジャーナリスト。日本で初めて新聞社に調査部や記事審査部を設け、新聞の縮刷版を企画、発行するなど、先進的な新聞人だった。
一方で、独特の皮肉とユーモアにあふれた文章は人気を博し(教科書にも夏目漱石とならんで載せられていた)た。
楚人冠は関東大震災で二人の子どもを失ったのを機に一家で我孫子に転居。以後、我孫子ゴルフ倶楽部の建設を町長に進言したり、手賀沼の干拓に反対し景観保護活動に取り組むなど、風光明媚な郊外の住宅地、観光地としての我孫子の発展に尽力。一方、主宰した俳句結社「湖畔吟社」をはじめ、我孫子の人々と親しく交わり、慕われたそうです。
見学は iPad を貸してくれて、その解説を聞きながら回ります。
応接間

書斎

読書の傾向が分かる本棚

庭園を散策します。

当時土地が安かったといって、どんどん買い足して大変大きな敷地となっています。

池や崖まであります。

記念館までの道は大変細く、曲がりくねっていて Google Map の道案内が無いととてもたどり着けそうもないところにあります。
帰り道、路地ごとに猫がいたのが面白かった。

3大池沼 走破の旅も終わりに近づき、家路につきます。
途中、柏に「セブンパーク アリオ柏」という巨大なショッピングモールがあるというので、寄ってみました。

イトーヨーカドーの跡地に周辺再開発を含めて2016年に誕生した施設。
1階フロアに、巨大なオブジェのある『ビックワンダー』があるというので寄ってみたわけです。
巨大なチェスの駒が置いてあるはずの場所に今はクリスマスツリーがありました。相変わらず、くそまずいスターバックスの前に味のわからない銭失いの貧乏人が並んでましたね。
平日の3時過ぎだというのに、すごい人出でびっくりしましたが、そういえば、だれも買い物をした感じの袋などを持っておらず、ただ物見遊山に来ている感じでした。




人と比較しないとその巨大さが実感できませんね。

2階フロアーに鉄道模型の「ポポンデッタ」が入っているので、寄ってみたのですが、何を買うか決めてこないと数が多すぎて選べませんね。また今度にしましょう。

ということで、今回の旅程はすべて終了。あまり無理をせずに観光地を絞って回ったのが良かった旅でした。





