Fender Pure Vintage '51 Telecaster Pickup の音は? | みいちゃんといっしょ

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先日は「Fender  TRADITIONAL II 50S TELECASTER (MIJ)」のピックアップを  American Vintage II 1951 Telecaster に乗っている「Fender  Pure Vintage '51 Telecaster Pickup」に換装したという話をしたのですが、肝心の新しいピックアップのインプレッションがまだでしたので、もとついていたピックアップとの比較をいろいろな角度からしてみたいと思います。

 

 そもそもFender Made in Japan TRADITIONAL II 50S TELECASTER(以下 MIJ Tele と約します)の改造をはじめたのは、このギターが1950年代当時の仕様、形状、ロゴデザインやカラーリングなどのデザインデータを採用しているとしながら、本家USA  Fender の Vintage ラインナップに比べ中途半端な部分が多く不満がありました。 

 そこで、Telecaster としての様式が整った、1952年仕様に外見だけでも近づけようとしたのがきっかけです(ターゲットを52年にしたのは51年仕様だと、ネックジョイントやブリッジプレートのスクリューまでマイナスになっているので、これはやりすぎだし、メンテナス上も問題と思ったからの妥協案です)。

 それ以来、ストリングガイド、ピックガードやコントロールスイッチのスクリューをマイナスのものに代えたりと一応の完成はみていたのですが、どうせなら音もオリジナルに近づけようということになりました。


 

 ところが、リプレース用ピックアップを探してみると、52年仕様と銘打っているものは、 2008年発売の古いもので、すでに生産中止になっています。

 このピックアップは、 アメリカン・オリジナル・シリーズに乗っていたもので、特定の年ではなく、大まかな各「年代」のサウンドを再現するというコンセプトを採用し、現代のプレイヤーが即戦力として使えるシリーズとしたものだったようです。(DC Resistance Neck: 7.7K, Bridge:7.2K  Inductance
Neck: 2.45 Henries, Bridge: 2.45 Henries)

 

 

 

 

 また、イーロン・マスク(X)の Grok に聞いても、

 「1951年と1952年のTelecasterピックアップの差異は、主に生産の安定性と微細な仕様変更に起因します。1951年製は個体差が大きく、より「荒々しい」キャラクターを持つ一方、1952年製はトーンの一貫性とバランスが向上しています。どちらもTelecaster らしいブライトでクリアなサウンドを提供しますが、1951年の方がややヴィンテージ感が強いと言えるでしょう。」と回答してくれています。
 

 ということで、現在販売されている 51年用のピックアップではありますが、52年のレプリカを目指すものにとっても、十分当時を偲ばせる音がするものと考え、「Fender  Pure Vintage '51 Telecaster Pickup」を乗せることにしました(現在のUSA Fender のどの機種に乗っているかもはっきりしているし、価格も安いしね)。

 

 

 

まず、形状を比較します。

Pure Vintage '51 に特徴的な点として()内は既存の MIJ TELE のピックアップ

・Bridge ピックアップのポールピースがフラット(⇔スタガード)

・ボビンがバルカンファイバー製でワインディングマシン用の穴が開いている(⇔プラスチックで穴無し)

・配線がクロス(布)ワイヤー(⇔ビニール線)

・Bridge ピックアップのボビンに巻かれているタコ糸が黒い(50年代前半はタコ糸を巻いた後黒鉛を多く含むワックスでポッティングが施されているため真っ黒にタコ糸が染まっているのだそうですが、Pure Vintage '51 が、このために黒いのか黒いタコ糸を使ったかは不明)

・製品仕様のDC抵抗:DC Resistance Neck: 7.8K, Bridge:7.15K (⇔Neck: 5.30K, Bridge:5.95K )Inductance
Neck: 2.39 Henries, Bridge: 3.9 Henries ブリッジのインダクタンスが高く設定してあり、以前のアメリカン・オリジナル・ピックアップより高域を抑え、低域を強調している。
また、出力が高い代わりに、マイルドな音色を目指している設計といえる。

 この時期のピックアップは基本的には Broadcaster 期を踏襲しているが、リアピックアップはワイヤーが AWG#42へ太くなり、マグネットがアルニコ5から3へ変更になり、抵抗値は7kΩ前半まで落ち、これがよりクリアで歯切れの良いサウンドになったといわれています。もとの MIJ TELE のピックアップが設計上、現代の音楽に合わせ、当時のものより高音成分を強調したのかもしれません。当時のサウンドは太くウォーム。そして、アコースティックなニュアンスをたっぷり含んでいる点も特徴のようで、少し非力に聞こえるいわゆる『ブラックガードの枯れたサウンド』はこの頃のサウンドをイメージした言葉のようです。

・ポールピースの磁性体がアルニコ3(⇔アルニコ5)
 

実際の音質を比較してみました。

 

     すぐに気が付くのが、もともと MIJ TELE についているピックアップは性能が良くて、Pure Vintage '51 に負けない音がするということですね。

あらかじめ Grok に尋ねたときも

「標準ピックアップも悪くないため、劇的な変化を期待する場合は他の高出力ピックアップも検討する価値あり」とアドバイスしてくれていましたものね。

 

・Bridge :どちらも歯切れの良いサウンドですが、Pure Vintage '51 の方が中域が膨らんでいるのが分かります。出力にはそれほどの差は感じられません。アルニコ3といってもコイルの巻き数など他の要素が影響するのでしょう。

・Bridge+Neck :どちらも似たような音ですが、若干Pure Vintage '51 の方が鈴なり感があります。

・Neck :明らかに差がありますね。MIJ TELE の方はこもった音がするのに対し、Pure Vintage '51 の方は、ソフトではあるけれども、クリアでさわやかな音がします。

 

 以上の違いが、いいアンプにつなぐと、こんないい音がする基を作っているのでしょうか?

 

 

 この不景気な時代に、けっこうな出費と労力をかけて、全然もとのピックアップと変わらなかったのではショックを受けること必至なので、見た目のヴィンテージ感のアップと、ヴィンテージならでのウォームな枯れたサウンドを手に入れられ、更に、価格にして3倍くらい値が張るUSA製ギターとほとんど変わらないクオリティを手に入れられた価値はあったと思いました(あと異なるのは アッシュボディ⇔バスウッド、 ニトロセルロースラッカー仕上げ⇔ポリウレタン塗装 、キャパシターが WAX PAPER CAPACITOR⇔ポリエステル(マイラー)コンデンサーぐらいとなりました)。