不動産を売却するときに必ず迷う「専任・専属専任・一般媒介」の違いを、不動産歴25年以上のプロが解説。ネット時代に一般媒介が合わなくなった理由と、売却成功につながる契約選びの考え方が分かります。
こんにちは。
本気不動産の佐藤です。
不動産を売却するとき、多くの方が最初に悩むのが
**「どんな契約で売りに出すのか?」**という部分です。
現場ではよく
「買い替え契約って何ですか?」
と聞かれることがありますが、少し分かりにくい言葉ですよね。
今日はこのあたりを整理しながら、
今の時代に合った“売りに出すための契約”の考え方をお話しします。
■ まずは整理|「売りに出すための契約」とは?
一般的に言われる
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専属専任媒介
-
専任媒介
-
一般媒介
これらはすべて、
**不動産を市場に「売りに出すための契約」**です。
「買い替え」という言葉が使われることもありますが、
本質は
👉 誰に、どんなルールで売却活動を任せるか
を決める契約だと思ってください。
この契約で決まるのは、
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広告をどう出すか
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誰が販売の責任を持つのか
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売主さんへの報告義務はあるのか
といった、売却活動全体の設計図です。
■ 契約は3種類|実務ではどう選ばれている?
売却契約は拘束度の高い順に
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専属専任
-
専任
-
一般
となります。
ちなみに、私の会社での実情をお話しすると、
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専属専任:年1〜2件(約2%)
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専任:約90%
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一般:約8%
という比率です。
結論から言うと、基本は「専任」がおすすめです。
■ 一番大事な違いは「一社か?複数社か?」
細かいルールの違いより、
実務で一番重要なのはここです。
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専任・専属専任
→ 一社に任せる -
一般媒介
→ 複数社に同時に依頼できる
この違いが、
売却の結果に大きく影響します。
一社に任せると、
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広告戦略が統一される
-
責任の所在が明確
-
定期的な報告が義務化
というメリットがあります。
一方、一般媒介は
「たくさんの会社が動いてくれそう」
というイメージがありますが、
今の時代では逆効果になることも多いんです。
■ なぜ一般媒介は“古い”と言われるのか?
理由はシンプルです。
● 問い合わせの95%以上はネット
今の買主さんは、
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不動産ポータルサイト
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ネット検索
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SNS
ここから物件を探します。
昔のように
「チラシをたくさん撒けば売れる」
時代ではありません。
● 新聞折込・ポスティングの限界
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新聞購読率は50%以下
-
ポストのチラシは即ゴミ箱
正直、反応はかなり落ちています。
一般媒介が機能していたのは、
紙広告が主役だった時代の話です。
● 複数社掲載の意外なデメリット
同じ物件が複数社からネットに出ると、
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「売れ残ってる?」
-
「どこに問い合わせればいい?」
と、買主さんにマイナスの印象を与えることがあります。
さらに、
-
どの会社が決めるか分からない
→ 広告に本気でお金をかけにくい
結果として、
どこも中途半端になりがちです。
■ 一社に任せる最大のメリットは「報告」と「質」
● 専任以上は“報告義務”がある
専任・専属専任では、
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反響状況
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内見数
-
改善提案
を定期的に報告する義務があります。
これが本当に大事です。
一般媒介には、この義務がありません。
● 写真・サムネイルが命の時代
ネットでは
最初の1枚=サムネイルで勝負が決まります。
一社任せなら、
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写真を撮り直す
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明るさや角度を調整する
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SNS・自社サイトも連動
こうした改善を、
本気でやり切れるんです。
● 売主さんの負担も軽くなる
一般媒介だと、
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各社からの連絡対応
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情報の整理
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申込の重複防止
これを売主さんがやる必要があります。
専任なら、
全部まとめて一社が管理します。
■ 専属専任と専任の違いは“細かい話”
この2つの違いは、
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報告頻度
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直接取引ができるかどうか
といった部分です。
実務では、
**柔軟性の高い「専任」**が選ばれることがほとんどです。
■ 迷ったら考えるのはここだけ
✔ 専属専任か専任か
よりも
✔ 一社か、複数社か
ここが最大の分かれ目です。
「A社もB社も良い人だから一般で…」
これは実は、
一番うまくいかない選択だったりします。
■ まとめ|売却成功の近道
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今の時代、主戦場はネット
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広告は“量”より“質”
-
責任と報告が一本化される専任が有利
信頼できる一社に、専任で任せる。
これが、現場で見てきた結論です。
売却で迷っている方は、
ぜひこの視点を持ってみてくださいね。
それではまた、次回のブログで。