家を売る理由で多いのは「管理ができない」「相続」「離婚」。不動産売買の現場で25年以上の経験を持つプロが、売却相談のベストなタイミングと後悔しない判断ポイントを分かりやすく解説します。
こんにちは。
本気不動産の佐藤です。
不動産のご相談を受けていると、
「なぜ家を売ることになったのか?」という理由は、実はある程度パターンが決まっています。
今回は、
✔ 現場で特に多い売却理由
✔ いつ相談するのがベストなのか
この2点を、実体験ベースでお話しします。
■ 売却理由①「家を管理できなくなった」
これは本当に多い相談です。
特に、
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子育てが終わり夫婦二人暮らし
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60代後半〜70代
この年代で一気に増えます。
若い頃は、
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旦那さんが外回り
-
奥さんが家の中
という分担で何とか回っていたご家庭も、
どちらかが体調を崩すと一気にバランスが崩れます。
「まだ住みたい気持ちはある」
「気持ちの上では何とかなる」
でも現実は、
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雪かき
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草刈り
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修繕
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日々の管理
これが想像以上に重くのしかかってくるんです。
ここで大事なのは、
ギリギリまで我慢しないこと。
◎ 相談の理想タイミング
・60代後半〜70代前半
・夫婦ともに元気なうち
「20年先を見据えて今すぐ売りましょう」という話ではありません。
でも、数年後に管理が厳しくなりそうと感じたら、それは十分な相談タイミングです。
元気なうちなら、
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売る
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住み続ける
-
資産として残す
この選択肢を冷静に整理できます。
◎ 将来売るなら“今やるべきこと”
将来売却を見据えるなら、
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市場性があるか
-
今後どんなメンテナンスが必要か
これを早めに把握することが重要です。
「使っていない部屋がある」
「広すぎるけど今は困っていない」
それでもOKです。
ただし、
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子どもが戻る可能性
-
同居の可能性
こうした不確定要素も含めて、
ガイドラインだけは作っておくことをおすすめしています。
■ 売却理由②「相続が発生した」
これも非常に多いケースです。
一般的には、
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夫が亡くなった場合
→ 妻が1/2、残りを子どもで分ける
という形が基本です。
ここで問題になるのが、
名義と権利の整理がされていないままというケース。
◎ 生前対策をしていないと起こること
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相続人が増える
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意思決定に時間がかかる
-
お金の話で揉めやすい
「妻に住み続けてほしい」
そう思っていても、
生前に名義や方針を決めていないと、
現実にはトラブルの火種になります。
◎ 現場のリアル
実務では、
相続が終わってから初めて相談に来る
このパターンが圧倒的に多いです。
・名義変更が終わっていない
・査定だけ先に知りたい
もちろん対応しますが、
本音を言えば、相続前の相談が理想です。
◎ 相続後に売ると税金の話も
相続後に売却して利益が出ると、
相続税とは別に譲渡所得税がかかる可能性があります。
「税金がかかるかどうか」
これも含めて査定できるかどうかで、
手元に残るお金は大きく変わります。
■ 売却理由③「離婚」
不動産業界では、
離婚に関する相談は珍しくありません。
熟年離婚から、結婚数年の早期離婚まで、
本当に幅広いです。
◎ 一番の問題は「お金」
特に若いご夫婦の場合、
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住宅ローンが多く残っている
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売っても完済できるか分からない
この状態で判断を迫られます。
奥さまからは、
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財産分与はいくらもらえるのか
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この家に住み続けられるのか
こうした相談が多く寄せられます。
◎「住み続けたい」は要注意
気持ちは分かります。
でも実務的には、おすすめしません。
・夫がローンを払わなくなったら?
・新しいパートナーができたら?
この家が、
将来の足かせになるケースが本当に多いんです。
基本的には、
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正規の慰謝料・養育費を受け取る
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不動産は整理する
-
共有名義は解消する
これが、後々揉めない選択です。
■ まとめ|「早めの相談」が一番の対策
家を売る理由は、
-
管理
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相続
-
離婚
どれも突然起きるようで、実は予兆があります。
「まだ大丈夫」
「もう少し様子を見よう」
そう思っているうちに、
選択肢が狭まるケースを何度も見てきました。
だからこそ、
元気なうち・冷静なうちの相談が何より大切です。
売る・売らないに関わらず、
「今の状態を知る」だけでも大きな意味があります。
気になる方は、
いつでもお気軽にご相談ください。