フラット35の仕組みや金利、審査基準、メリット・デメリットをわかりやすく解説。住宅ローン選びで失敗しないためのポイントを不動産のプロが語ります。
こんにちは、本気不動産の佐藤です。
今回は「フラット35」について、専門家の目線から分かりやすくお話しします。住宅ローン選びって本当に悩みますよね。特に「固定金利がいいのか、変動金利がいいのか」で迷っている方、多いのではないでしょうか。そんな中でよく耳にする「フラット35」。でも、実際のところ何が“フラット”なのか、どんな人に向いているのか、ちゃんと理解していますか?
ここでは、メリット・デメリット、そして実際の利用実態まで、リアルな情報をお届けします。
フラット35とは?──国が支える全期間固定金利の住宅ローン
まず「フラット35」とは、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の住宅ローンです。
簡単にいうと「最初から最後まで金利が変わらないローン」。国がバックについているから、銀行やネット銀行、地方銀行など色んな窓口で利用できるんです。
実際には当初5年間と5年目以降で金利が変わる“段階金利”の仕組みです、完全固定と思い込むのは要注意。しかも申し込み時ではなく、実際に融資実行する日の金利が適用されるので、金利の変動リスクはゼロではありません。
返済期間は基本35年。でも最近は40年、50年ローンの商品も出てきています。若い方や、長く安定した支払い計画を立てたい方には選択肢が広がっていますね。
フラット35のメリット
じゃあ、何が良いのか?
一番の魅力はやはり**「金利の安定性」**です。
固定金利なので、途中で市場金利が上がっても返済額は変わりません。ライフプランが立てやすく、安心感があります。
さらに、審査面でも民間の住宅ローンに比べて柔軟なんです。
例えば「契約社員」「アルバイト」といった非正規雇用でも、安定した収入があれば借りられるケースがあります。これ、意外と知られていないポイントです。
また、セカンドハウスや親族が住む家にも融資可能という柔軟さも魅力。ふつうの銀行だとこういう用途は断られがちですが、フラット35ならOKだったりします。
しかも、自分が普段利用している金融機関を変えなくても申し込めるのも利点。取り扱い金融機関が多いので、選択肢に困らないのも助かります。
フラット35のデメリット
とはいえ、良いことばかりではありません。
まず、**「事前審査が甘い」**という声もあります。
「仮審査はOKだったのに本審査で減額・不承認」というケースがあるんですね。申込書類や建物の条件をしっかり確認して臨む必要があります。
また、手数料が意外と高い。
保証料や事務手数料など、他の住宅ローンでは無料や安いものもありますが、フラット35ではほぼ必ず発生します。
さらに建物にも条件があります。
昭和56年以前の旧耐震基準の建物では融資が難しいんです。新築や高性能住宅じゃないと利用できない可能性があります。
あと、**団体信用生命保険(団信)**も注意が必要。基本の団信は無料ですが、がん保障や三大疾病保障など追加すると金利が上乗せされます。民間銀行なら無料でつく保障が有料になることも。ここは見落としがちなポイントです。
フラット35が向いている人・向いていない人
【向いている人】
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とにかく返済額を安定させたい
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新築や高性能住宅を購入する
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雇用形態に不安があり、他ローンが通りにくい
【向いていない人】
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繰り上げ返済を積極的にしたい
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短期で完済するつもり
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低金利の変動金利ローンを利用できる人
フラット35の利用実態と今後
実際には新築購入でも利用者が減少傾向です。
理由は、民間銀行がより低金利やお得な商品を出してきたから。金利もサービスも、競争が激しくなっているんです。
ただ、**セカンドハウス用や高齢者向けの「リバース60」**といった特殊な商品では、まだまだ有用性があります。
まとめ
「フラット35」は“万人向け”ではありません。
でも、**「金利上昇リスクを避けたい」「新築高性能住宅を長期ローンで購入したい」**という方には強い味方になります。
最後に大事なのは、「他のローン商品と比較すること」。
住宅ローンは人生最大の借金です。
選ぶ前に、自分のライフプランと照らし合わせて、冷静に比較してみてください。
少しでも参考になれば嬉しいです。
では、また次回の記事でお会いしましょう!