マンションの寿命はコンクリートだけでは決まらない。設備や配管、修繕積立金、所有者不明問題…知らないと後悔する維持管理のポイントを解説します。
こんにちは、本気不動産の佐藤です。
今回は「マンションの寿命と維持管理」について、ちょっと踏み込んだお話をしていきます。これからマンション購入を検討している方、すでに所有している方にも、ぜひ知っておいてほしい内容です。
■ コンクリートの寿命ってどれくらい?
まず、よく聞かれるのが「マンションって何年持つの?」という質問。
実は、コンクリート自体の寿命は何もしなければ50〜60年程度と言われています。でも、これは放置した場合。適切に修繕を重ねれば、100年、150年持たせることも技術的には可能なんです。
最近では、ひび割れ部分に薬剤を注入して再生する技術も発展しており、寿命を延ばす選択肢も増えてきました。
でも、忘れてはいけないのが「設備や配管」の存在。
配管の寿命は20〜25年ほど。コンクリートよりずっと短いんです。特に古いマンションだと配管が壁や床に埋め込まれているケースも多く、修理が大変。一方で、2000年以降のマンションはメンテナンス性を考えて設計されているので、修繕のしやすさに差が出ます。
■ 修繕積立金、ちゃんと足りてる?
マンションを長く維持するために欠かせないのが修繕積立金。
これが不足すると、大規模修繕ができなくなり、建物の劣化が一気に進みます。特に怖いのが「水の侵入」。コンクリートは水に弱く、ひび割れから水が入ると内部から劣化が始まります。だからこそ、修繕積立金が適正に管理されているマンションを選ぶことが大切なんです。
そして注意したいのが投資用マンション。
投資目的の所有者が多いと、修繕費への意識が低いケースも。自分が住まないため、維持管理の責任感が薄れやすい傾向があります。
管理費はある程度節約が可能ですが、修繕積立金は削れない費用。ここをケチると、マンション自体の寿命を縮めてしまう結果に…。
■ 取り壊しの壁…所有者が多いと難しい
「古くなったらマンションを取り壊せばいいじゃない」
そう思う方もいるかもしれませんが、実は簡単ではありません。マンションを取り壊すには区分所有法に基づき所有者の4/5以上の賛成が必要。所有者が多ければ多いほど、合意形成が難航します。
さらに最近増えているのが「所有者不明問題」。
相続手続きが放置され、登記上の所有者が誰かわからない部屋が出てくるんです。こうなると管理費や修繕積立金の徴収ができなくなり、マンションの維持が一気に厳しくなります。
空室や所有者不明の部屋が増えると、ゴーストマンション化のリスクも現実味を帯びてきます。取り壊しに必要な弁護士費用や調査費用も高額。これが、今後の大きな社会課題とも言われています。
■ タワーマンションの解体は桁違い
タワーマンションに住みたい方も多いですが、修繕費や解体費用が桁違いに高いことを忘れてはいけません。
例えば一軒家の解体費用が200〜300万円だとしたら、タワーマンションは数億円規模。これを所有者全員で分担するわけですが、簡単に集まる金額ではありません。
結果として「解体したくてもできないマンション」が生まれるリスクも。
■ 未来を見据えたマンション選びを
最近は修繕技術も進化し、建物自体の寿命は延ばせるようになりました。
でも、問題は「建物」より「人」や「お金」。
所有者の高齢化、所有者不明、修繕積立金不足…これらの問題がマンションの寿命を左右します。
マンション購入時には、物件自体の状態だけでなく、修繕積立金の積立状況、管理組合の意識、所有者の構成にも注目してください。
「自分が住むためのマンション」を選ぶことが、将来の安心に繋がります。
■ おまけ:北海道のおすすめスポット
せっかくなので、少し息抜きのお話も。
今の時期、北海道旅行に行くなら、日高地方や旭山動物園の桜が見頃です。
夏には富良野のラベンダーや美瑛のパッチワークの丘も最高。
山の緑が美しい季節、朝の運海を見に行くのもおすすめです。
温泉も各地に点在しているので、旅の疲れも癒せますよ。
今回は「マンションの寿命と維持管理」についてお話しました。
購入を検討されている方も、すでに住んでいる方も、自分のマンションの“未来”に意識を向けてみてくださいね。
何か気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください!